税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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平成23年度改正 処分の理由附記 その1

 8月29日に「理由附記の制度の概要」で、青色申告者の特典としての理由附記の制度の概要について見ていきました。従来は、青色申告法人及び青色申告書を提出する事業所得・不動産所得・山林所得についての更正処分のみ理由附記の対象とされていましたが、平成23年度税制改正により理由附記の範囲が変わりました。

(1)改正の内容
①改正前の制度の概要
 行政手続法第8条及び第14条では、許認可等の拒否をする場合や不利益処分をする場合には理由を示さなければならないことを規定しています。ただし、行政手続法3①(適用除外)及び旧国税通則法74の2①の規定により、税務当局が国税に関する法律に基づき行う処分については、行政手続法の規定は適用しないこととされていたため、これらの処分の際には理由の附記は要しないこととされていました。その一方で所得税法155②及び法人税法130②により青色申告者の特典としての理由附記の規定を設けました。
②改正の内容
 国税通則法74の14①の規定により、行政手続法第3条(適用除外)の規定を適用しないこととなり、行政手続法第8条及び第14条の理由附記の規定が適用されることになりました。
 すなわち、2011(平成23)年12月改正により、国税に関する法律に基づく申請により求められた許認可等を拒否する処分又は不利益処分をする場合は、処分の適正化と納税者の予見可能性の確保の観点から、行政手続法第8条及び第14条に基づき理由附記を実施することとされました。つまり、国税に関する申請の拒否処分及び不利益処分の全てについて、理由附記の対象となったのです。
 なお、青色申告者については、所得税法155②及び法人税法130②の規定がそのまま存続され、白色申告者については記帳及び記録保存の義務化と併せて実施されることとなります。

《参考》行政手続法における理由附記等の規定
行政手続法 第3条(適用除外)
①次に掲げる処分及び行政指導については、次章から第四章までの規定は適用しない。

六 国税又は地方税の犯則事件に関する法令(他の法令において準用する場合を含む。)に基づいて国税庁長官、国税局長、税務署長、収税官吏、税関長、税関職員又は徴税吏員(他の法令の規定に基づいてこれらの職員の職務を行う者を含む。)がする処分及び行政指導並びに金融商品取引の犯則事件に関する法令に基づいて証券取引等監視委員会、その職員(当該法令においてその職員とみなされる者を含む。)、財務局長又は財務支局長がする処分及び行政指導


行政手続法 第二章 第8条(理由の提示)
① 行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならない。ただし、法令に定められた許認可等の要件又は公にされた審査基準が数量的指標その他の客観的指標により明確に定められている場合であって、当該申請がこれらに適合しないことが申請書の記載または添付書類その他の申請の内容から明らかであるときは、申請者の求めがあったときにこれを示せば足りる。
② 前項本文に規定する処分を書面でするときは、同項の理由は、書面により示さなければならない。

行政手続法 第三章 第14条第1項(不利益処分の理由の提示)
① 行政庁は不利益処分をする場合には、その名あて人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない。ただし、当該理由を示さない処分をすべき差し迫った必要がある場合には、この限りでない。
② 行政庁は、前項ただし書きの場合においては、当該名あて人の所在が判明しなくなったときその他処分後において理由を示すことが困難な事情があるときを除き、処分後相当の期間内に、同項の理由を示さなければならない。
③ 不利益処分を書面でするときは、前二項の理由は、書面により示さなければならない。

(2)適用開始
 この改正は、2013(平成25)年1月1日以後の処分について適用されます。
ただし、白色申告者については、一部2014(平成26)年1月1日以後の処分についてからの適用となります。

(3)白色申告者に対する理由附記
 事業所得、不動産所得又は山林所得を有する個人の白色申告の方(所得税の申告の必要がない方を含みます。)に対する更正等に係る理由附記については、記帳・帳簿等の保存義務の拡大と併せて以下のとおり実施することとされています
①2013(平成25)年1月から
㋑2008(平成20)年から2012(平成24)年までのいずれかの年において所得金額が300万円超のため、記帳義務・記録保存義務があった白色申告者
㋺2013(平成25)年1月以後、現行の白色申告に係る記帳義務・記録保存義務の水準と同程度の記帳・記録保存を行っている白色申告者
②2014(平成26)年1月から
 ①以外の白色申告者

(4)白色申告者の記帳義務 (所得税法231条の2)
 2014年(平成26)年1月から事業所得、不動産所得及び山林所得を生ずべき業務を行う全ての者(申告不要の者を含む。)に対して記帳及び記録保存の義務が生じることとなります。



参考資料 
国税通則法等の改正(財務省)
平成24年9月12日 事務運営指針
国税庁ホームページ
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