税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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‘代行割れ’の基金に解散命令! 倒産企業分の肩代わりは廃止に!

中小の‘企業年金’は存続の危機!!

 政府はこのほど、財政難の厚生年金基金に対して、厚生労働大臣が‘解散命令’を発動できることを柱とする‘公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案’を閣議決定した。今国会での成立、来年4月からの施行を目指すとしている。

【厚生年金基金制度の見直しの流れ】
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【クリックで拡大表示】(出典:厚生労働省)

 厚生年金の支払いを担保できるだけの原資を確保している基金には存続を認める一方で、国に代わって運用している厚生年金の一部が‘代行割れ’となっている基金は厚労相の命令で解散させる。
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また、代行割れをしていなくても、法施行から5年経過時に基準額を満たす資金がなければ解散を促し、自主的に解散しない場合には厚労相が解散命令を出せるようにする。厚生年金基金の受給者と加入者は合計で約730万人(平成23年度末)にのぼるが、全国約560基金のうち約4割が代行部分の積立金が不足する‘代行割れ’に陥っている。

 法案では、全体の約4割を占める‘代行割れ基金’については、厚労相が解散命令を出せるようにしたのである。一方で、厚生年金の支給に必要な1.5倍以上の資産を持つ基金を「健全基金」と位置づけ、存続を認めることにした。ただし、この条件を満たすだけの財政基盤を確保している基金は、全体の約1割程度にとどまるものとみられている。

 1.5倍未満の資金しかない基金、いわゆる「代行割れ予備軍」(全体の約半数)の基金については、5年を経過するまではほかの制度への移行を促すためにとどめるが、それ以後も改善されない場合は厚労相が解散を命じる。このため、「代行割れ予備軍」の基金が5年経過後も存続するのは事実上困難とみられている。また、基金の自主的な解散を促すため、加入者の「4分の3以上」の同意を要するなどの解散要件を「3分の2以上」に緩和するほか、代行割れしている金額(全体で約1.1兆円)の計算方法を見直し、解散時の国への資産の返還額を総額約6千億円に減額する。
 中小企業が加入する厚生年金基金は、同業種・同地域などの事業所が集まって構成されているため、仲間の企業が倒産した場合には、その返済分までをほかの企業が連帯して負う必要があった。法案ではこの仕組みを廃止し、「厚生年金」の資金で補填するとしている。
 
 「代行割れ」の基金が解散する際には、国への資産の返還は母体企業が背負うことになる。1社単独で運営する大企業の基金や、業績好調な業界の企業で構成する基金の場合、仮に存続できないとしても、母体企業に十分な負担能力があれば、ほかの年金制度への移行を検討しやすいが、中小の事業者で組織された基金の場合、加入企業の一部が倒産すると残った企業が肩代わりをしなければならない現行の制度が足かせとなって、解散したくてもできない状況が続き、結果として「代行割れ」の部分が拡大する要因ともなっていた。また、こうした基金では、母体となる中小企業が国への資産返還を背負うことが困難なため、基金解散による負担が重くのしかかるかたちでの中小企業の経営悪化を危惧する意見も根強い。
 
 厚生年金基金の連合体である企業年金連合会では、閣議決定の日と同日付けで、厚労相に対し、
①中小企業における企業年金の実施主体として大きな役割を担ってきた厚生年金基金について、他制度への移行策が十分に盛り込まれていない中で解散に追い込まれようとしており、今後、中小企業における企業年金が存続できるのか極めて不透明である。
②多くの厚生年金基金が解散に追い込まれることにより、企業年金が減額またはなくなる者が大量に発生するため、老後の所得保障に支障をきたし、深刻な社会問題となるおそれがある。
③多くの厚生年金基金が解散に追い込まれ、多額の資産が売却されることにより、回復しつつある金融市場に大きな影響を与えるおそれがある。
などとする意見を表明しているのである。 

(月刊 社長のミカタ 2013年6月号より)
 
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