税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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配偶者控除の見直しが本当に女性活躍に繋がりますか?

 『103万円の壁』とか『130万円の壁』という言葉を耳にしたことはあると思います。主婦がパートで働く場合に、ご主人の扶養控除を受けるため、社会保険での扶養家族となるための年収の制限をいいます。年末の忙しい時期なのに「主人の扶養になれなくなるから、もう働けません!」と言って職場に出てこないから困るんだよ、と人事担当者の悩みの種と聞いたことがあります。
 この度、政府は配偶者控除の見直しの検討に入りました。配偶者控除を見直すことにより、配偶者控除を意識して就労時間を抑えることなく働けるようにすること、夫婦単位で一定額の控除の創設が共働きの世帯の後押しに繋がるとのことです。

1.所得税改革の一環としての配偶者控除の見直し
 配偶者控除の見直しについては、安倍晋三首相が訪米前に財務省幹部を呼び、所得税改革の見直しの一環として検討を加速するように指示しています。
 政府は配偶者控除など様々な控除を見直しを行うことにより所得税の抜本改革を目指しています。現在適用されている所得控除は同じ控除額であっても、税率の高い高所得者ほど負担軽減のメリットが大きくなっています。
 そのため、政府は全ての所得控除を見直して、結婚し子どもを育てようとする若い世代を後押しする税制に切り替えたい考えです。
 なお、税率については引上げない方向で検討していますが、高所得者の高齢者には低所得の若者世帯の負担を軽減するために一定の負担を求める案もあるようです。

2.配偶者控除の見直し案
 政府税制調査会が昨年まとめた以下の五つの改革案を参考に具体化していきます。
(1)廃止
 ①完全に廃止
 ②夫が高所得の世帯は廃止
(2)修正
 ③夫婦の所得から一定額を控除
 ④夫婦の課税額から一定額を控除
(3)全面改正 
 ⑤夫婦対象に新たな控除
 
3.「夫婦控除」の創設を軸の検討.
 配偶者控除を廃止し妻の収入に関係なく夫婦の所得から一定額の控除を認める「夫婦控除」を創設する案が軸になる見通しです。妻がフルタイムで働く世帯にも一律に適用されるため妻が仕事の時間を抑えることなく働けるようになります。適用対象者は現在よりも増える見込みですが、高所得の世帯には所得制限を設けて控除額の減額や適用除外も検討しており、年6,000億円の減税規模は維持するとのことです。
 
4.それでも残る?『130万円の壁』
 もともと『103万円の壁』自体は存在しないという声もあります。たとえ夫の扶養家族となれなくても配偶者特別控除があるため141万円未満であれば一気の税負担が大きくなるわけではありません。
 なぜ、『103万円の壁』が存在するのでしょうか。その原因の一つが企業の支給する家族手当にあると言われています。支給基準が多くの場合「妻の年収103万円以下」となっているためです。では、配偶者控除が見直された場合に企業がこの支給基準を見直せば『103万円の壁』がなくなる可能性は考えられます。 
  『130万円の壁』はどうでしょうか。130万円を超えてしまうと「社会保険上の扶養」から外れていまうため、給与所得者であれる夫の扶養親族でなくなると自ら健康保険料と国民年金保険料を支払わなければならなくなります。従って、130万円を若干超えたぐらいではかえって収入減となってしまい、130万円未満に抑えたほうが得ということで今回の見直しではこの壁が撤廃されることは難しいのではないでしょうか。

 女性の活躍という耳触りの良い言葉が先行していますが、今回の見直しは単なる増税だけになってしまう可能性もあります。そもそも女性が長時間働けないない理由は他にあるはずです。もっと働きたいと思っている女性のために、納税環境整備だけではなく、労働環境を整えることを期待したいものです。
 そうでなければ、2013年の参院選での公約である「配偶者控除の維持」を破ってまで見直しをする意義がないのではありませんか。

           参考資料  日本経済新聞 2015年5月2日 2時00分配信

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