税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業44年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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「質疑応答記録」から考える納税者の権利 第2回

第2回 前回より続き

(3)開示された墨塗り文書

課税当局は、「聴取書」を作成する目的を「課税要件事実の立証手段の一つを確保しておくということに尽きます」としていた。以下、東京国税局訟務官室が平成18年12月に作成した「聴取書作成のポイント」から見てみたい。
まずは「自ら作成した聴取書がどのように活用されるのかを理解していないと、将来の課税争訟の証拠となる有効な聴取書を作成できないといった可能性も生じます」とし、「裁判所に証拠としての提出」することを前提としている。この聴取書は、課税処分の適法性を立証する証拠として「裁判官の判断の材料とされます」と説明する。ただし、それだけではこの文書の形式的証拠能力が認められても、その内容が「真正なもの」になるわけではないので、書き方が重要だと指摘する。
まず形式として、作成者、作成場所・日時、被聴取者の署名・押印、聴取書に添付する書類をあげ、次いで記録すべき内容として、立証すべき事項(作成目的)の明確化、事前準備の重要性、真実性の確保、具体性の確保をあげている。
残念ながら、税理士会が開示請求したこの文書のほとんどが墨塗りの不開示とされているので、よほど納税者側に知られたくないことが書かれているようではある。

(4)納税者の「任意」は本物か

しかし、これらの部分だけでも理解できることは多い。この聴取書は、納税者とのやり取りを記録した税務署の単なる内部資料ではない。作成者は調査担当官であり、発言者(聴取された側)の署名・押印が求められるというのであるから、納税者に自発的作成の要素はない。「言質を取られる」のである。「私はこれこれしかじかの理由で脱税をしました。その方法は云々」というわけである。
この聴取書を作成する場合は、もともとは重加算税を賦課する要件となる証拠、つまり仮名預金や二重帳簿作成というような「隠ぺい又は仮装」の具体的証拠がないときに威力を発揮するとされたものだ。このような、検察官が作成する「自白調書」まがいの書面が納税者の自発的協力をもとに作成されるかという疑問がそもそも指摘されていた。一般の税務調査は任意調査であって、強制調査ではないから、納税者の任意の協力が大前提である。国税通則法改正によって調査手続の明確化が行われたのは、調査という特別なシーンにおいて、いかに課税庁と納税者との「対等性」を確保するかという難しいテーマを実現すべく生まれたものであった。こうした環境の変化を国税庁はどのように理解したのであろうか。

(5)「記録書」の仕組み

そこで、現れたのが「質問応答記録書」である。国税庁課税総括課が平成25年6月に作成した「質問応答記録書作成の手引」に基づいてその問題点を指摘しておきたい(これも墨塗りが多い)。
まず、作成に当たっては事前準備を求める。「①何を目的として、②誰に対して、③何をk聞くのかを整理し、④提示できる資料は何かなどの事前準備をしたうえで、回答者に質問をする」とし、作成の際には納税者に対して「作成の趣旨や作成手順を説明する」としている。作成は納税者の面前で行うとは限らず、「別の機会に回答者に読み上げ・提示・署名押印の手続を行っても差し支えない」とする。
税務署サイドは2人で、「質問者」と「記録者」を分担。回答者の署名押印は、「本文最終行の次の行に、『回答者』と表記した右横のスペースに求める」と場所を指定。そして、各ページや添付資料の「右下隅に押印を求める」と確認印も押印させる。そして、「調査時に写しを交付してはならない。回答者から、これらを要求されても応じられない旨を説明する」とコピー交付を禁止している。納税者が冷静にその内容を判断する余裕を与えず、また後日訂正を求められないようそのコピーも禁止しているのである。これを作成され、署名押印させられた納税者は、身ぐるみはがされた思いをすることになろう。これが、全国統一的に実施されるのである。ここには、納税者の権利保障の観点は認めがたい。

・・・・次回に続く・・・・

| 国税通則法 | 18:31 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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質問応答記録から考える納税者の権利

 今回も情報提供いただいている、エヌピー通信社『納税通信』3413号記事より、興味のある記事がありましたので全3回に分けて掲載したいと思います。

納税通信3413号の記事を見ていたら、「質問応答記録から考える納税者の権利」税理士岡田俊明氏(以下「本件論文」という。)の記事を発見した。
なかなかの力作であり、官側の2011年12月1日以降の国税通則法改正に準拠した論文である。筆者は、「聴取書」の法的適合性を、長年本件に関して、雑誌その他の機会を取らえて、その非合法性を主張してきた。
しかし国側(官側)の「調査」の意義は、国税(国税通則法74条の2から6までに掲げる税目に限る。)に関する法律の規定に基づき、特定の納税義務者の課税標準等又は税額等を、認定する目的その他国税に関する法律に基つく処分を行う目的で、当該職員が行う一連の行為(証拠資料の収集、要件事実の認定、法令の解釈適用など)をいう。国税通則法第7章の2(国税調査)関係通達1-1の内部通達を発遣した。また、「争点整理表通達」に基づく、「争点整理表」作成基準(争点整理表通達」Ⅱ1(2)の一連の動きと聴取書から質問応答記録書に呼称変更した。本来の目的は、課税側の裁判に負けない体制の一環の措置であろう。
以下本件論文を発表し、意見を述べたいと思う。

(1)まえがき
最近、一般の税務調査、つまり「任意調査」で調査担当官が納税者から聴き取った内容だとして書面にしたものに納税者の署名・押印を求める事例が目立つようになっている。税理士から戸惑いの声も少なくない。税務調査で何が起きているのか。納税者はいかに対応すべきなのか。そして税理士にどのように相談し、共に対処すべきなのだろうか。今一度考えてみたい。

(2)多様な調査方法?
税務調査手続を法制化した改正国税通則法施行から3年が経過した。税務調査は事前通知が原則となり、そして調査終了の際の手続きも明確にすることになった。結果、当然ではあるが調査件数は減少している。そうした状況に危機感を抱いたのか、国税庁は実地調査以外の「多様な手法」を繰り出して、納税者接触を強めようとしているようだ。それが「ハイブリッド調査」と呼ばれるものである。これは、質問検査権の行使である実地調査と税務署に呼び出しての机上調査、加えて、調査ではないが行政指導として納税者に対応を求める「お尋ね」文書の乱発である。強制力のある方法と強制力のない方法を意図的に混在させて実施されることから、いわば悪質な行政手法の定着化の試みといえよう。これでは、国税通則法改正が目指した調査手続の透明性および納税者の予見可能性を高めるという目的が否定されかねない。
そして、さらに重大な問題も起きている。「質問応答記録書」という聞きなれない書面を調査担当官が作成し、これに納税者の署名・押印を求めるという事例が増加しているのである。以前の調査では「申述書」や「確認書」という書面を提出させるという例が散見されていた。これらはいわば〝反省文〞だが、これらは重加算税賦課の根拠とされ、その文末には決まって「寛大なる措置をお願いしたい」などと書かせていた。こうしたことから、納税者に対する強制性が問題視されたが、同時に課税庁内部では争訟における証拠能力に疑問が出されていた。
これを補強するため、調査担当官と納税者の問答形式で作成して証拠能力の強化を図ろうとして登場したのが「聴取書」だ。犯罪捜査の際に検察官が作成する「供述調書」と同様の形式を採用したため、その違法性が問題視されたものである。

・・・次回に続く・・・





| 国税通則法 | 15:02 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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納税管理人制度の活用

 納税管理人制度の活用

今年も確定申告時期が近づいてきました。
毎年全国で約2,100万人の個人及び個人事業主が申告・納税する一大行事です。
近年の傾向として、この確定申告にも変化が表れてきています。それは海外に進出した個人駐在員や富裕層及び外国人(非居住者)が増えてきている事です。
そして、このような人たちの申告を、委任を受けて行う「納税管理人制度」が増えてきている事です。
「納税管理人制度」とは あまり聞きなれない言葉ですが、国税通則法117条1項及び117条2項にその規定が載っています
即ち納税管理人とは、1年以上の予定で海外に出張している人やリタイヤ(退職)して海外に居住している人達を非居住者と言いますが、その非居住者に代わって、税務署からの通知を受取ったり、確定申告や納税も行う人を言います。
この納税管理人には、一般的には家族や親族が行いますが、税理士等に依頼している方も多いのです。
非居住者は原則として日本国内での納税義務はありませんが、国内に収入(所得)の源泉がある人は確定申告をしなくてはなりません。本人が申告をすればいいのですが、そのために日本に帰国してまで申告をする方は少ないようです。そこでこのような人の代理で申告をする人、いわゆる納税管理人が必要になってくるわけです。

納税管理人が多く携わっているのが、日本国内に不動産を所有して、そこから収入を受けている非居住者の方々です。
日本国内の不動産から得る賃貸収入は、国内所得となり申告義務が発生しますから、納税管理人を選任する必要があります。
ちなみに、自宅などの場合は家賃収入が発生しませんから、通常の場合は、国税の納税管理人は必要ありませんが、売却した場合などは、必要となります。
また、地方税の固定資産税の納税義務は、発生しますので、地方税の納税管理人は必要となるのでその届出をしておく必要があります。

我々税理士が受託する業務で最近多いのが、非居住者である外国人が日本国内に不動産を購入し、そこから不動産収入を得ているケースです。
海外からこれらの事務処理をし、かつ、申告納税することは非常に困難な場合が多く、納税については、海外から送金することが認められていないので、日本国内で納付しなければなりません。所有者本人たちは国外にいるためその物件の管理及び納税までを委任される場合が多いのです。
国際化された今、海外に出国する日本人、逆に海外から日本に投資をする外国人は今後ますます増えてくるでしょう。そのためにもこの納税管理人制度を賢く活用して頂きたいと思います。

     参照: 「納税管理人の課税関係」高山政信著 税務事例2014・11号

| 国税通則法 | 10:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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行政不服審査法関連三法案が可決成立

      成立後52年ぶりの抜本的見直し

 1962(昭和37)年の行政不服審査法制定以来、50年以上実質的な法改正が行われていませんでしたが、第186回国会を可決成立し、本年6月13日行政不服審査法(平成26年法律第68号)、行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成26年法律第69号)及び行政手続法の一部を改正する法律(平成26年法律第70号)として公布されました。
 
(1)改正の趣旨
 行政不服審査制度は、行政処分に関し国民がその見直しを求め、行政庁に不服を申し立てる手続きで、簡易迅速な手続きにより、手数料無料で国民の権利利益を救済する制度です。制定以来実質的な法改正が行われていませんでしたが、①公平性の向上、②使いやすさの向上、③国民の救済手段の充実・拡大の観点から、時代に即した見直しが必要と判断されました。

(2)行政不服審査法
①改正の内容
 ㋑審理員による審理手続の導入
 公平性の向上の観点から、審理において、職員のうち処分に関与しない者(審理員)が、審査請求人及び処分庁両者の主張を公平に審理することとなります。
 ㋺採決について、第三者機関への諮問手続の導入
 公平性の向上の観点から、有識者から成る第三者機関が審査庁の判断の妥当性チェックすることとなります。ただし、審査請求人が希望しない場合、第三者機関が不要と認めた場合等には諮問を不要とし、迅速な裁決を希望する国民にも配慮しています。
 ㋩不服申立ての手続を「審査請求」に一元化
 現行では処分をした行政庁(処分庁)に上級処分庁ある場合とない場合とで手続が異なり、上級処分庁がある場合には直近の上級処分庁に対して「審査請求」を行い、上級処分庁がない場合には処分庁に対して「異議申立て」を行うというように手続きが異なるという問題点がありました。使いやすさの向上の観点から、「異議申立て」を廃止し、「審査請求」に一元化することで問題点の解決を図ることとされました。 
 ㋥審査請求をすることができる期間を60日から3ヵ月に延長
②施行日
 公布後2年以内。

 (3)行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
①改正の内容
㋑不服申立前置の廃止・縮小
 行政の処分に不服がある場合に、不服申立てをするか、直ちに出訴するかは、国民が選択できることが原則ですが、現行では不服申立てに対する裁決を経た後でなければ出訴できない旨(不服申立前置)を定める個別法が96あります。不服申立て前置については、国民の裁判を受ける権利を不当に制限しているとの批判や、裁判所の負担等も勘案しこのほど見直しが行われました。
 96法律のうち、47法律については全部廃止(自由選択)となり、21法律については一部廃止・一部存置となりました。また、二重前置(21法律)については全廃又は一重化となり解消されました。
㋺行政不服審査法の特例等を定める約350の法律について改正
②施行日
 行政不服審査法の施行日。(公布後2年以内)

(4)行政手続法の一部を改正する法律
①改正の内容
 不服申立ては、行政処分により不利益を受けた場合に行政に不服を申し出る仕組みですが、国民の救済手段の充実・拡大の観点から、以下のような場合にも国民の権利利益の保護の充実のための手続きとして整備されました。
㋑法令違反の事実を発見すれば、是正のための処分を求めることができる
 国民が、法律違反の事実を発見した場合に、行政機関に対し適正な権限行使を求めることができるというものです。
㋺法律の要件に適合しない行政処分を受けたと思う場合に中止を求めることができる
 法律に基づく行政処分を受けた事業者が、行政指導が法律の要件に適合しないと思う場合に、行政に対して処分の再考を求める申出をすることができるというものです。
②施行日
 2015(平成27)年4月1日より施行されます。

 このたび、行政不服審査法の関連3法案が可決成立し、制定以来52年ぶりの改正が行われました。注目点は不服申立人の権利利益の救済の観点からの改正ということで、第三者の介入による公平性の確保や前置主義の見直し等による迅速な裁決、また、審査請求をすることができる期間を延長したことなどが挙げられます。施行まではまだ期間がりますが今後も注目していきたいと思います。
           参考資料  平成26年法律第68号、第69号、第70号
                 総務省ホームページ

| 国税通則法 | 10:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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重要:改正国税通則法

重要:「国税通則法等の改正(税務調査手続等)」について

国税通則法の改正に伴い、国税庁は2014年4月9日のホームページでその改正内容を公表しました。今回は、納税者及び税理士等の税務代理人に関しても重要な変更なのでここで紹介しておきます。
 2012年(平成23年)12月2日の国税通則法の改正では、調査の事前通知については、納税者と税理士等の税務代理人の双方に対して通知することとされていました。
今回の改正により、2014年(平成26年)7月1日以後に行う税務調査手続等の事前通知については、税務代理権限証書に、納税者の同意が記載されている場合には、税務代理人に対して通知すれば足りることとされたのです。 国税庁HPでは、この改正を踏まえ、平成24年9月に策定した法令解釈通達、事務運営指針及び質疑応答集を改正しています。具体的には以下の国税庁HPにアクセスしていただきたい。
国税庁HP:http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h24/nozeikankyo/01.htm
今回の改正においてまず納税者側への改正に関しての質疑応答集がQ&A方式で31問ほどあり、税理士等の税務代理人に関してもQ&A方式で15問ほどあります。
今回は特に税務代理人に対しての改正内容を質疑応答の中から抜粋して紹介します。

(質疑応答集の中からの抜粋)
問1 平成26年度税制改正において事前通知に関する規定が改正されましたが、その概要を教えてください。
答:平成26年度税制改正において、国税通則法及び税理士法の一部が改正されました。
 これにより、①納税者の方に、税務代理権限証書を提出している税理士等(以下「税務代理 人」といいます。)がいる場合で、②提出された税務代理権限証書に、納税者の方への事前 通知は当該税務代理人に対して行われることについて同意する旨(以下「事前通知に関する同意」といいます。)の記載があるときには、納税者の方への事前通知は、当該税務代理人に対して行えば足りることとされました(以下、この改正による新たな事前通知の方法を「本制度」といいます。)。
 今後、税務代理権限証書を作成する際には、納税者の方に「本制度」を説明し、納税者の方から「事前通知に関する同意」が示された場合には、税務代理権限証書にその旨を確実に記載してください。
(注)1 「本制度」は、平成26年7月1日以後に行う事前通知から適用されます。
2 「事前通知に関する同意」については、法令上、税務代理権限証書に記載することとされています。このため、税務代理権限証書以外の書面や口頭により「事前通知に関する同意」を示しても、有効なものとは認められません。
【平成26年4月追加】
問2 「本制度」については、平成26年7月1日以後に行われる事前通知から適用することとされていますが、それ以前(例えば、平成26年5月に平成26年3月決算法人の申告書を提出する場合)でも、「事前通知に関する同意」を記載した税務代理権限証書を提出することができますか。
答: 「事前通知に関する同意」を記載した税務代理権限証書(以下「同意を記載した税務代理権限証書」といいます。)については、平成26年6月30日以前であっても提出できます。
 したがって、例えば、平成26年3月決算法人の申告の際にも、「同意を記載した税務代理権限証書」を提出することができます。
 なお、税理士法施行規則の改正により、税務代理権限証書の様式が改訂されており、税務代理権限証書の提出日によって、使用する税務代理権限証書の様式が異なりますのでご注意ください。
 ≪平成26年7月1日以後に提出する場合≫
 改訂後の税務代理権限証書を使用してください(改訂前の様式も、当分の間は使用可)。
 ≪平成26年6月30日以前に提出する場合≫
 改訂前の税務代理権限証書を使用してください。
【平成26年4月追加】
問3 これまでに提出した所得税(法人税)に関する税務代理権限証書には、「事前通知に関する同意」を記載していませんでしたが、顧客納税者の方から「事前通知に関する同意」が示されたので、次回の申告の際には、「同意を記載した税務代理権限証書」を提出することを予定しています。その際には、これまでに税務代理権限証書を提出した過去の年分等についても、「同意を記載した税務代理権限証書」を再提出する必要がありますか。
答:次回の申告の際に、過去に税務代理権限証書を提出した年分・事業年度等(以下「年分等」といいます。)も含めることを明らかにして、「同意を記載した税務代理権限証書」を提出する場合には、過去の年分等については、「同意を記載した税務代理権限証書」を再提出する必要はありません。
 なお、このケースでは、次回の申告(「同意を記載した税務代理権限証書」の提出)の前に事前通知を行う場合は、納税者の方と税務代理人の双方がその対象となります。納税者の方から「次回の申告の前であっても、私への事前通知は税務代理人に行ってほしい。」という要望があったときには、直近に申告した年分等について、速やかに「同意を記載した税務代理権限証書」を再提出してください。
 (注) 新たに税務代理を委任されたため、それより前の年分等について税務代理権限証書を提出していなかったケースは、問7を参照してください。
【平成26年4月追加】
問5 顧客納税者の方から「事前通知に関する同意」が示された場合、税務代理権限証書にどのように記載すればよいですか。
答: 「事前通知に関する同意」については、税務代理権限証書に次のとおり記載してください。
 なお、平成26年7月1日以後に使用する税務代理権限証書には、納税者の方から「事前通 知に関する同意」があった場合にチェックする欄が設けられていますが、平成26年6月30日以前に使用する税務代理権限証書にはこうした欄がありませんので、「事前通知に関する同意」が記載漏れとならないようご注意ください。
 ≪平成26年7月1日以後に提出する場合≫
  改訂後の税務代理権限証書の「調査の通知に関する同意」欄にレ印を記載してください(改訂前の様式も、当分の間は使用可)。
 ≪平成26年6月30日以前に提出する場合≫
  改訂前の税務代理権限証書の「2 その他の事項」欄に、「上記の代理人に税務代理を委任した事項(過年分の税務代理権限証書において委任した事項を含みます。)に関して調査が行われる場合には、私(当法人)への調査の通知は、当該代理人に対して行われることに同意します。」と記載してください。
 (注) 一の年分等について複数の税務代理人が税務代理を委任されている場合には、それぞれの税務代理人が提出する税務代理権限証書に「事前通知に関する同意」を記載してください。
【平成26年4月追加】
問6 税務代理の委任を受けている法人から「事前通知に関する同意」があった場合には、法人税以外の税目についても「同意を記載した税務代理権限証書」を提出する必要がありますか。
答: 法人の調査においては、一般的には、法人税、消費税(地方消費税を含みます。以下この問について同じ。)及び源泉所得税(源泉徴収に係る復興特別所得税を含みます。以下この問について同じ。)の調査が同時に行われます。
 このため、消費税や源泉所得税についても、納税者の方から「事前通知に関する同意」が示されているのであれば、その旨を記載した税務代理権限証書を提出してください。
 なお、個人の事業者等の調査においても、一般的には、所得税(申告に係る復興特別所得税を含みます。)、消費税及び源泉所得税の調査が同時に行われますので、上記の場合と同様に税務代理権限証書を提出してください。
(注) 源泉所得税についても税務代理を委任されている場合には、税務代理権限証書の「1 税務代理の対象に関する事項」欄に、「所得税(復興特別所得税を含む。)※源泉徴収に係るもの」を記載する必要があります。        【平成26年4月追加】
問8 昨年までは、所得税の申告について「同意を記載した税務代理権限証書」を継続して提出していましたが、今年提出した税務代理権限証書には、「事前通知に関する同意」の記載を失念してしまいました。この場合の事前通知は、納税者の方と税務代理人の双方に行われますか。
答: 調査時点における直近の年分等の税務代理権限証書に「事前通知に関する同意」が記載されていない場合には、それより前の年分等について「同意を記載した税務代理権限証書」が提出されていたとしても、事前通知は、原則として納税者の方と税務代理人の双方に行うこととなります。
 このため、納税者の方から「事前通知に関する同意」が示された場合には、その後、納税者の方の意思に変更がない限り、「同意を記載した税務代理権限証書」を継続して提出してください。
 なお、提出した税務代理権限証書に「事前通知に関する同意」を記載していなかったことに気付いた場合には、速やかに「同意を記載した税務代理権限証書」を再提出してください。                         【平成26年4月追加】
問10 これまでに提出した税務代理権限証書には「事前通知に関する同意」を記載していませんでした。このため、実地の調査があった場合には、顧客納税者の方にも事前通知が行われると思いますが、その際に、顧客納税者の方から事前通知は税務代理人を通じて行ってほしいという要望があった場合には、税務代理人を通じて行ってもらうことは可能ですか。
答:提出された税務代理権限証書に「事前通知に関する同意」が記載されていない場合には、納税者の方にも事前通知を行うこととなりますが、その際に、納税者の方から事前通知事項の詳細は税務代理人を通じて通知しても差し支えない旨の申立てがあったときには、納税者の方には実地の調査を行うことのみを通知し、その他の事前通知事項は税務代理人を通じて通知することとしています。
 
問13 印紙税についても、「同意を記載した税務代理権限証書」を提出した場合には、納税者の方への事前通知は税務代理人に対して行われますか。また、調査結果の内容の説明についてはどうですか。
答: 税理士法においては、印紙税は税理士業務の対象税目とされていませんので、税理士が、印紙税に関して国税通則法に規定する「税務代理人」に該当することはありません。
 したがって、印紙税について「同意を記載した税務代理権限証書」を提出したとしても、印紙税の調査に関する事前通知については、納税者の方に対して行うこととなります。
 また、調査結果の内容の説明についても、同様に納税者の方に対して行います。
問14 納税者の方の同意がある場合には、税務代理人は顧客納税者の方の代わりに調査結果の内容説明等を受けられることとなっていますが、税務代理権限証書を提出していれば同意があるとされるのでしょうか。税務代理権限証書に同意がある旨を明記した場合はどうでしょうか。
 調査結果の内容説明等は、納税者の方に税務代理人がいる場合でも、原則として納税者の方ご本人に対して行います。
 ただし、当該調査結果の内容の説明を、納税者の方に代わって税務代理人に説明してほしいという納税者の方の明確な意思表示がある場合には、納税者の方に代わって税務代理人に調査結果の内容の説明を行うこととしています。
 したがって、調査担当者は、税務代理権限証書が提出されている場合であっても、調査結果の内容説明等を行う前に、納税者の方に直接同意の事実を確認する方法、又は税務代理人を通じて同意の事実を証する書面の提出を求める方法により、納税者の方の同意があることを確認することとしています。また、仮に税務代理権限証書に調査結果の内容説明等について同意する旨が明記されていても、改めて、調査結果の内容説明等を行う時点で同意の有無を確認します。
 なお、実地の調査以外の調査の場合には、調査結果の内容説明等の時点で納税者の方の同意を直接確認することが困難なときもありますから、そのようなときには、税務代理人を通じて納税者の方の意向を確認できれば、税務代理人に対して説明を行うこととしています。

最後に2014年(平成26年)7月1日以降に提出する税務代理権限証書もHPに掲載されていますので、事前によく調べ間違いがないように対応していく必要があるでしょう。

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