税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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租税特別措置法の適用実態が明らかに!!

第83回通常国会(2013年1月28日~6月26日の130日間)が先月終了したが、その国会の会期期間中に租税特別措置法の適用状況の報告書が国会に提出されていたことをご存じの方は少ないのではないだろうか?
そもそも「租税特別措置法とは何か?」  から説明しておきたい。
租税特別措置法は昭和32年 3月31日に施行されている法律である。ただしその成立の背景には、当時から産業育成など特定の政策目的を実現するため、適用対象を絞り込み、期限を設けて増減税などを実施することなどの政策的理由が存在していた。
税目は所得税、法人税、相続税、消費税など多岐にわたり、毎年度の税制改正の焦点となっている。「租特法(そとっぽう)」と略称して呼ぶことも多い。以下租特法と略称して説明していくことにしたい。
租特法の新設や延長、拡充などは各省の要望をもとに与党税制調査会や財務省、総務省が議論し、必要と認められれば各年度の税制改正大綱に盛り込み、租税特別措置法を改正して実施している。
具体的には、以下の図を参照にしてほしい。

租特措の実施までの流れ

2009年の民主党への政権交代までは多くの租特法が積み重なっていた。
法案を新たに作って恒久化するよりも手軽なため、業界や各省庁、政治家の既得権益になっているとの指摘があり、中立、公平、簡素という税の基本的な原則に反しているとの批判も根強かった。なお、民主党政権下では310あった租特法のうち96を廃止・縮減する一方、28の租特を新設している。
そして、この租特法の利用実績や効果を明らかにするため「租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律(租特透明化法)」を制定し、2010年3月31日に公布させたのである。

この目的は、前述のように適用実態が不透明と指摘される政策減税の規模を明らかにすることである。減税の恩恵を受ける企業は2011年4月1日以降に終了する事業年度の法人税を申告する際に、減税額などを示した「適用額明細書」を申告書と共に提出する。ただし、法人税以外の租税特別措置や、税収増につながるものは対象外とされた。
現在我々が申告している法人税申告書には、別紙として租特法を利用した法人は「適用額明細書」を記載し申告書とともに提出している。そして、これを財務省で集計し今国会で報告されたのである。
租特法の「代表的なものは何か?」 と言うと、
法人税関係では、資本金1億円以下の中小企業法人税率の減税(税率22%→18%)特定の設備投資を行った場合の特別償却や準備金制度などがある。
また、所得税で代表的なのが、居住用の住宅を売却した場合の3000万円を限度とした税額控除制度などがある。

今国会において、財務省は企業が提出した明細書を集計して、租税特別措置ごとの適用法人数や適用額を記載した報告書を作成し、国会に提出することになった。企業ごとの適用状況は非公開としているが、業種別、資本金別の適用実態が分かるようにしている。集計期間は2011年4月1から2012年3月31日までの間に終了した事業年度の法人であり、適用額明細書の提出法人は単体法人は919,261法人、連結法人は456法人。適用件数は、法人税関係特別措置85項目について、述べ、1,254,869件であった。
具体的な数値・金額に関しては以下の財務省HPを見ていただきたい。(www.mof.go.jp/tax_policy/reference/stm_report/houkoku01.pdf)‎
そこには、32ページに及び集計結果の説明が記載されている。
これからこの集計表の内容を精査し、議論していくことになるだろうが、それは今年秋以降の国会で審議されるはずである。そしてそれが今後の税制改正大綱等に影響を与えていくことになるだろう。
今後の審議を注意深く見守っていきたい。

最後にそのHPの一部を掲載しておく。



租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書
http://www.mof.go.jp/tax_policy/reference/stm_report/houkoku01.pdf
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