税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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空家等対策の推進に関する特別措置法案が国会に提出

      増え続ける空家に対する対策がやっと本格化されることに
 
 総務省は、本年7月29日に平成25年住宅・土地統計調査「速報集計結果」を公表しました。この調査は5年ごとに行われるもので、前回の2008(平成20)年の調査と比較した数字が公表されています。この調査によると、空家数については820万戸で、5年前の757万戸に比べて63万戸(8.3%)の増加しました。増加数については、前回の調査では前々回の2003(平成15)年659万戸に対して98万戸(14.9%)の増加に比べると若干増加数は少なくなったようにも思われます。
 地方自治代レベルでは条例を制定して空家に対する対策を講じて問題解決の動きも始まっています。しかし、空家率の割合は13.5%と過去最高となり国レベルでの対策が急がれます。
 本年4.月、自民党の空き家対策推進議員連盟(宮地和明会長)は今国会に議員立法で提出する空き家対策推進特別措置法案を自民党総合合同部会に示し了承されました。

(1)空家の問題点
 かつて、筆者の身近でも空家の問題が発生したことがありましたので、体験したことを述べさせていただきます。空家があるとごみを不法投棄する人が現れ、ごみの腐敗による悪臭や害虫が発生してしまいました。また、ホームレスが住みついたり、住みつかないまでも夜中に酒を飲んで騒ぐ人が現れたり、庭で花火をしたりで、ごみ問題だけでなく火事に対する不安もありました。また、空家をターゲットにした放火も発生して、近所に空家がある住民にとって眠れない夜が続いたこともありました。
 放火犯が捕まったことで放火は収まりましたが、空家といえども一個人の所有物であるため、周りの人間がどんなに困ってもどうにもなりませんでした。

(2)空家が放置される理由
 一般的に空家が放置される理由として考えられるのは次の3点です。
① 空地と住宅の敷地では固定資産税が異なるため、たとえ住まなくなっても固定資産税の安い住宅の敷地としておくため空家として放置してしまう。
② 建築基準法により、建物を解体してしまうと新たな建物を建築することができないためそのままに放置してしまう。
③ 居住者がいなくなっても、家の解体のためには費用がかかるため空家として放置されてしまう。

(3)空家等対策の推進に関する特別措置法案
①目的
 適切な管理が行われていない空家等が防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしており、地域住民の生命・身体・財産の保護、生活環境の保全、空家等の活用のための対応が必要であるため。
②施策の概要
㋑ 老朽化で倒壊する危険がある状態のものや景観や衛生上有害となる恐れのあるような空家を「特定空家」として指定。
㋺ 国土交通大臣及び総務大臣は、空家等に関する施策の基本方針を定める。
㋩ 市町村は空家等対策計画を策定。
㋥ 都道府県は、市町村に対して技術的な助言、市町村相互間の連絡調整等必要な援助を行う。
㋭ 市町村長は、法律で規定する範囲内での立入調査、家主への除却・修繕・立木の伐採などの指導・助言及び勧告・命令ができる。また、従わない場合に50万円以下の過料を科したり、行政代行執行も可能とする。
㋥ 市町村は、空き家の情報に関するデータベースの整備に努めること。
㋭ 市町村長・都知事は固定資産税の課税に関する情報の利用を可能とする。

(4)固定資産税優遇
 また、自民党の空き家対策推進議員連盟は、所有者が空き家を自主的に撤去した場合には期間限定で固定資産税の軽減を検討しています。軽減の期間等の条件が定まっていないため、「空家等対策の推進に関する特別措置法案」には盛り込まれてはいませんが
2015(平成27)年度税制改正では、優遇措置を見直す方針も盛り込まれるようです。家屋を撤去すれば、一定期間は固定資産税を軽くしたり、老朽化した建物は優遇の対象から外したりすることも検討しているようです。

 やっと動き出した国レベルでの空家対策に、空家問題を経験した者としては空家問題の解決に大きな期待を持ってしまいます。
           参考資料  YOMIURI ONLINE 2014年4月7日 9時24分
                 総務省統計局ホームページ
                 空家等対策の推進に関する特別措置法案要綱
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