税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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債権の消滅時効への対策 ②

 前回は消滅時効の基本的なことを見てみました。今回はその対策についてお話しましょう。債権の消滅時効への対策として時効を中断させなければなりません。

1.時効の中断
 時効の中断とは、時効の進行を停止させ、それまでの時効期間の経過を無にする行為を言います。従って、時効の進行は振り出しに戻される為、再度消滅時効期間が経過しなければ時効は成立しないことになります。
 時効中断事由として、民法147条では、①請求 ②差押え、仮差押え又は仮処分 ③承認 の3つの事由を掲げています。ただし、注意としてはこの中断行為は当事者の間でだけ認められるものであるということです(民法148条)。例えば、債権者が連帯債務者の一人に対して時効の中断行為をした場合にはその債務者との間では時効の進行は振り出しに戻ることになりますが、他に債務者との間では時効は進行することになります。

2.時効の中断事由
 民法では、中断事由を次のように規定しています。

債権2

3.請求
(1)裁判上の請求
 裁判所に訴訟提起をする事です。金額が140万円以下(金銭債権の場合は60万円以下)であれば簡易裁判所を利用することが可能です。ただし、訴えの却下又は取下げの場合には、時効の中断の効力は生じません。

(2)支払督促
 
 支払督促は、次の手順で行われます。

①債権者が裁判所に支払督促申立書を提出します。
②裁判所は審査の後、支払督促を発付し、債務者は支払督促を受領し、債権者は支払督促発付通知を受領します。
③債務者は異議申立てを行う場合は、支払督促受領後2週間以内に行います。この場合は通常訴訟となります。
④債務者が異議申立てを行わない場合は、債権者は債務者の意義申立期間が過ぎてから30日以内に仮執行申立書を裁判所に提出します。

この場合、仮執行申立書を提出しない場合は時効の中断の効力は生じません。
⑤裁判所は審査の後、仮執行宣言付支払督促を発付し、債権者及び債務者は仮宣言書付支払督促を受領します。
⑥債務者は異議申立てを行う場合は、仮執行宣言付支払督促を受領後2週間以内に行います。この場合は通常訴訟となります。
⑦債務者が異議申立てを行わなかった場合、債権者は執行文を得ることなく強制執行をすることげできます。

(3)和解及び調停の申し立て
和解の申立て又は調停の申立ては、相手方が出頭せず、又は和解若しくは調停が調わないときは、1ヶ月以内に訴えを提起しなければ、時効の中断の効力を生じません。

(4)破産手続参加等
債務者の破産手続、再生手続き又は更正手続は、債権者が債権届出をしなければ参加できず時効の中断事由にはなりません。また、債権届出を取下げたり却下された場合にも時効の中断の効力を生じません。

(5)催告
口頭や書面による請求書で請求した場合、6カ月以内に他の4つの方法(上記表の①㋑~㋥ )による請求の手続きをすれば、その請求のした時点に遡って時効の中断の効力を生じさせることができます。

 つまり、催告の手続きをすれば6ヶ月間だけ時効の期間を延ばすことができるのです。
 ただし、期間を延ばすことができるのは1回のみです。また、内容証明郵便で催告することは証拠が残るようにするためで、内容証明郵便を出すだけで時効が中断されるわけではないので注意が必要です。

 次回は、差押え、承認について見ていきましょう。




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