税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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消費税法上の人件費の課税仕入要件について その2

 平成12年2月29日裁決、裁決事例集No.59号372頁、マッサージ師に支払った外注費が税務調査で否認され給与とされた事例について見ていきたいと思います。この事例についてはご存知の方も多いと思われますが検証したいと思います。


1.概要 

 請求人であるX社は、6人のマッサージ師と業務委託契約書を交わしX社の施術施設を提供するという形態でマッサージ業を営んでいた。そして、マッサージ師へ支払った費用を外注費として処理し、消費税の計算の際に仕入税額控除額に含めて申告していた。しかし、原処分庁から外注費ではなく給与等に該当すると認定され、消費税の更正処分、源泉所得税の納税告知処分を受けてしまった。


2.争点

(1)請求人X社の主張
 請求人であるX社は、X社の元取締役F代表とするマッサージ師団体と口頭で施術施設の賃貸借契約を交わし、マッサージ業の相場である売上の30%相当額を施設利用料として受領すること。マッサージ師がFに対してX社との業務上の仲介を依頼しているものであって、マッサージ師が直接X社と契約したものではないと主張した。
 
(2)原処分庁の主張
 原処分庁は、以下の事からX社とマッサージ師との間には雇用関係があると主張した。

 イ)X社の指揮命令に服して提供した役務の対価で給与等に該当する。
 ロ)契約書上はFとマッサージ師との業務委託契約であるが、FはX社の代理人であり、X社とFは同一人格である。
 ハ)マッサージ師との契約は個々に交わされて他人の代替を容れないこと。
 ニ)マッサージ業務における事故の責任は、すべてX社が負うこと。
 ホ)マッサージ師は業務時間の拘束を受けている。
 ヘ)業務はX社の施設及び設備機器を使用して行われ、制服の貸与を受けていること


3.審判所の判断

 審判所は本件外注費が給与所得に該当するか否かの争点について審理し、
 ① X社はマッサージ業務を営業目的として定款に記載し、原処分庁へ提出した文書等にもマッサージ業務を経営している旨の記載がある。
 ② X社の賃借する店舗を営業場所とし、マッサージ業務に係る設備備品X社が所有していること。
 ③ 日々の現金売上はX社の口座で管理し、総額をX社の収入としていること。
 ④ 必要な費用はX社が負担しており、外注費を含めた総額で確定決算に計上していることなどから、マッサージ業務から生ずる収益を享受しているのはX社であると認められる。
 ⑤ X社はマッサージ師団体に施設の賃貸しているのみであるという主張に対して何ら立証がされておらず、X社がマッサージ業務を行っていると認められる。
 ⑥ マッサージ師はX社の指揮監督ないし組織の支配に服して、場所的、時間的な拘束を受けて継続的に労務を提供し、独自に費用を負担していない。
 ⑦ 顧客に対する事故の責任負担はX社にある。

 以上の点からX社とマッサージ師との間には雇用関係があり、マッサージ師に支払われた外注費は給与等であると認められる。
 よって、原処分庁が行った消費税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分は適法である。ただし、源泉所得税の税額計算については一部に誤りがあるので、納税告知処分及び無申告加算税の賦課決定処分については一部を取り消すべきである。

以上の一連の流れをまとめたのが下記画像です。
参考にお使いください。

2000.2.29裁決事例相関図
【クリックして大きな画像を表示】

次回はこの事件の検証を行います。







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| 消費税法 | 14:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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