税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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会計検査院の活動とは?

 2013年度(平成25年度)、の政府予算(一般会計)は92.6兆円で決定したが、国会での成立は5月の20日頃になるらしい。
従って、本年の予算の執行はこれから本格化して行くが、この予算の使われ方を調査しているのが会計検査院である。

 今回は、この会計検査院に注目していきたいと思う。
日本国憲法第90条1項では、「国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告するとともに、これを国会に提出しなければならない」と規定している。
さらに会計検査院法第1条では「内閣に対し独立の地位を有する」と規定されており、国家予算をチェックするいずれにも属さない独立した行政機関にあたる。従って、会計検査院は内閣・国会・裁判所いずれにも属さない。
 公務員が予算や法律に従って、きちんと会計処理をしているかどうかをチェックし、国が出資している政府関係機関や財政援助をしている都道府県などを検査している。 会計検査院の総勢は1276人(2006年度調べ)規模である。調査対象先は実に5000以上。そこへ約880人の調査官が手分けして検査を行い、不正を見抜くのだ。検査は書類で確認するだけでなく、現場に出向くこともある。なにやら、税務署に似ている。企業は税務署の調査を嫌がるが、税務署は会計検査院の調査を嫌がっているらしい。

 最近では、会計検査院を題材にしたドラマや映画も見かけるようになった。2011年には堤真一が主演した「プリンセストヨトミ」などのヒットした映画もあり少しづつではあるが知られてきている。
会計検査院の活動の中心は、1年間調査活動した「決算検査報告」の作成である。
日本国憲法第90条の規定により、国の収入支出の決算を検査し、会計検査院法第29条の規定に基づいて作成すると規定されているからである。
 この検査報告は、会計検査院の検査が済んだ決算とともに内閣に送付され、内閣から国会に提出される。そして、国会で決算審査を行う場合の重要な資料となるほか、財政当局などの業務執行にも活用される。
なお、具体的な報告書は、会計検査院のHP(ホームページ)に掲載されているので興味のある方は参考にしてもらいたい。
 HPでは、1947年(昭和22年)度から2011年(平成23年)度までの国家予算の使われ方とその推移を知ることが出来る。財政学を学ぶ者にとっては良い研究資料になるだろう。
今回は、その中の2012年度(平成23年度)会計検査官が国税局・税務署を調査した租税に関しての不当事項に関しての報告書を見ていきたい。

Ⅰ.不当事項 (租税)
(1)租税の徴収に当たり、徴収額に過不足があったもの

検査院1

(2)租税の概要
 源泉所得税、申告所得税、法人税、相続税・贈与税、消費税等の国税については、法律により、納税者の定義、納税義務の成立の時期、課税する所得の範囲、税額の計算方法、申告の手続、納付の手続等が定められている。
 納税者は、納付すべき税額を税務署に申告して納付することなどとなっている。国税局等又は税務署は、納税者が申告した内容が適正であるかについて申告審理を行い、必要があると認める場合には調査を行っている。そして、確定した税額は、税務署が徴収決定を行っている。
 平成23年度国税収納金整理資金の各税受入金の徴収決定済額は52兆6366億余円となっている。このうち源泉所得税は12兆9076億余円、申告所得税は2兆6778億余円、法人税は10兆3494億余円、相続税・贈与税は1兆5874億余円、消費税及地方消費税は16兆3289億余円となっていて、これら各税の合計額は43兆8511億余円となり、全体の83.3%を占めている。

(3)検査の結果
検査の観点、着眼点、対象及び方法

 会計検査院は、上記の各税に重点をおいて、合規性等の観点から、課税が法令等に基づき適正に行われているかに着眼して、計算証明規則(昭和27年会計検査院規則第3号)に基づき本院に提出された証拠書類等により検査するとともに、全国の12国税局等及び524税務署のうち12国税局等及び105税務署において、申告書等の書類により会計実地検査を行った。そして、適正でないと思われる事態があった場合には、国税局等及び税務署に調査を求めて、その調査の結果の内容を確認するなどの方法により検査を行った。

(4) 徴収過不足の事態
 検査の結果、64税務署において、納税者97人から租税を徴収するに当たり、徴収額が、95事項計233,611,585円(18年度から23年度まで)不足していたり、2事項計1,530,700円(20年度)過大になっていたりしていて、不当と認められる。
 これを、税目別に示すと次のとおりである。
検査院2

なお、これらの徴収不足額及び徴収過大額については、本院の指摘により、全て徴収決定又は支払決定の処置が執られた。

(5) 発生原因
 このような事態が生じていたのは、上記の64税務署において、納税者が申告書等において所得金額や税額等を誤るなどしているのに、これを見過ごしたり、法令等の適用の検討が十分でなかったり、課税資料の収集及び活用が的確でなかったりしたため、誤ったままにしていたことなどによると認められる。
以上のような指摘が会計検査院からあり、これを是正させられている。
どうですか?税務署とて間違いはあります。次回ではその間違いの事例に関して考えてみましょう。

         

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