税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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エンジェル税制拡充へ!

平成27年後税制改正大綱に向け 対象企業を拡充を検討

政府は、2014(平成26)年4月8日、ベンチャー企業の株式を購入した個人投資家の所得税を減税する「エンジェル税制」(ベンチャー企業投資促進税制)を拡充する方向で検討に入りました。
現在、エンジェル税制は「設立10年未満の企業」と「設立3年未満の企業」に対する投資を対象とした2つの減税の仕組みがありますが、今回は「設立3年未満の企業」に対する投資を対象に拡充を行います。
この狙いは、ベンチャー企業の資金繰りを税制面から支援し、新たな産業の担い手を育成し、経済成長の“起爆剤”とすることです。そして、政府がまとめる成長戦略の目玉とし、年末の平成27年後税制改正大綱に盛り込むことを目指しています。

(1)経緯
① エンジェル税制は、1997(平成7)年に導入されましたが、導入後2012(平成)年までの累計の利用金額は88億円にとどまり、ベンチャー企業の育成効果は限定的なままであること。
② 利用低迷を受け政府・与党内からも、見直しを求める声が強まっていること。
③ ベンチャー企業の育成拡充は、安部晋三政権の経済政策「アベノミクス」の成長戦略の柱の一つとなっており、製造業の海外生産移転などで国内産業の空洞化が進む中、ITやバイオなど新成長分野で創業を促すことが抜本的な対策につながると判断したため。

(2)改正の内容
①対象企業:設立後3年未満⇒5年未満
      赤字企業のみ⇒黒字企業も対象 
②控除対象となる上限額の引き上げ

(3)エンジェル税制の概要
①概要
 ベンチャー企業へ投資を行った個人投資家(エンジェル)に対する税制優遇措置です。
②投資した年に受けられる所得税の優遇措置
㋑優遇措置A
 ・対象:設立後3年未満の企業
 ・優遇措置:「投資額―2,000円」をその年の総所得金額から控除
        控除の対象となる投資額の上限額は、
「総所得金額×40%」と「1,000万円」のいずれか低い方
㋺優遇措置B
 ・対象:設立後10年未満の企業
 ・優遇措置:対象企業への投資額全額をその年の他の株式譲渡益から控除
       控除の対象となる投資額の上限額はなし
③株式を売却し、損失が発生した場合、受けられる所得税の優遇措置
㋑他の株式の譲渡益との通算
 対象企業の株式売却により生じた損失を、その年の他の株式の譲渡益と通算し、通算しきれなかった損失については、翌年以降3年間にわたって、順次株式譲渡益と通算ができます。
㋺注意点1:上場しないまま破産等した場合
 対象企業が上場しないまま、破産、解散等をして株式の価値がなくなった場合にも、同様に翌年以降3年間にわたって損失の繰越ができます。
㋩注意点2:②の優遇措置を受けた場合
 対象企業へ投資した年に上記②の優遇措置を受けた場合には、その控除対象金額を取得価額から差し引いて売却損失額を計算します。
③譲渡益の圧縮
 2000(平成12)年4月1日から2008(平成20)年4月30日までに取得した株式に限り、投資したにの翌日から3年を超えて当該株式を保有した後に、その株式を売却したとき(対象企業の株式を上場後に売却した場合は上場の日から3年以内)は、譲渡益を1/2に圧縮して課税します。

 政府が6月に策定した成長戦略「日本再興戦略」では、全体に占める新規開業した企業の割合を示す「開業率」を原状(約5%)から、欧米並みの10%程度に高めることを打ち出しています。
エンジェル税制の見直しにより対象企業と控除対象となる上限額が拡大されることとなり、使い勝手が改善されることとなります。今回の見直しによりベンチャー企業への投資が促進され、新たな産業の担い手が育成されること、そして、開業率を押し上げるための一環となることを期待するものです。

          参考資料  産経新聞 4月9日 7時55分配信
                経済産業省 関東経済産業局ホームページ
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