税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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債権の消滅時効への対策③

 消滅時効への対策として、前回は時効の中断と、中断事由としての請求についてみてきました。今回は差押え、承認について見ていきましょう。

1.差押え、仮差押えまたは仮処分

(1)差押え

①差押え
 差押えは、民事執行法上、強制執行(競売、強制管理)の前段階として執行機関が債務者の財産(不動産、動産、債権)の処分を禁止する行為です。
 差押えをするためには、債務名義を取得する必要があります。

②債務名義
 債務名義とは、公の機関が権利の存在を確認したことを表す書面で、請求権の存在及び範囲、債権者並びに債務者が明記されたものです。法律による執行力が与えられた書面ですので、差押えの後、新たに裁判などの手続きを経ることなく強制執行をして債権回収を図ることができます。そのためには、原則として債務名義に執行文の付与されていることが必要です。

③債務名義の種類
 民事執行法第22条では、㋑確定判決、㋺仮執行宣言付判決、㋩仮執行宣言付支払督促、㋥訴訟費用等を定める裁判所書記官の処分、㋭執行証書、㋬裁判所の仲介判断 ㋣確定判決と同一の効力を有するもの(和解調書、請求の承諾調書、調停証書 など)等を定めています。

④債務名義の取得
⒜執行証書作成、和解調書申立て
  債務者が債務の存在を認めており、支払に合意している場合には、合意に対する強制力を持たせるために行う方法です。
  ・公証人役場にて執行証書の作成
  ・裁判所で即決和解
⒝調停の申立て
  債務者が債務の存在を認めていない場合には、当事者と調停委員が話合
 い、合意が成立した場合に作成される調停証書が債務名義となります。
⒞支払督促、訴訟提起
  債務者が債務の存在を認めておらず、話合いの余地もないようならば、
 強制的な手段に訴える必要があります。
  ・支払督促の申立てによる仮執行宣言付支払督促の取得
  ・訴訟提起による確定判決、仮執行宣言付判決、和解調書

(2)仮差押えまたは仮処分

①仮差押え
 差押えのためには債務名義の取得が必要ですが、その取得には時間がかかることもあり、その間に債務者が財産を処分したり隠したりした場合には、強制執行の際に財産がないため回収できない事態が想定されます。
 そのため、裁判所に仮差押えの申立てを行い、今ある財産(商品、設備機材、預金口座、債権など)の保全命令を出してもらうことです。仮差押えができるのは金銭債権に基づく請求権に限定されます。
 手続きは裁判所に申請書面を提出し、保証金を納めることによります。
 ただし債務者が仮差押えに対して異議がある場合には、債務者は速やかに保全異議申立をする必要があります。

②仮処分
 仮差押えは金銭債権に限定されず、金銭債権以外の請求権について裁判所からの債務者に対する財産の保全命令です。


2.承認

(1)承認
 承認は、債務者が自分に債務が存在することを認めるとです。承認をすればその時点で時効は中断し、再度時効期間が経過しなければ時効を主張することはできません。

(2)承認の方法
①債務の存在の認めさせる方法
日付と債権金額を記入した「債務確認書」「支払猶予願い」「残高確認書」等の書面を作成し記名押印してもらう方法です。
 「残高確認書」については、決算期に定期的に作成するようにすれば時効の中断をすることが可能です。

②代金や利息の一部の支払を受ける方法
 支払うという行為が債務の存在を認めていることに起因すると考えられることから、承認があったものとされるのです。

③時効期間経過後の承認
 時効期間が経過したとしても時効の援用をしなければ債務が無くなるわけではありません。よって、時効期間経過後に支払猶予の要請(口頭で支払いを待って欲しいと言う行為も含みます)をしたり、一部の支払いをした場合には時効の援用はできず、支払いを拒むことができなくなります。 以上、3回にわたり債務消滅時効への対策を書いてきました。残高確認書の発行など費用のかからずに中断する方法もあるので、弁済の滞りがちな取引先には日常的な対策を立てることが必要でしょう。





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