税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

<< PREV | PAGE-SELECT | NEXT >>

>> EDIT

中小企業の後継者問題

             どうなる中小企業!
              深刻な後継者不足問題!

 2014年版高齢化白書」(内閣府)によれば、国内の高齢者(65歳以上)の人口は過去最多の3,190万人で、高齢化比率は25.1%と前年(24.1%)を1ポイント上回り、4人に1人が高齢者という時代に突入した。
 一方、帝国データバンク(以下、「TDB」という)によると、国内企業の3分の2が‘後継者不在’だという。社長が80歳以上の会社でも3社に1社は後継者がいないそうです。
 TDBは平成24年以降の後継者の実態が分析可能な28万4,412社を対象に調査した。
 調査対象企業うち、‘後継者不在’だった会社は、18万6,024社で全体の65.4%だ。社長が若年であるほどその割合は高い。ただ、社長が60歳代で53.9%、70歳代で42.6%、80歳以上で34.2%と、事業承継の検討をすべき年代であってもいまだ次の社長が現れていない会社が多いのが実態となっています。
 一方、‘後継者あり’の9万8,388社を見ていくと、その後継者が子供である会社は38.4%で、非同族30.7%、親族19.9%、配偶者10.9%となった。配偶者が2年半前の同種調査の場合(16.8%)と比べて大幅に低くなっていることについてTDBは‘社長の高齢化に伴い、同年代である配偶者への事業承継という選択肢が難しくなっている’と分析しています。
 TDBはさらに、調査対象企業から‘企業価値’の算出が可能な12万7,911社を抽出し後継者の有無の観点で分析しています。
 これによると、‘後継者不在’である企業の売上高事業価値比率は、‘後継者あり’の企業の2分の1以下になったという。後継者が決まっていることで経営計画が立案しやすく、事業がうまくいくという側面はありそうだ。また、中小企業のなかには‘業績不振や先行き不安で会社を会社に畳みたい’という社長も多数いるため、不振にあえぐ企業があえて後継者を選んでいないこともうかがえる。
 われわれ税理士業界も例外ではありません。先月、税理士試験が行われましたが、昨年5科目合格を達成し、晴れて税理士資格者となった方は、905人、一昨年の1104人から18%減少しました。今年度はもっと減少すると考えられます。
 合格者の減少はカイケイ・ネットの‘平成25年度(第63回)税理士試験結果が発表されました’でも言及されていますが、主に受験者数の減少が原因といえます。昨年度の受験者数は45,337人、一昨年度の48123人から3000人近く減少しています。
 受験者が減っている原因は複合的で、単に‘資格の人気が下がったから’とは言えないでしょう。日本の人口構成で若者の人口が減っており(少子化)、自然減ともいえます。しかし、合格者は減っても税理士の数は増えていきます。定年がある職業ではないので、新たに税理士になる人が減っていくのであれば、平均年齢が60歳を超えていると言われる税理士業界のさらなる高齢化も進むのは必至です。
 このように税理士も例外ではなく、この世代はこれから引退に向かうでしょうが、70代の方も多くいらっしゃる税理士業界、サラリーマンとはタイムラグがあり、ゆるやかな変化となるはずです。
 このような状況で、高齢の税理士が引退した際、顧問先がどのように次世代に移行していくのか、ということは注目しておかなければなりません。親子間での事業承継(但し、資格を取る条件があります)はもちろん、M&Aやのれんわけ、あるいは摩擦の大きい顧客の奪い合いが起こるでしょう。事務所の法人化、大型化の流れも、属人的な事務所が企業化することによる承継の側面を読み取ることができます。
 この状況に気づいた大型会計事務所は、地方事務所の買収(M&A)という一手を打ち始めています。高齢化した事務所でかつ、後継者不在の事務所を中心に、都心部の事務所が地方進出、買収を始めているのです。
 今後税理士として活動をスタートする方は、‘上がつまっている’現状において、団塊の世代の引退を見据えて、5年~10年くらい後の自己イメージを持っておくべきではないでしょうか。
 独立するにしても、勤務税理士として出世を目指すにしても、そのあたりの期間に、大きなチャンスが訪れる可能性は高いといえます。‘今は実力を養いながら活躍の機会をじっと待つ時’とはいいませんが、来るべき税理士業界の大変化に備え、目標を見失わないよう自己研鑽にはげみたいものです。

(参考:帝国データバンク、カイケイ・ネット、2014年版高齢化白書)
スポンサーサイト

| 事業再生・承継・再建 | 17:43 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント:

TRACKBACK URL

http://mukouyama.blog.fc2.com/tb.php/363-3e9ada29

TRACKBACK

<< PREV | PAGE-SELECT | NEXT >>