税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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消費税法上の人件費の課税仕入要件について その1

1.法人が社員との雇用契約を請負契約に変更して、社会保険料の会社負担分を減らすことによる経費の節減や消費税の課税仕入を増やすことによる節税を図るケースが見受けられるようです。しかし、安易に変更することより税務調査で外注先への支払が給与と判定されてしまうと、法人に対しては以下のようなペナルティが課せられてしまいます。

①消費税の課税仕入が否認され、消費税の増額更正
②給与の源泉徴収漏れを指摘され、外注費として計上した期間の源泉税額の支払
 ( 扶養控除等申告書の提出がされていないことから乙欄適用の源泉所得税額 )
③上記に対する過少申告加算税、不納付加算税、延滞税



2.雇用契約による給与所得者と請負契約による個人事業者の区分については、消費税基本通達1-1-1に明記されており、次のように取り扱います。まずは、個人事業者に該当しているかを確認しなければなりません。

①個人事業者は、自己の計算において独立して事業を行う者
②給与所得者は、雇用契約又はこれに準ずる契約に基づき雇用者等に従属し、かつ、その雇用者等の計算により行
 われる事業に役務を提供する者
③区分が明らかでないときは、以下の事項を総合勘案し、該当すればおおむね個人事業者に該当する
⒜ その契約に係る役務の提供の内容が他人の代替を容れるかどうか
⒜ 役務の提供に当たり事業者の指揮監督を受けないかどうか
⒞ まだ引渡しを完了しない完成品が不可抗力のため滅失した場合等においても、その個人の権利として既に提供した役務に係る報酬の請求をすることができないかどうか
⒟ 役務の提供に係る材料又は用具等を供与されていないかどうか
 ただし、③は区分が明らかでないときの目安です。通常、外注先の業務は千差万別であり個人事業者か給与所得者かを画一的に区分することは困難ですから該当しないからといって直ちに給与所得者となるわけではありません。例えば材料の提供を受けていたとしても、提供を受けることに合理的な理由(材料を一括購入してコストダウンを図りたい、特別仕様の材料が必要で個人での購入が困難であるなど)があるのであれば、個々の事情説明ができるようにして個人事業者であることの立証ができるようにすることが必要でしょう。


3.外注先が、個人事業者に該当していることを確認したならば、業務の実態が請負であることを明確に示すものが実際に作成されているかを確認します。請負契約であることを示す形式的なものとして、以下のものが挙げられます。

①請負契約書(業務委託契約書)を作成し、業務の内容が請負契約に合致する事を記載しておく
②外注先が自ら計算し発行した請求書
③外注先が発行した請求書に基づき支払がされたことを示す領収証


 雇用契約か請負契約かどうかの判定については、最終的には実態で判断されることになりますが、それは次の機会に説明させていただきます。次回は裁決事例としてマッサージ師に対する報酬が給与として判断された事例(平成12.2.29裁決 裁決事例集No59)についてその問題点について見ていきたいと思います。






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