税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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富裕層は「国外財産調書」提出で丸裸

富裕層は「国外財産調書」提出で丸裸

国税庁では現在富裕層への課税強化と監視を強めています。特に富裕層への国外財産への監視強化がされつつあります。その主たるものとして2014年1月より施行されている「国外財産調書」です。
国外財産調書制度とは、毎年12月31日時点で5000万円以上の海外資産を持つ人に対して、財産の種類・価格・所在地などを記載して、翌年の3月15日までに税務署に提出を義務付けている制度です
2014年度1年間は初年度という事もあり罰則は無かった。しかし今年(2015年度)からは罰則の適用が始まり、正当な理由なく期限内に提出が無い場合、または虚偽記載の場合には、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が適用になる。
それでは施行開始から今年2年目を経過した現在の状況はどうであろうか?
国税庁発表の数字を2年間集計し見比べてみよう。

           財産の種類別を国税庁のHPより抜粋
財産の種類別総額財産の種類 2013年度総額2014年度総額前年比増加率

有価証券  1兆5,603億円   1兆6,845億円      108%
預貯金     3,770 億円      5,401       143%
建物      1,852          2,841       153%
土地       821           1,164       142%
貸付金     699           1,068     153%
上記以外の財産 2,396        3,831       160%
合   計    2兆5,142       3兆1,150     129%

総提出件数は2013年度全国で5,539件、その内東京国税局は3,755件でした。2014年では8,184件で東京国税局は5,382件と全体の65.8%を占めています。
このことからも分かるように、東京国税局を中心に着実に調書の提出が増えていることが分かります。
2015年度税制改正では、新たに、「非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度」が創設されました。この制度は国内の金融機関に対し、非居住者(個人・法人)の氏名・名称、住所、本店所在地。口座残高及び利子・配当等の年間受取総額等の情報を所轄税務署に提出ことを義務付けしました。これにより税務署から国税局に集約された金融口座情報は、各国との租税条約などに基づき各国国税当局との情報交換が行われることになり、2017年1月1日より適用されます。
従って、国外財産調書を届出しない人がいたとしても、いずれ海外の国税当局から日本の国税局に情報が入ってきて、発覚されることもあるでしょう。
 事実、2015年10月22日の日本経済新聞では、韓国の大手銀行「新韓銀行」の株を保有する国内の株主数人が大阪国税局の税務調査を受け、3年間で株の配当や譲渡所得など計15億円超の申告漏れを指摘されています。大阪国税局は日韓租税条約に基づき、韓国の税務当局から寄せられた国外財産調書の情報と照合し、申告漏れを発見したそうである。
2015年7月7日に新たに就任した国税庁長官中原広氏は、記者会見で「富裕層や多国籍企業の租税回避行動に積極的に対応する」と抱負を語っており、あらゆる資料情報を活用し、富裕層などを的確に把握し適正課税に努めたいと述べている。この発言でもわかるように国税庁がこの数年間、活動の重点項目に「富裕層」と「海外取引」を掲げており、今後も富裕層への締め付けは更に強まると予想される。
富裕層の皆さん、くれぐれも出し忘れ、虚偽記載をしないように、日頃から自分の財産の管理をしておきましょう。
                              
              参考資料:日本経済新聞電子版 2015年10月22日
                    NP通信社社長のミカタ2015年12月号
                    国税庁HP


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