税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

<< PREV | PAGE-SELECT | NEXT >>

>> EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

>> EDIT

国外扶養親族に係る扶養控除等の書類の添付等義務化

 扶養控除については、これまでも改正が行われてきました。平成22年度税制改正では、こども手当の創設とあいまって、年少扶養親族(~16歳)に対する扶養控除が廃止され、高校の実質無償化に伴い16~18歳までの特定扶養親族に対する扶養控除の25万円の上乗せが廃止されました。
 平成27年度税制改正により、扶養控除についても改正が行われています。

1.改正の内容
(1)書類の提示又は添付・提出
①給与等又は公的年金等の源泉徴収
 非居住者である親族に係る扶養控除、配偶者控除、又は障害者控除(以下「扶養控除等」という。)の摘要を受ける居住者は、親族関係書類を提出し、又は提示しなければならない。
②給与等の年末調整
 非居住者である親族に係る扶養控除等の摘要を受ける居住者は、送金関係の書類を提出し、又は提示しなけらばならない。
 また、非居住者である配偶者に係る配偶者特別控除の適用を受ける居住者は、親族関係書類及び送金関係の書類を提出し、又は提示しなけらばならない。
③所得税の確定申告
 非居住者である親族に係る扶養控除等又は配偶者特別控除の摘要を受ける居住者は、親族関係書類及び送金関係の書類を確定申告書に添付し、又は確定申告書の提出の際提示しなけらばならない。
 ただし、上記①又は②により提出又は提示した書類は、添付又は提示を要しないこととする。
(2)親族関係書類
 次の①又は②のいづれかの書類でその非居住者がその居住者の親族であることを証するもの。
 ①戸籍の附票の写しその他国又は地方公共団体が発行した書類及びその親族の旅券の写し
 ②外国政府又は外国の法人が発行した書類(その親族の氏名、住所及び生年月日の記載のあるものに限る)
(3)送金関係書類
 その年における次の①又は②の書類で、非居住者である親族の生活費又は教育費に充てるため、居住者からの支払が必要の都度行われたこと明らかにするもの。
 ①送金依頼書
 ②クレジットカード利用明細書等
(4)摘要開始
 2016(平成28)年1月1日以後に支払われる給与等及び公的年金等並びに2016(平成28)年の所得税について摘要する。
(5)その他注意事項
 (2)又は(3)の書類が外国語により作成されている場合には、訳文を添付等しなければならない。

2.書類添付義務化の背景
(1)平成25年度決算検査報告
 以前から扶養控除については税金逃れに悪用されているいわれていましたが、会計検査院からの「平成25年度決算検査報告」により具体的な数値で示されました。
 2012(平成24)年分の確定申告等について、扶養控除の申告額が300万円以上となっている納税者が5人以上いる124税務署について調査をしています。

 ◎扶養控除等の申告額が300万円以上の納税者数・・・1,576人
 ◎1,576人に係る扶養控除摘要額・・・計51億4,743万余円
 ◎上記1,576人のうち、扶養控除摘要額がない納税者・・・22人
 ◎扶養控除摘要額がない22人を除く1,554人の国籍
          ・・・外国人542人(34.9%)、日本人942人(60.6%)、
             不明70人(4.5%)
 ◎上記1,554人のうち控除対象扶養親族全員の居住国
                 ・地域が確認できた納税者・・・1,426人
 ◎1,426人の申告した控除対象扶養親族・・・国内1,264人、国外12,786人
      国外扶養親族の内訳・・・フィリピン共和国8,342人、
                  ブラジル連邦共和1,330人、
                  中華人民共和国821人、その他2,293人
 ◎1,426人のうち国内扶養親族のみを扶養控除の対象としている納税者・・・130人
 ◎1,426人のうち国外扶養親族も扶養控除の対象としている納税者等
        ・・・納税者数1,296人、1,296人に係る国外扶養親族数12,786人
 ◎国外扶養親族12,786人に係る扶養控除摘要額(国外扶養控除摘要額)
                          ・・・計41億5,485万余円
 ◎国外扶養控除摘要額を基に推計した所得税の減税額・・・計4億9,858万余円
 ◎1,296人のうち所得税が0円となっている納税者・・・892人(68.8%)
                 892人のうち17人は所得金額が900万円以上 
(2)国外扶養控除の問題点
 国外扶養控除については、続柄証明書類及び送金証明書が税務署に提出されていなかったり、提出されていても申告した年においてその親族の生存の有無及び住所を確認できなかったり、納税者の友人等の第三者を通じるなどして現金を手渡したとしている申立書のみが提出されていて送金の事実が確認できないなど、控除対象扶養親族の要件を満たしているか税務署が十分に確認できない状況となっていました。
 また、送金明細書類から送金額が確認できた納税者1,123人についても、その送金額が扶養控除摘要額の20%未満である者が361人もいることが判明しました。担税力の減殺された分を上回る国外扶養控除摘要額となっている納税者の多数いる実体についても明かとなっています。

 国際化の進展に伴い社会情勢が変化している中で、扶養控除の実態についても見直しをする時期が来ているようです。
改正による書類添付の義務化が即問題解決に通じるかは不明ですが、問題解決の一歩として見守ることが必要でしょう。
 
      参考資料  平成27年度税制改正大綱
            平成25年度 決算監査報告 第4章 (会計監査院)

スポンサーサイト

| 税制改正 | 16:17 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント:

TRACKBACK URL

http://mukouyama.blog.fc2.com/tb.php/384-3535710e

TRACKBACK

<< PREV | PAGE-SELECT | NEXT >>

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。