税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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外国人労働者の扶養親族問題

外国人の海外扶養親族控除が厳格化される

 12月に入り、そろそろ年末調整の準備を行う企業も増えてきている事と思います。
最近では外国人労働者を雇用している企業も増えてきました。そこで、年末調整を行う上で悩んでしまうのがこの外国人労働者の扶養親族控除問題です。今回はこの扶養親族問題について考えてみたいと思います。
2014年11月7日、会計検査院が公表した平成25年度決算検査報告書によると、全国524税務署のうち124税務署の記録を基に、所得税申告で扶養控除額が年間300万円以上と多額だった人の扶養親族全員の居住地区を調べた結果、判明した1426人分について公表した。
その内容としては、全体の9割(1296人)が海外で扶養している親族も扶養控除の対象としていたという。国外扶養親族は12,786人。内訳ではフィリピン8342人、ブラジル1330人中国821人その他地域2293人であった。この内控除対象の扶養親族が11人以上いた人は約34%、21人以上いた人は2.5%。最大の扶養親族は40人であった。さらに上記1296人のうち7割近くの892人は所得金額を上回る控除を受け、納税額が無かったことが判明した。
この会計検査院の指摘を受けて、財務省は平成27年度税制改正において、「日本国外に居住する親族に係る扶養控除を見直す方針をたてた
ちなみに、所得税法で規定されている扶養控除の対象となる扶養親族とは、
居住者の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)等で、
② その居住者と生計を一にする者のうち、合計所得金額が38万円以下かつその年の12月31日時点で16歳以上の者に限定されている。控除対象額は扶養親族1人につき38万円であるが、特定扶養親族(19歳以上23歳未満)の場合は63万円。老人扶養親族(70歳以上)の場合は48万円である。なお、15歳以下の者に対する扶養控除の適用は、平成22年度税制改正により廃止されている。これは、児童手当(子ども手当)を別途支給している為に廃止されているからである。

外国人扶養親族で問題になるのは、まず①の6親等内の血族及び3親等内の姻族である。叔父叔母や甥姪までも対象範囲になること。また②の生計を一にする者とは、必ずしも同居を要件とするものではない。例えば、勤務、修学、療養費等の都合上別居している場合であっても、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合には、「生計を一にする」ものとして取り扱われる。
 ①と②については、本人からの申請だけでは難しい。
今後具体的な内容が発表されることと思うが、一般的には
 1.親族であることを確認できる書類として、本国での住民票等の提出。
2.海外への送金の事実が確認できる書類として、金融機関等の送金書や通帳からの記録明細などの提出が義務化されるであろう。

日本人の労働者人口の高齢化や人口減少を考えると、外国人労働者の雇用は今後ますます増えてくるだろう。すでに介護や医療の現場では雇用が不足している。
本国に家族を残し単身で働きに来ている外国人も多い。税制も今後も増えてくるだろう、外国人労働者の税の問題に対してその体制を早期に築きあげる必要性が出てきた。
                                 

                参考:納税通信NO3349号 NP通信社発行
             
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| 所得税・所得控除及び税額控除 | 09:18 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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