税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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資力喪失と保証債務 その2

○資力喪失の判定
 債務者甲の資力喪失の判定は、譲渡時で判定します。また条件により両者の取り扱い・適用を受けられる可能性が生じてきます。いずれを適用するにしてもその要件に該当することの客観的・疎明資料が必要です。本件相談は、甲が破産申し立てをしていますので立証が可能ですが、破産申し立てしない場合は資力喪失の判定が難しいのが実務における実情です。筆者は税務調査で令26条の準ずるケ-スを主張してきましたが、認めることが出来ないと判断されることが多いです。破産申し立てと言う法律効果が判断の材料の一部です。資力喪失状態にあるなかで自己の資産・負債状況を明確にすることはなかなか難しく、むしろ現状を直感することから再建の諸策の一貫としての税対策といえます。譲渡益が発生して資力喪失状態の場合での税対策が、非課税の選択です。


○求償権行使の判定 
 では、甲氏が資力喪失状態でなかった場合には、「保証債務履行(所64条2)」の適用を受けられるでしょうか。図表2に従って確認していきます。
資力喪失図2
【クリックして拡大表示】

※非課税の申告要件の欄にある提出が必要な疎明資料は下記の【図表3】を参考。
資力喪失3
【クリックして拡大表示】

 取引の範囲ですが、A社の債務保証のための自宅売却ですから、保証債務履行のための資産の譲渡となります。売却代金は全額債務の弁済に充当しています。また甲氏はA社に対する求償権の行使を放棄していますが、これは(所64条2)に規定する「求償権の全部又は一部を行使することができないこととなったとき」に該当するのでしょうか。主たる債務者である法人の代表者がその法人の債務に係わる保証債務を履行した場合における求償権行使の判定は所得税基本通達51-11に準じて判断することになります。このうちその法人が求償権の放棄後も存続している場合でも以下のすべての状況に該当すると認められるときは、その求償権は行使不能と判定されます。

①その代表者等の求償権は、代表者等と金融機関等他の債権者との関係から見て、他の債権者の有する債権と同列に扱うことが困難である等の事情により、放棄せざるをえない状況にあったと認められること。

②その法人は、求償権を放棄することによっても、なお債務超過の状況にあること。
なお、債務超過の判定において、土地等及び上場株式等の評価は時価ベースで行います。
A社の場合も上記①②の要件を満たすか否かを判定しなければなりません。また、これまでみてきましたように保証債務履行(所64条2)はA社が問題となり、強制換価手続き又はそれに準ずる資産の譲渡(所9条①10)、令26条」は甲氏が問題となります。最終的に両方をみて、どちらを適用すべきかを判断することになります。

○保証債務の履行による譲渡所得の計算
 では、A氏が保証債務履行(所64条2)の適用を受けた場合の譲渡所得はどのように計算されるのでしょうか。
譲渡価額・・・・・・・・・・・・・・・・・・10,000万円
取得費(譲渡価額の5%)・・・・・・・・・ 500万円
譲渡費用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・240万円
保証した債務の金額・・・・・・・・・20,000万円
保証債務を履行した金額・・・・・・10,000万円
求償権の額 ・・・・・・・・・・・・・・・10,000万円
求償権の行使不能額・・・・・・・・・10,000万円
譲渡所得以外の所得(給与所得・・・・500万円
譲渡価額 -(取得費+譲渡費用) =長期譲渡所得金額
10,000万円-(500万円+240万円)=9,260万円
長期譲渡所得金額のうち、ないものとみなされる金額は、次のイロハのうち最も少ない金額となります。
イ求償権の行使不能額・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10,000万円
ロ総所得金額と長期譲渡所得金額の合計額・・・・・・・・500万円+9,260万円=9,760万円
ハ長期譲渡所得金額・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9,260万円

特例適用後の長期譲渡所得金額は以下となります。
長期譲渡所得金額-ないものとみなされる金額=9,260万円-9,260万円=0
上記のように特例適用後は譲渡所得がかかりませんが、他の所得に関しては課税されることに注意しなければなりません。甲氏の場合には給与所得500万円に対して課税されます。










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