税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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交際費課税について その1

1.交際費の意義

 交際費・接待費・機密費その他の(同質のもの)費用で、法人がその得意先・仕入先その他事業に関係のある者に対する接待・供応・慰安・贈答その他これらに類する行為のために支出するもの(もっぱら従業員の慰安のために行われる運動会、演劇会、旅行のために通常要する費用費用その他政令で定める費用を除く)を交際費等と言う。(措置法61条の4項)


2.同条の立法趣旨と本法に組み込むかどうかの松沢・山下先生の主張

 昭和29年の立法当時は、法人の交際費名目での支出の状況(いわゆる「社用族」の氾濫)に鑑み、他の資本備蓄策とその濫費を抑制する目的で導入された。山下学教授は、実際は、納税額の確保と景気調整の政策目的と主張される。
 同条が、本法に組み込まず特別措置法として設けられ現在まで更新してきてる同条の本質的意義は何なのか。山下学教授は、上記理由により運用するのがよいと言われる。
 松沢先生は、寧ろ規定の整備をはかり寄付金(法37条)のように法人税の本体に組み込み恒常化させるべきかが、緊急的課題だ。(租税実体法p.322)両先生の考えに差が見える。


3.代替課税論(法律論ではない。

交際費を使用する個人の所得税の源泉課税的意味をもつと言う考え。交際費の内には個人の所得と見なすべき部分があり使用した個人に総合課税するのは、きわめて困難である。よって、接待を受けた個人に課税出来ないから、支出した法人を課税すると言う考え方。交際費課税の今後の方向に関する問題としての問題。(租税実体法p324)


4.「通常要する費用の程度」を超えるものは、すべて「交際費」課税と考え税務行政の運用されているのは、経済的基準説といえる。金額の多寡で「複利厚生費」「会議費」とするのは誤りである。


5.東京地裁昭和44年11月27日判決

①法人の当該事業経費が「事業に関係のある者」に対して支出されたものでなければならない。
②「事業に関係のある者」とは、近い将来事業と関係を持つに至るべき者を含みこれを除外する合理的な理由はない。
不特定多数の者に向けられた支出は含まない。(租税実体法p324)
③「接待・供応・慰安・贈与」等企業活動における交際を目的とするものであり、商品、製品等の広告宣伝を目的とするものでない。と判示してる。


6.2要素説と3要素説の検討

2要素説・①支出目的と②支出の相手方が交際費判定の要素(例・清水微次教授)
2要件説は.交際の目的という支出の目的と接待、供応、慰安、肥答その他これらに類す
る行為」という交際の真体的形態とを混同して扱っている(租税実体法p325)

3要素説・(松沢説) ◎萬有製薬害件は、3要件説を採用

①交際費、接待費、機密費その他の費用「支出の目的」
②得意先、仕入先その他事業に関係ある者に対する行為のための支出
③接待・供応・慰安・贈答これらに類する行為のための支出



7.措置法61条の4の3項の文理解釈から推計される


8.最近の判決

1)バスの乗務員の心付けは、旅行客の預かり金ではなく交際費である。(2002.5.21 国税不服審判所)
2)共同事業者に対する支出を交際費ではなく外注費として認定し交際費認定を全部取消し。
3)ビール券の送付先の記載がなくとも使途秘匿ではない。(2003.6.19 国税不服審判所)
4)東京高裁平成15年(2003年9月9日判決)
 ①薬品会社が大学病院の医師の作成する論文の英文添削の外注費を肩代わりしていたことをめぐり薬品会社の負担した添削費の差額分が交際費にあたるか否かが争われていた事件で、控訴審の東京高裁(浅生重機裁判長)は、原審(平成11年(行ウ第20号)を全面的に否定した。
 ②この事件は、取引先である大学病院の医師が作成した海外の雑誌に掲載するための論文の英文添削を薬品会社が請負い、国内業者の3倍以上の費用で海外の添削業者に外注、当該差額分を負担したことに伴う税務処理がトラブルになり、一審が交際費と認定し更正処分そ薬品会社が控訴した。


9・交際費の隣接費用(福利厚生費)

 ①措置法61条の4第3項カッコ書きに従業員を対象とする慰安のための運動会等の福利厚生は、事業主のためにするのではなく、従業員の教養を高め心身を豊かにさせ、生活と労働環境を改善し労働意欲を向上させ、明日の活力を養成するための支出。あくまでも従業員の事由にその支出を委ねるものではなく、企業の将来のために企業主サイドから従業員に与えられるものである。
 ②3要素のうち1要素(行為の態様)は近いが、「支出の目的」を異にするので交際費から除外される。


10・交際費の隣接費用(広告宣伝費)

 ①令37条の5が、カレンダー等を例示して政令で「広告宣伝費」として規定している、カレンダー等の配布先が、不特定多数であることを予測しているからである。
 ②交際費と宣伝広告費は「支出形態」は、類似するものの「支出の目的」が、「支出先が特定の者か不特定に者」かで区別される。
 ③交際費であれば、交際の目的(親睦の度を密にして取引関係の円滑な進行を図ることを目的)を要す。広告宣伝費であれば、購買意欲の刺激にあたる。
 ④交際費も広告宣伝費も両目的とも企業利益に貢献するものであるので、主たる目的の要素で判定する。

交際費図


11.東京高裁平成15年(2003年9月9日判決)からの分析










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