税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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納税者の権利救済への道

「納税者の権利救済」への道 

 税務署長などが課税処分や滞納処分を行った場合に、納税者がその処分に不服があるときは、その処分の取り消しなどを求めて不服申し立てをすることができます。この不服申し立て制度は納税者の正当な権利や利益を簡易かつ迅速に救済するための手続きであり、処分に対して不服がある納税者は、裁判所に訴訟をする前に、まずこの不服申し立てを行うことを前提としています。
 不服申し立てには税務署長などに対して行う異議申し立てと国税不服審判所長に対して行う審査請求がありますが、審査請求は、原則として異議申し立てを行ってからでないとすることができません。
 さらに、審査請求に対する裁決になお不服があるときは、裁判所に対して訴訟を提起して司法による救済を求めることができます。
 以下、順次権利救済制度を説明します。

①異議申立て
 異議申立は、税務署長などが更正・決定や差押さえなどの処分をした場合に、その処分に不服がある納税者が、行政庁である税務署長などに対して、その処分の取消しや変更を求める手段であり、国税に関する処分の行政争訟の第1段階です。
 なお、異議申立については、原則3ヶ月以内にその処理を終えるように努めているそうです。
 しかし、異議申し立てについては、新たな事実が把握されたことなどにより納税者の主張の全部または一部が認められた割合は9.9%となっています。(平成24年度統計より)

②審査請求 
 異議申立に対する税務署長の決定に、なお不服がある納税者は、国税不服審判所長に対して審査請求を行うことができます。国税不服審判所は、納税者の正当な権利利益の救済を図るとともに、税務行政の適正な運営の確保に資することを使命とし、審査請求人と税務署長などとの間に立つ公正な第3者的な立場で、審査請求に対する裁決を行う機関であり、国税不服審判所長をはじめ東京・大阪支部の所長など主要な役職に、裁判官や検察官の職にあったものを任用している。また、国税審判官には、税理士や弁護士など職にある民間の専門家を任期付職員として採用しています。
 なお、国税不服審判所の裁決は、税務署長などの行った処分よりも納税者に不利益になることはないということです。また、裁決は、行政部内での最終判断であるため、税務署長などは、仮にこれに不服があったとしても訴訟を提起することはできないということです。
 審査請求については、1年以内にその処理を終えるように努めているそうです。
 しかし、審査請求については、請求の全部または一部が認められた割合は12.5%となっています。(平成24年度統計より)

③訴訟 
 納税者は、国税不服審判所長の裁決を経た後、なお不服があるときは、裁判所に対して訴訟を提起して司法による救済を求めることができます。
 しかし、訴訟については、請求の全部または一部が認められた割合は6.3%となっています。(平成24年度統計より)

 以上、納税者の権利救済の道はありますが、それぞれ認められた割合が少ない現状を認識しないといけないと思います。
 関根弁護士の「税理士のための百箇条」にも述べられているように、救済の道は狭く、結局大事にしなければならないのは、「税務の現場である、ということに共感を持ちました。       
(参考:国税庁レポート 2013より)  

 
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