税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業44年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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「ふるさと納税制度」

 「ふるさと納税制度」を考える

「ふるさと納税制度」への関心が高まっている。
最近、テレビ・マネー雑誌・新聞等、いろいろマスメディアで紹介されています。
さらに、扶桑社発行の「100%得をする ふるさと納税生活」金森重樹著 が書店で売れているそうです。
当初、ふるさと納税の提唱者の一人に、秋田県出身の菅義偉官房長官がいる。
総務大臣当時、「故郷に恩返ししたいという要望者は多いのではないか」と言い、導入を提案した一人でもある。この制度の導入には都市と地方の税収格差を鳴らす狙いもあったようである。
このふるさと納税に関しては、私どもの顧問先の方々も最近関心を寄せているので、現状について少し調べてみました。
ふるさと納税制度に関しての情報は、総務省・自治税務局が集計発表しているものがホームページ(HP)上に掲載されています。
この制度を導入した2008年(平成20年)5月より各自治体別に統計数値が掲載されています。この統計資料を見ると2008年(平成20年)1~12月の寄付金者は33,149人、寄付金総額は7,259,958千円、一人当たりに換算すると219,914円になる。
2012年(平成24年)1~12月の統計では、寄付金者は106,446人、寄付金総額は13,011,278千円、一人当たり122,233円になっている。寄付金者は3.2倍に増え、寄付金額も1.8倍に増えたが、一人あたりの寄付金額が少なくなっている。いわゆる寄付金額の小口化傾向である。
なぜ、寄付金者はかなり伸びているのに1人当たりの金額が伸びないのだろうか?
その理由の一つが「特産品目当て」の寄付金者が多いためである。1万円以上寄付すれば5,000円程度の特産品で応える自治体が多く出現してきているからである。
ここで注意したいのは、ふるさと納税制度は、あくまでも寄付金控除制度の中の1つの選択肢であるということである。べつに地方自治体に寄付しなくても、赤十字・ユネスコなど寄付する団体はたくさんあるわけです。ただし、ふるさと納税制度に人気があるのは、寄付する自治体によっては特産品が送られてくること。また、寄付金控除制度は年間寄付金額から定額2000円の控除をひいた額に応じて、所得税及び個人住民税が控除される仕組みになっていることなどから、メリットがあると考えてる人が増えてきたからでしょう。

具体例で確認しましょう。
計算を簡単にするため給与収入500万円、独身、扶養無、その他の控除無 の簡単なケースで確認しましょう。

1.ふるさと納税 0円のケース
給与収入 5,000,000 所得金額3,460,000-380,000=3,080,000
所得税210,500+復興特別所得税4,420=214,900(百円以下切捨)
住民税 所得金額3,460,000-330,000=3,130,000
 道府県民税3,130,000×4%-調整控除1,000+均等割1,500=125,700
 市町村税 3,130,000×6%-調整控除1,500+均等割3,500=189,800
住民税合計125,700+189,800=315,500
所得税+住民税=530,400円
2.ふるさと納税寄付金30,000円支払のケース
所得金額3,460,000-(30,000-2,000)-380,000=3,052,000
所得税207,700+復興特別所得税4,361=212,000(百円以下切捨)
住民税 所得金額3,460,000-330,000=3,130,000
 道府県民税3,130,000×4%-調整控除1,000-寄付金税額控除10,057+均等割1,500
=115,600
 市町村税 3,130,000×6%-調整控除1,500+寄付金税額控除15,085+均等割3,500
=174,700
住民税合計115,600+174,700=290,300
所得税+住民税=502,300円

上記の結果30,000円のふるさと納税をすると1と2では、所得税・住民税合計で28,100の減額になります。更に地方自治体によっては特産品が送られてきますので30,000円以上のメリットがあるわけです。
ただし、税の控除を受けられる寄付額には上限があります。上記のケースでいうと年収500万円の独身者の場合34,000円を超えた分の寄付は対象外になる。総務省のHPでは、各所得別に寄付金額の上限の目安になる表が掲載されています。現行では住民税の1割程度が上限になっているようです。参考にしたらどうでしょうか。

ふるさと納税を受取る金額が多い県として、日本経済新聞2014年1月27日の紙面では上位5県として、鳥取県・岩手県・福島県・長野県・佐賀県があげられています。いずれもふるさと納税対応に積極的な自治体であり、海産物、米、果物など特産品も豊かな県でもあります。更に、マスコミなどで積極的にアピールしているからでしょう。
今後は他の自治体も追随してくるものと思われます。
こうした中で、地方自治体の特産品のメリットを受けて賢くふるさと納税をする人たちも増えてきています。冒頭の金森重樹氏などはその一人です。その著書の中で、ふるさと納税で送られてくる特産物をまとめ、年間計画を立て、その物産品で生活をしようと試みている人です。各自治体にどのような物産品があるのかが紹介されています。参考にしてみてはどうでしょうか。

最近ふるさと納税制度に「良報」が発表されました。
2014年7月5日の日本経済新聞によると、この制度の提唱者の1人である菅義偉官房長官が、「ふるさと納税」の控除額の上限を2倍に引き上げ、制度の仕組みを簡単にするなど拡充する方針だという。
そして安倍首相がトップの「地方創生本部」新設に向けての準備室を発足させ、その中で議論するようである。
いずれにせよ日本は、欧米諸国と比べ寄付金文化が育っていないと言われている。「ふるさと納税制度」を利用して、少しでも寄付と言うものに関心が出てくれば幸いである。ただし、寄付には見返りが無いのが普通であることも添え付けたい。

                                
         参照:総務省ホームページ
            日本経済新聞2014.1.24  2014.7.5 記事
          扶桑社発行「100%得をする ふるさと納税生活」金森重樹著
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| 所得税・所得控除及び税額控除 | 14:47 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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ご紹介感謝いたします

著書ご紹介いただきましてありがとうございます。金森茂樹→金森重樹になります

| 金森重樹 | 2014/07/15 15:47 | URL |















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