税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業44年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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マニュアルで調査を行う若手の国税調査官

マニュアルで調査を行う若手の国税調査官!

  2014年10月13日の納税通信に以上の記事が載っていたので、紹介します。
いま、税務調査の真っ盛りでありますが、国税通則法改正(74条関係)の影響で調査件数は減少しています。しかし、1件当たりのパフォーマンスを追及する姿勢が強まっており、細かく厳しい調査が全国的に展開中なのである。
 心構えはもっていても、実際に調査となるといやなものである。調査官の性格をみて臨機応変に対応することも重要な調査対策である。(調査官も人の子である)
  普通、税務職員と言えば、‘怖い’というイメージがあり、‘黒っぽいスーツに大きなカバンを持って、鋭い目つきで、刑事のような’といった感じを想像します。
  実際、昔はこんな職員も多かったと思いますが、最近は女性調査官も増え、ソフトな印象に変わってきています。‘無表情でカタブツなイメージを抱いていたが、実際に調査に来た調査官は、やさしい顔つきで丁寧で表紙抜けした’といった声も聞くようになったそうです。
  国税局がまとめた納税者満足度アンケートの数字を見ても、‘職員の応接態度の好感度’(業績指標1-11)について5段階評価のうち、‘良い’または‘やや良い’との回答があった上位評価割合は21年度は84.0%、22年度は83.6%、23年度は85.2%、24年度84.3%と高く、税務職員の好感度アップを裏付けています。
  確かに、依然とは違う物腰のやわらかい税務職員・調査官が増えたように思います。
  しかし、‘怖い’というイメージが払拭されつつある一方で、‘職人気質が低下している’という指摘もあり、最近は税務調査の手順や手法、心得にいたるまですべてがマニュアル化され、税務調査の現場はもちろん、調査の引き継ぎや教育の場合で高度利用されている。現代は、何事においてもマニュアル化人間が増えているような気がします。
 つまり、応用が利かないのです。これにより他部署から異動してきた調査官や税務大学校を卒業したての新人調査官でも、着任早々、それなりに効率的に動けるようになりました。また、ある国税局が有効な調査手法を開発したとなれば、素早くマニュアル化されて他の国税局・税務署と共有され、全国統一的な調査展開に活かされています。
  昔は、経験と場数を踏んだ調査官ならではの‘勘’で、表向きはキレイに偽造された帳簿の裏に潜む脱税を暴いたという事件が多数あった。どうして分かったのか聞いても、‘勘としかいいようがない’という返事が返ってくるばかりという。こうした特殊能力をどうにか共有したくても、‘勘’まではマニュアル化できないのです。
  マニュアル化の副作用として‘会話力の衰退’を挙げるOBも多いそうです。
 ‘会話力’は、調査の場でもっとも強力な武器だという。調査先の社長との何気ない会話の中から大きな不正の糸口を掴んだ、というのはよくある話です。調査先の社長や経理担当者、税理士等と心を通わせ‘本音トーク’ができたことで、調査がスムーズに展開して申告漏れ発見につながったということもあるそうです。
  現役のベテラン調査官は、‘調査先に着いてまずやることは、納税者の話に耳を傾け、心をつかむこと’という。ベテランほど世間話で相手のガードを解き、調査の核心を探るのがうまいのです。確かにまず雑談から始める調査官が多いのもうなずけます。
  しかし若手の調査官の多くはこのような手法が苦手のようで、現役時代に調査畑でならした国税OB税理士は、‘冒頭のちょっとした会話から重要な情報が引き出せることもあるのに、最近の若手調査官は世間話のひとつもできない’と嘆いているのである。調査先に着くなり挨拶もほどほどに勘定元帳のチェックを始め、ベテラン調査官にこづかれる若手もいるという。機械化調査が一般化し、すべての技術がマニュアル管理されるようになってきた昨今、もっともアナログな‘会話力’が取り残されているのだという。人を相手にしていることを忘れてはいけないと思います。
  そんな現状を打開しようと、‘会話マニュアル’を作成して職員の会話力育成に努めている税務署もあるそうです。都内某署作成のマニュアルには、‘聞く態度’や‘鋭い質問’が相手の信頼関係につながり調査を成功に導くとして、質問の仕方や心得などを具体的に説いています。調査先から常に‘評価’されていることを念頭に置き、なめられることのないよう忠告している記述もある。こんなマニュアルが作られるのも、‘会話力’が重視されている証拠なのでしょう。
  税務調査は一般的に税務署側のペースで進んでいくものです。日々税務調査を実践している調査官と、十数年に一度受けるかどうかといった納税者とでは、経験値、情報量とも雲泥の差があるのは当然なのである。
  不慣れゆえに、淡々と仕事をこなす調査官の横で無駄にオロオロしてしまいがちですが、調査を制するには調査官を知ることが大事。今時の調査官のタイプを知ることで冷静さを保ち、調査の主導権を握られることなく納得のいく展開に導きたいと思います。

(引用・参考:納税通信 2014.10.13 第3342号、国税局ホームページ)


 
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