税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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国税の強制・滞納処分にあなたは、どう対処すべきか その6 ~国税犯則法事件 その4~

国税犯則取締法事件(その3)


1.税理士法と脱税共犯

 脱税請負人と称される者が、他人の脱税に手をかして、検挙されるケ-スが少なくない。脱税額の何割かを手数料としてもらうことを商売としているものと思われる。
税理士法36条(脱税相談の禁止)に違反した税理士は、刑事処分として、「3年以下の懲役または、100万円以下の罰金に処す。」(同左58条)
 この場合、税理士が、「脱税請負行為」まで及んでいないが、捕脱の捕脱の手段方法を指示したり、示唆したりして当該企業が、捕脱行為に及んだ場合、税理士は、捕脱犯と税理士法違反のいかなる刑事責任を負うのであろうか。捕脱犯の構成要件である「偽りその他不正行為」のなかには、税理士法36条が規定している「不正に税をまねがれ又は還付を受ける行為」が含まれる。
 両者は、「法条競合」ないし「観念的競合」の関係にある。むしろ、「一般法と特別法の関係」にあるとみて、納税者本犯を処罰し得ない場合にのみ税理士法違反の罪が、成立すると解するべきあろう。
 税理士が、納税者本犯と共同して、犯罪を実行し、相互に共同加功の意志があれば、脱税犯の共同正犯が成立。そこで税理士法36条は、すでに、脱税の犯意を抱いている、納税者から相談を受け、それに応じて具体的な手段・方法を教示したにとどまる等受動的な行為(幇助)の程度であれば、税理士法58条違反のみが成立し、刑法62条(幇助犯・従犯)違反は、成立しない。
 税理士が、委嘱者から脱税相談の誘惑を受ける危険が多いためにもうけられた規定と解釈すべきである。(租税処罰法・松沢智P171-2)
法人税法違反 159条1項10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金2010年6月1日以降に改正


2.本件査察事件と税理士の関係の解明

1)収税官吏は、本職との被疑者法人2社・被疑者個人との関係をしつこく質問して検査した。内容は、下記の書類であった。

①関与状況と報酬との関係
②巡回監査報告書
③履行業務報告書
④決算監査報告書
⑤決算5表証明書
⑥その他顧客との取り交わし文書など

2)本職は被疑者法人(学生相手の消費者金融会社)1社の代表よりゴルフ会員権を担保に500万円を借用した。領置23号。収税官吏は、うれしそうな顔をした。

領置
※実際に領置の際、使用された資料です。


3)本職が関与する被疑者の法人は、TKCシステムを利用して7年程度経過する。当該システムは、他の会計システムと違い、「会計記録の遡及処理はできない」旨つげた。
収税官吏は、なんども会計記録の遡及処理はできないとつぶやき被疑者会社の経理処理の健全性の心証形成したようだ。


3.本件査察事件の核心

1)本件査察事件の核心は、社長よりの借入金3.5億円の個人の資産形成と税のフイルタ-との関係である。被疑者法人と被疑者個人の実家(仙台)で法人と個人の送金が頻繁にあったようだ。収税官吏は、これらの取引の法人通帳の解明を進めた(後日)が、すべて解明したらしい。つまり法人の収益の脱漏がない。個人銀行より会社に送金や回収した残高が、3.5億円ということである。
個人は、法人設立7年前に事業して同左の金額の所得があった。しかし課税権の除斥期間が経過していた。

2)役員の退職金1.5億円が、査察年度の最終期限に計上してあった。収税官吏は、ここに着目して、支払いの事実は、認める。ただし、翌年の計上にしてくれと必要に社長に迫った。社長より本職に連絡がありこの方向で修正申告の依頼である。
それに応じたら「差押、領置物件の解除」して終了したい旨伝達してきた。

3)本職は、収税官吏との申し出に対して、疑惑をもった。なぜならこのようなことは、収税官吏の常套手段で、修正申告を提出してもそれを証拠に逮捕もあり得るからである。信用してくれとの懇請により、翌日に実行することとなった。

4)翌日、所轄税務署の法人第一統括官に修正申告書を提出。当該申告書のコピ-を収税官吏に手交した。同日、日通の大型トラック2台分(被疑者法人で賃料は、負担。おかしな話だ)の資料で本職の領置分の資料も手元に戻った。

5)修正申告内容は、本職の貸し付け分の個人の収益計上もれ、および法人の退職金の否認(翌事業年度で処理)の2点であった。

6)当該修正申告の増差分は、国税局徴収部に移管された。










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