税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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債務整理の切り札となる抵当権消滅請求

 この記事は住宅新報社の特別企画講座、平成17年3月27日に掲載された不動産FP講座の原稿をリニューアルし作成致しました。


【質問】
 甲氏はバブル時代に複数の金融機関から借入れをして、賃貸マンションを建設しましたが、その後、稼働率の悪化と賃料の下落により、借入金の支払いに困窮するようになりました。私と甲氏は銀行に対して、任意売却に応じるように交渉していますが、なかなかクビを立てに振っていただけません。任意売却の価格は私が見積もった時価です。今後の交渉において、有効な手法はありますか?やはり競売以外に解決方法はないのでしょうか?
 

【回答】 
 その後、質問者からさらに詳しい状況をヒアリングすると甲氏の不動産には図のように、3つの抵当権がついていることが判明しました。A銀行は甲氏の不動産の売却に応じる意向はあるもののB銀行とC銀行が反対し、膠着状態が続いているようです

住宅新報 3

○抵当権消滅請求を利用して債権者に新たなアプローチを
 
債務者側からの任意売却の要望に対して債権者側が承諾しない場合には、債権者の申立による競売以外に解決法はないと考える人は少なくありません。しかし、現実には他に方法はあります。それは民法378条による「抵当権消滅請求」の制度を利用する手法です。この制度は以下の手順に従って実行します。甲氏のケースで解説しましょう。
 まず、甲氏の不動産を抵当権付きで、第三者(ここでは乙氏とします)に転売(所有権移転)します。乙氏は抵当権者(このケースではA,B,C銀行)に対して「相当な対価を支払うので、抵当権を抹消して欲しい」と請求します。
 抵当権消滅請求は、従来は滌除と呼ばれた制度であり、平成15年の民法改正により滌除はなくなりました。従来の滌除制度には以下の特徴がありました。

①抵当不動産の第三取得者は、妥当と考える任意の支払い額を自ら設定して、滌除の請求ができた。→時価よりもかなり低い金額での請求が可能だった。
②第三者の滌除請求に対し、抵当権者は増加競売でしか対抗できなかった。
③増加競売は以下の点で、抵当権者に不利だった。
 a. 競売において、第三取得者(滌除権者)の支払い提案額金額より1割以上高価に落札されなかったときは、1割以上増額して自らその不動産を買受けなければならない。
 b. 債権者が滌除の送達を受けた後、一ケ月内に増加競売を請求しないときは第三取得者の提供を承諾したものとみなされる。
 
 では、抵当権消滅請求を受けた債権者は支払い提案額に不満がある場合には、どのような対抗処置があるのでしょうか。それは、通常の競売の申立をすることです。旧法のように、増加競売の制度はないですから、消滅請求を受けた日から2ケ月以内に競売の申立をすれば良い(民法385条、民法384条1号)のです。また、競売において入札者が現れず、2回目、3回目も現れず、競売手続きが取り消されても、消滅請求は有効にはなりません(民法384条4号、民事執行法38条3第3項)。債権者とすれば、不良債権の処理の先延ばしをすることができるわけですが、昨今の金融庁の指導とは矛盾してしまう行為となります。したがって、実務的には条件さえ折り合えば、抵当権消滅請求を受け入れる傾向が強まっています。
 ただし、以下の者は第三取得者であっても、抵当権消滅請求ができませんので、注意してください。

①主たる債務者
②保証人(連帯保証人)
③主債務者と保証人の債務の包括承継人(相続又は合併により主債務・保証債務を承継した者)
④主債務者と保証人の債務の特定承継人(主債務又は保証債務を債務引受した者)



「抵当権消滅請求が成功するか否かの最大のポイントは何か?」というのは次回詳しく書いていきます。











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