税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

<< PREV | PAGE-SELECT | NEXT >>

>> EDIT

砂糖が身も心も家計もダメにする?

厚生労働省の有識者会議、砂糖に課税を検討

 厚生労働省は、2015(平成27)年2月27日から6月8日まで計8回の保険医療2035策定懇談会を開催し、6月9日『保険医療2035提言書』をまとめました。この中で注目すべき点が「たばこ、アルコール、砂糖などの健康リスクに対する課税」です。
 今回は、この中で一番注目されている砂糖に対する課税について考えてみたいと思います。

1.厚生労働省、なぜ砂糖に課税を検討?
 『保険医療2035提言書』の中で、日本の保険医療システムが、公費への依存度を高め、結果的に財政赤字により、将来世代に負担を付け回している現状を直視し、真摯に解決策を考える必要があるとしています。
 そのため、砂糖の撮り過ぎによる様々な病気を防ぐことで膨らみ続ける医療費を抑えるとともに、新たな財源の確保につなげようとしたのです。

2.1日の糖類は小さじ6杯分まで
 世界保健機構(WHO)は、2015(平成27)年3月4日に、肥満や虫歯を予防するために、砂糖などの糖類を一日に摂取するカロリーの5%未満に抑えるべきだとする新指針をは発表しました。平均的な成人で25グラム(ティースプーン6杯分)程度、従来の10%から基準が引き下げられた形となっています。
 新指針は引き続き10%を推奨するとしつつも、5%より低ければ、さらに健康増進効果を得られるとしています。しかし、炭酸飲料1缶におよそ40グラムの砂糖が含まれていますし、大さじ1杯のケチャップにも4グラムの糖類が含まれていることを考えると、従来の指針をもってしてもハードルがいかに高いか思い知らされます。

3.かつて、日本は砂糖を課税していた
 税務大学校の税の歴史クイズの中で、料理の「さしすせそ」と言われている調味料の中で、明治時代から戦前までの間に税が課されなかった調味料どれでしょうというものがありました。答えは「そ」の味噌です。
 砂糖には、1901(明治34)年に砂糖消費税が課されました。当時、砂糖は輸入品が多く、ぜいたく品とみなされたため、課税の対象となりました。なお、この砂糖消費税は消費税の導入に伴い1989(平成元)年4月1日をもって廃止されました。

4.消費税の軽減税率の対象としての砂糖
 5月22日の軽減税率の検討委員会で軽減税率対象品目について、①酒を除く飲食料品、②生鮮食品、③精米の3案が示されました。砂糖は食品表示基準(内閣府令)では加工食品に該当するため、②生鮮食品、③精米の2案では軽減税率の対象品目には該当しませんが、①酒を除く飲食料品の案では軽減税率の対象品目となります。
 つまり、かつて消費税の導入により廃止された砂糖への課税が、消費税では軽減されながらも、新たな課税がスタートするという現象が起こりうるかもしれないのです。

 20年ぐらい前に、電車内で『砂糖が身も心もダメにする』という本を読んでいる人を見かけました。現在インターネットでこのタイトルの本を探しても見つかりませんが、砂糖の健康被害への提言ではなかったかと思われます。
 砂糖には、過剰摂取の健康被害、あまり知られてはいませんが「砂糖依存症」という砂糖にまつわる心の病もありますし、砂糖に対す課税が始まれば、我々は、砂糖によって「身も心も家計もダメにする」三重苦にさらされることになるのです。

       参考資料  TBS News i  2015年6月10日
             厚生労働省『保険医療2035提言書』
             料理の「さしすせと」と税金 税務大学校
             日本経済新聞 電子版 2015年3月5日 6:06配信
             コトバンク ブリタニカ国際大百科事典 小項目辞典
                               (砂糖消費税)









スポンサーサイト

| 税制改正 | 18:10 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント:

TRACKBACK URL

http://mukouyama.blog.fc2.com/tb.php/396-ab8ec165

TRACKBACK

<< PREV | PAGE-SELECT | NEXT >>