税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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「更正の申出に対してその更正をする理由がない旨のお知らせ」は国税に関する法律に基づく処分に該当しないとした事例

「更正の申出に対してその更正をする理由がない旨のお知らせ」は国税に関する法律に基づく処分に該当しないとした事例

2013年9月26日に、国税不服審判所より公表裁決事例集NO90(2013年1月~3月分)が発表されました。(国税不服審判所HP参照)
この裁決事例集の中で、今回、気になる裁決事例が掲載されていたのでここに紹介し意見を述べさせていただきたい。
(事案)
「更正の申出に対してその更正をする理由がない旨のお知らせ」は国税に関する法律に基づく処分に該当しないとした裁決事例  2013年1月17日裁決
 
《裁決要旨》
請求人は、更正の申出に対してその更正をする理由がない旨のお知らせ(以
下「更正の申出に対するお知らせ」という。)の取消しを求めて審査請求をしている。しかしながら、更正の申出の手続は、更正の請求とは異なり、法令上の根拠に基づくものではないから、更正の申出に対するお知らせは、直接納税者の権利義務を形成し又はその範囲を確定するものではなく、単に、納税者からの減額更正を求める申出を契機として、税務署長が当該納税者の納税申告書に記載された課税標準等又は税額等を更正する理由がない旨を知らせるものに過ぎない。
 したがって、更正の申出に対するお知らせは、国税通則法第75条《国税に関する処分についての不服申立て》第1項に規定する「国税に関する法律に基づく処分」に該当せず、その取消しを求める本件審査請求は不適法である。
 以上の通り、国税不服審判所が門前払いをした事例である。
私はこの裁決事例内容に近い案件を現在東京国税不服審判所へ審査請求している。そのなかの一文を紹介したい。

(不服申立て内容)
今回課税庁側(芝税務署)は、本件申立人が申立てている、第9期(自平成20年6月1日至平成21年5月31日)、第10期(自平成21年6月1日至平成22年5月31日)更正の申出に関して実質審理されているにもかかわらず、それ自身が法律上の効果を発生させる行為ではなく、法律効果を伴わない行政庁による執行上の行為なので、国税に関する法律に基づく処分には該当しないものとして却下処分とした。

「更正すべき理由がない旨の通知処分」の法的性質については、税務大学校研究部主任 池本征男教授によれば更正処分類似のものと解する「更正類似処分説」と請求拒否に当たるものと解する見解「請求拒否説」があるとしている。
更正類似処分説によれば、この「更正をすべき理由がない旨の通知処分」に対して不服
申立てがされた場合の審理の範囲としては、納税申告書に記載されている課税標準等
又は税額等が過大であるかどうかを全面的に見直し、結果として減額更正をする必要が
有るか無いかを判断し処分するものであるとしている。
本職はまず、この更正処分類似説を主張するものである。
この更正処分類似説が現在の学説の主流であることも付け加えたい。更に内容の実質
審議を行っているので、更正処分類似説が妥当である。

 次に、立正大学法学部 山下学教授から頂いた「意見書」では、以下のように述べている。
更正の嘆願は,国税通則法を含め広義の税法で定められた手続ではありません。
しかしながら,以前小職が目にした東京国税局の「所得税事務提要」では,更正の請求書の「請求書」の部分に「取消線」を引いて「嘆願書」と書き換えて受理するよう,実務的に認められ,定着した方式であると考えます。
 また,更正の嘆願の法的性質は,職権更正の除斥期間内であれば,職権更正をすべき,行政行為の「促し」であると同時に,国税通則法第24条(更正)では,「税務署長は,納税申告書の提出があつた場合において,その納税申告書に記載された課税標準等又は税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかつたとき,その他当該課税標準等又は税額等がその調査したところと異なるときは,その調査により,当該申告書に係る課税標準等又は税額等を更正する。」とされております。これは,「更正をすることができる。」という行政裁量たる裁量行為を認めたものではなく,「更正する。」覊束(きそく)行為とされております。
 従って,更正の嘆願書により「納税申告書に記載された課税標準等又は税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかつたとき」に該当することが探知できたときには,「その調査により,当該申告書に係る課税標準等又は税額等を更正する」必要があるものと思料します。

以上のように山下学教授は述べられている。私もこれらの意見に賛成である。
更正の請求も更生の申出も、税務署長の減額更正という職権発動を促すものには変わりはない。従って、更正に関する申出に対するお知らせは、更正の請求に対する通知処分と同様の法律上の効果を有するものであり、当該お知らせによって税額等を確定させる法律上の効果を有するものと解される。従って、本件お知らせは上記2事業期間の税額等を確定させる法律上の効果を有するものであって、国税に関する法律に基づく処分に該当するから不服申立ての対象となる。   
と主張したい。
                              以  上


参照資料
「更正をすべき理由がない旨の通知処分」に対する不服申立ての審理等について」
税務大学校研究部主任 池本征男教授 

「意見書」              立正大学法学部    山下学教授
                               

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