税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業44年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

<< PREV | PAGE-SELECT | NEXT >>

>> EDIT

空き家対策税制

2016年税制改正により「空き家対策」はこう変わった

4月に入り、国も新しい事業年度に入ると同時に2016年(平成28年)度の税制改正もスタートしました。
今回は空き家対策として、新しい改正内容が出てきていますのでそれを見ていきます。
総務省「住宅・土地統計調査(速報)」によると、2013年の空き家数は全国で820万戸に上り、空き家率は全戸数の13.5%になると報告しています。
ただしこの820万戸の「空き家」は①売却用②賃貸用③二次的住宅(別荘)④その他、と4つに分類されています。
この内「その他」がいわゆる何も対策していない空き家だと推定され、2013年では全体の38%、約318万戸に上るそうです。そして驚いたことに毎年6.4万戸づつ増加しています。
さて、ここで問題になるのが空き家発生の最大の要因が相続での取得問題だという事です。両親の家を相続で手に入れたものの、自分たちの住む家はすでに別にあり、使うあてもなく放置しておき建物が朽ちていくケースです。
長期間放置され管理が不十分になった空き家は、火災の発生、建物の倒壊、ごみ屋敷になるなど様々な問題を発生させています。
政府は2014年(平成26年)11月に「空き家等対策の推進に関する特別措置法=空き家対策促進法」を成立させ、2015年(平成27年)2月26日から施行しています。更に「特定空き家等」と指定されると行政により修繕・除却などの指導・勧告命令ができるなど対策をしたり、そのまま放置した場合、固定資産税の割増を受けることになります。
今回は相続により取得した家屋に対して税制面の優遇措置を与え、空き家化された家屋の処分を急がせる目的があります。

<2016年における改正内容>
相続による空き家の発生そのものを抑制する為、所得税の特別控除特例が出来た。
1 対象要件
個人が相続後に耐震リホームを施すか取り壊しを行った上で、2016年4月1日から2019年12月31日までの間に売却した土地と建物であり、売却して得た譲渡所得に3000万円の特別控除を認める。
2 適用要件
①  1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋であって、相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた者がいなかった場合に限る。
②  譲渡対価が1億円を超えるものについては適用対象外。
③  相続のあった年から3年以内に売却する家屋が対象。
④  相続開始まで自宅として使われており、かつ相続後はずっと空き家であること。
上記要件をすべて満たしたうえで地方公共団体の長の確認証明書を得たものについてこの特例が適用される。
 なお、この制度以前は、「相続財産に係る譲渡所得の課税の特例の見直し」所得税措置法39条があります。
この制度は、相続により取得した土地、建物などを相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡した場合には、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算できる特例です。この適用時期は平成27年1月1日以後に開始する相続又は遺贈により取得した資産を譲渡する場合に適用されます。

いずれにせよ新たな空き家対策の譲渡特例は、上記の所得税措置法39条譲渡との選択適用になりますので注意が必要です。
最後になりますが、この制度により空き家対策がどのくらい対応できるのかは今後の適用状況を見ないとわかりません。ただ、空き家が増えているのは、首都圏ではなく地方の過疎地です。
税制面だけでなく、高齢化社会化と地方の人口減少が進む今後を見据えた対応が求められています。



              参照:納税通信第3413号 NP通信社
                 総務省HP
                 H28年今年の税制はこう変わる 積水ハウス㈱
スポンサーサイト

| 税制改正 | 09:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント:

TRACKBACK URL

http://mukouyama.blog.fc2.com/tb.php/431-c3696958

TRACKBACK

<< PREV | PAGE-SELECT | NEXT >>