税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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会計帳簿の証拠能力は、何に基づくか。

 刑事訴訟法(第323条2項)で、「商業帳簿、航海日誌その他業務の通常の過程において作成された書面」は、これを証拠とすることができる、としている。また、同第317条で、「事実の認定は、証拠による」とし、第318条では、「証拠の証明力は、裁判官の自由な判断に委ねる」としている。わが国の裁判が、証拠主義を前提にしていることを、規定している。その上で、証拠として認められるものが列挙されている。その1つが、上記の刑事訴訟法第323条です。
では、証拠書類とは何でしょうか。それは、外部取引、内部取引に関して作成される取引証拠書類を言います。取引の内容が記載されており、その取引の発生を証明する書類のことです。実在性と正当性を証明できるもののことを指しています。
 もちろん、証拠書類それ自体が真実なものでなければならないことは当然で、虚偽や不正のものであっては、全く証拠書類とはなりません。
 会社法が求める正確な商業帳簿(第19条)は、真実の証憑書類に基づいて取引の事実の認定を行う、これに健全な会計慣行及び企業会計法令適用による会計上の判断を要件として記録されなければならないのです。また、証憑書類は、取引に関する紛争等が起きたときに、その証拠となる書類でもあるのです。
 さて、ここで日本の法制で、会計帳簿の証拠力が、どのように規定されているのかをみていきたい。
 会計帳簿の証拠力について、法律上はっきりと条文に明記されている国は、日本とドイツだけです。
 日本の商人は、世界にもまれにみる特権を与えられていると言える。アメリカでさえ、このような特権は与えられていません。それどころか、アメリカでは、「会計帳簿は、その証拠力を認めない」と、明確に帳簿の証拠性を否定しています。
 
 ここで、刑事訴訟法323上の条文に関して、2つの重大なポイントがあることを述べたいと思います。

『第1のポイント』
①会計帳簿の証拠力は、戸籍謄本や公正証書の謄本と同じで、証拠能力が認められているということ。
 作成される会計帳簿には、本来的に証拠能力があることを認めた、法律上の裏付けなのです。この規定のもつ底力を、日本の経営者の方々、経理を担当している方々は、以外と知らないのです。
税務調査を取り上げると、法人税法130条・所得税法155条において、青色申告書を適法に提出している法人・個人に対して、税務署長が、その申告所得に誤りがあるとの処分をするためには、「帳簿を調査し、その帳簿に誤りがあると認められる場合に限り処分できる」とあります。まず、帳簿があって、それを調査し、その帳簿に誤りがあると認められない場合には処分できないのです。
 帳簿に証拠能力が認められているから、帳簿を調査するという手続きを省略できないのです。

『第2のポイント』
 ②証拠力確保の絶対条件 
これは、商業帳簿の証拠能力に、1点だけ条件が付加されているということです。
「業務の通常の過程において作成された」という条件です。この条件が問題なのです。上記のように、帳簿には本来的に証拠能力が認められています。ただ、その証拠能力・底力を帳簿に付加させるためには、自らの手で、自らの会計帳簿を、日々作成する必要があります。帳簿の作成を第3者に任せてしまうということは、会計帳簿に与えられている証拠力を損なうことになるのです。
以上のように、商業帳簿は営業に関し重要な証拠資料となります。したがって、商法は、訴訟上特別の提出義務を定め、裁判所は、申し立てによりまたは職権で、訴訟の当事者に対して、商業帳簿の全部または一部の提出を命ずることにしています(商法19条4項)。また証拠性の観点から、帳簿閉鎖の時から商業帳簿の10年間の保存を求めています(同条3項)。



(参考)
刑事訴訟法第323条2項、第317条、第318条
ワンポイント経理実務情報
会計帳簿の法的性格 牧 忠司
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