税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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税負担増す赤字企業 (外形標準課税)

2016年税制改正大綱を見る

(第2回) 税負担増す赤字企業
前回に引き続き2016年度税制改正大綱を見て行きたい。
今回は、法人税減税にともなう代替財源として、前年度に引き続き課税強化された外形標準課税である。
利益に応じて課される法人税とは異なり、外形標準課税は黒字赤字に関係なく資本金が1億円超のすべての会社が課税対象となる。税額は「付加価値割」「資本割」の2項目から計算される。まず付加価値割は、給料や報酬を合計した「報酬給与額」、支払利子から受取利子を差し引いた「純支払利子」、「支払賃借料から受取賃借料」を差し引いた純支払賃借料、「単年度損益」の4つを合計した数字に税率をかけて算出する。
これに対して「資本割」は、資本金の額に税率をかけて算出する。この2つを合計した数字が実際の税額となる。
2014年度までそれぞれの税率は、付加価値割が0・48%、資本割が0・2%だった。しかし安倍政権のもとで始まった法人税改革によって、代替財源として白羽の矢を立てられ増税が決定する。
2015年度には付加価値割が0・72%、資本割が0・3%へとそれぞれ増税され、2016年度にはさらに0・96%と0・4%へと2年で2倍に引き上げることを2015年度大綱に明記した。
ところが、2016年度税制改正では法人減税を前倒して断行することが決まり、それに合わせて外形標準課税の増税スケジュールも変更されることとなった。引き上げ幅をさらに上乗せすることが決まったのだ。
2016年度からは付加価値割の税率は1・2%、資本割の税率は0・5%へとそれぞれ引き上げられる。2年間で2・5倍の増税ということになる。
これだけ苛烈な増税を行うにもかかわらず、それでも法人減税によって減る税収分の全てを賄いきれてはいない。そのため2016年度大綱では、次年度以降のさらなる課税ベースの拡大を匂わせる文言が並んでいる。
外形標準課税については、「適用対象法人のあり方についても、地域経済・企業経営への影響も踏まえながら引き続き慎重に検討を行う」として課税対象拡大に含みを持たせた。
また中小法人への課税についても、「資本金1億円以下の法人に対して一律に同一の制度を適用していることの妥当性について、検討を行う」とした上で、「一部の黒字法人に税負担が偏っていることや、中小法人が大法人へと成長していく意欲を損ないかねないことを踏まえ、中小法人向けの制度の全般にわたり・・・・幅広い観点から検討を行う」として、中小企業の定義そのものを変えて薄く広く課税していく方針を示している。
 最近では大企業が業績の悪化を理由に減資をし、資本金を1億円以下にする企業も出てきている
近いところでは2015年9月1日付けで吉本興業が資本金125億円から1億円に減資したり、シャープが1200億円以上あった資本金を1億円に減らす方針を打ち出し、菅官房長官らが批判した結果、最終的には資本金5億に落ち着いた経緯もある。なお、この「5億円以上」の意味合いは公認会計士や監査法人の監査が義務付けられる金額でもあります。
このように大企業も生き残りのためにはなりふり構わない姿勢をとることもあります。
それだけ税の負担が増えて来ているのを回避しようと考えている法人も多いということも事実なのでしょう。
次回も引き続き2016年度税制改正大綱を見ていきます。


                   情報提供:税理士新聞 エヌピー通信社
                       :納税通信  エヌピー通信社
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