税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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総合主義から帰属主義へ

      国際課税の流れが日本にも
      -総合主義から帰属主義へ-

 2013年12月12、与党より公表された平成26年度税制改正大綱の中で特に注目されるのが「外国法人の国際課税原則の見直し」が図られたことである。
今回の改正内容は、外国法人に対する課税原則である「総合主義」から「帰属主義」文字色へ改められる事になったものである。
現在、日本の国内法である法人税法141条や所得税法164条の規定では日本で稼ぎ出されたすべての所得を恒久的施設(PE=Permanent Establishmentと言う)の所在地国において合算して課税するという総合主義(全所得主義)を採用している.
一方、我が国では租税条約においては、PEに帰属する利得についてのみ内国法人等と同様に総合課税にするという帰属主義を採用してきた。
今回これを国内源泉所得という枠ではなく、日本国内に所在するPEに帰属する所得の全てを課税対象とする帰属主義に改めるということである。
(改正の背景)
OECDは2010年に、従来のモデル租税条約7条が改正され、PEに帰属すべき利得の算定方法を定式化したモデル租税条約新7条ができた。この新7条の導入によって、我が国の国内法も帰属主義へ見直しの機運が高まったのである。そこで導入のため我が国の国内法である法人税法及び所得税法を今回改正するにいたったのである。

(改正内容)
1国内源泉所得の範囲
我国の国内法では、我が国にPEを有して事業活動を行う外国法人については、すべての国内源泉所得が総合課税の対象とされる。他方で現在、我が国が締結するすべての租税条約では、PE帰属所得についてのみ総合課税することが認められている。これは国内法に対し租税条約が法律的に上位優先(尚、最高法規は憲法である)することから、実際に我国が総合課税できるのは、国内源泉所得のうちPE帰属所得に該当するもののみとなる。このため、外国法人の本店がPEを通さずに我が国に直接投資して得る所得は、国内源泉所得であるが、PEに帰属する第三国源泉所得(第三国において課税されているもの)は、条約上PE帰属所得として我が国に課税権が認められるものの、国内源泉所得には該当しないため課税できてない。
今回の帰属主義への見直しにより、従来原則課税していなかったPEに帰属する国外源泉税(PEが第三国の国債に投資して得た利子等)について「PE帰属所得」として総合課税とし、またPE非帰属国内源泉税(外国本店がPEを通さずに直接我が国の株式に投資して得た譲渡利益等)については申告対象外となる。
2. PE帰属所得の算定
① PE帰属所得とは
 PE帰属所得は、外国法人のPEが本店等から分離・独立した企業であると擬制した場 合に当該PEに帰せられるべき所得とする。
② 内部取引とは
 PE帰属所得の算定においては、外国法人のPEと本店等との間の内部取引について、移転価格税制と同様に、独立企業間価格に基づく損益と認識する。
③ PEへの資本の配賦及びPEの支払利子控除制限
 外国法人のPEが本店等から分離・独立した企業であると擬制した場合に帰せられるべきPE帰属資本をPEに配賦する。また、外国法人のPEの自己資本相当額がPE帰属資本の額に満たない場合には、外国法人のPEにおける支払利子総額(外国法人のPEから本店等への内部支払利子及び本店等から外国法人のPEに費用配賦された利子を含む。)のうち、その満たない部分に対応する金額について、PE帰属所得の計算上、損金の額に算入しない。
3.外国法人に係る外国税額控除制度の創設
外国法人のPEのための外国税額控除制度を創設する。
4.内国法人の外国税額控除
内国法人が国外に有するPEに帰せられる国外PE帰属所得を国外源泉所得の一つとして定義し、内国法人の外国税額控除に関して国外PE帰属所得を算定する際には、上記に準じて内部取引等を勘案する。
5.その他の改正
① 文書化
 PEと本店等との間の内部取引の存否及び内容を明確にするための文書を作成し、税務当局からの求めがあった場合には遅滞なく提示し、又は提出しなければならないこととする。
② 個人課税
 非居住者である個人課税については、原則として、帰属主義に変更する外国法人に準じた取扱いとする。また、居住者である個人課税についても、原則として、帰属主義に変更する内国法人に準じた取扱いとする。
③国外関連者との取引に係る課税の特例(いわゆる移転価格税制)について、その対象となる非関連者を通じた取引の範囲に役務提供取引等を加える。

以上のような改正内容が含まれているが、今後まだまだ細かい内容の変更が加えられることになると思われる。
最後に、外国法人への所得算定に関する詳細な規定は租税条約ではなく、国内法(法人税・所得税)に依拠している為、今後の法令の解釈指針を進めるためにも早期の成立と詳しい内容の公表をしてもらいたいものである。なお、今回の改正の適用時期は2016年(平成28年)4月1日以後開始事業年度の法人税及び2017年(平成29年)度以後の所得税から適用になる。


           参考資料:T&AマスターNO529 2014.1.6号参照
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