税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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債務整理の切り札となる抵当権消滅請求 その2

○提示価格が最大のポイント
 抵当権消滅請求が成功するか否かの最大のポイントは提示価格であると思います。制度上は、旧法と同様に消滅請求をする第三取得者が妥当と考えた金額を提示すれば足ります。ただし、増加競売の制度は無くなりましたので、金額に不満な抵当権者は競売の申立さえすれば、消滅請求を阻止できます。
 
 したがって抵当権者が競売より多少高額と思える程度の価格で、消滅請求をすることがポイントであると思います。甲氏のケースで説明しましょう。私の経験上、競売の最低入札価格は路線価に基づいて算出した価格(以下路線価価格)の70%程度(首都圏の場合)と想定されます(地方の場合は60%程度)。甲氏の不動産の路線価価格は5億円で、競売の最低入札価格は3.5億円と推定されます(図参照)。そこで、第一抵当権者であるA銀行を満足させる価格を4億円と見積もります。4億円はA銀行の債権額であり、また競売の最低入札価格の3.5億円を上回っており、条件を満たす価格と判断できるからです。実務的には不動産鑑定士による鑑定書の提出も求められます。
 
 乙氏が4億円で抵当権消滅請求を各抵当権者に行い、A銀行は納得したがB銀行とC銀行が納得しない場合にはどうなるでしょうか。B銀行、C銀行は2カ月以内に競売の申立をしても自分たちの債権額を確保できる価格で落札される可能性は極めて低くなります。したがって、乙氏からB銀行、C銀行に対して消滅請求手続きを履行してもらうための費用であるハンコ代を支払って、解決をはかることが実状となります。
 抵当権消滅請求を利用する最大のメリットは、債権者を交渉のテーブルにつかせることにあります。甲氏のように債権者が複数いるケースには特に有効な手段であると言えます。この手法を有効に使用するポイントは以下のとおりです。

①債権者とはなるべく任意売却できるように交渉します。
②任意売却交渉が決裂寸前になったら、第三取得者に移転登記をし、抵当権者に「競売よりも債権者が得をする価格」で抵当権消滅請求を行います。
③それでも、抵当権者が競売の申立をするのであれば、競落されることを想定した準備を
 行います。
 
 実務的に遭遇する問題点として、税金の滞納もあります。抵当権者への借入金の支払いが滞るようなケースでは、税金の滞納も高確率で発生します。特に東京都の場合は、差押えのペースが早く、注意を要します。この場合、国税徴収法48①の「超過差押え」もしくは同法48②の「無益な差押え」に該当するか否かを検討します。
 
 以下の「抵当権消滅請求書」は某自治体が差押さえをしたケースで、第一抵当権者に対して送信したサンプルの一部です。また債務者甲氏が不動産を譲渡したことによる譲渡所得の問題も発生しますが、これは本紙2月で解説した保証債務履行(所64条2)が関係してきますので、再度ご確認いただきたくお願いいたします。さらに債務の処理には様々な法律が関与しますので、事業再生の専門家の補助が不可欠であることを肝に銘じていただきたいと思います。

参考に抵当権消滅請求書を掲載します。

抵当権3
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