税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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パチンコ業界等の税務調査結果の実情!

 国税庁が発表した平成23事務年度(平成23年7月1日から同24年6月30日)の「法人税等の調査事績の概要」によると、法人税の不正で発見割合の高い業種は「バー・クラブ」が52.6%でワースト、次に「廃棄物処理」の33.1%、「パチンコ」の31.9%の順となっている。ワーストの上位3業種のなかで、‘パチンコ’は前年まで9年連続で2位だったが、‘不正発見割合’の点では若干ながら改善したかたちになっている。しかし、法人税の不正申告で、1件あたりの脱漏所得がもっとも大きかったのは‘パチンコ’の4247万円で、ワースト記録は継続している。ワースト2位の‘その他の娯楽’の1件不正脱漏所得金額が2694万円、続く‘医薬品’が同2585万円、‘水運’が同2583万円、‘鉄鋼製造’が2515万円と、ワースト5までがいずれも2千万円台であることに比べると、‘パチンコ’の不正金額が突出していることがわかるのである。

 この現状を打破できるのだろうか。はなはだ疑問であるが。
 国民的な‘大衆娯楽の殿堂’として巨大産業に発展してきたパチンコ業界だが、こうした調査結果が明らかにされるたびに、‘脱税業種’という負のイメージが強まってしまうのである。段階的な税率の引き上げによる消費税増税を前に、パチンコ業界では増税分をどのようなかたちで転嫁していくべきかを模索しているが、それ以前に、業界の負のイメージから「パチンコにもっと課税しろ」といった世論が高まってしまえば、消費増税とのダブルパンチに見舞われかねないのである。脱税常習ワースト業種の汚名が益々継続されることになる。

 日本生産性本部がまとめた「レジャー産業白書2012」によると、2011年度のパチンコ参加者、いわゆる「パチンコ人口」は前年度よりも410万人減少した1260万人で、調査開始以来最低になったという。また、それを裏付けるように、かつては‘30兆円超’といわれた市場規模も18兆8960億円にまで減少したのである。8年連続の前年割れで、市場規模の縮小に歯止めがかからない状況が続いているのである。その一方で、1人当たりの「年間平均参加回数」は前年の19.9%回から27.8回に、「年間平均参加回数」は同7万7100円から9万3700円に、いずれも増加しているのである。
 
 パチンコファンは、減少していないのである。なぜか嗜好品のタバコにも似ている。喫煙する人は確かに減少しているが、1人当たり喫煙する量は増えているそうである。
 また、パチンコの遊技料金は、風営法施行規則で玉1個につき4円以下と定められている。このため、100円で25個を貸し出すのが一般的だ。ただし、業界の監督官庁である警察庁では、平成12年12月の段階で「消費税分は1個4円以内という制限に含まれない」との見解を示しており、消費税率の引き上げに際して一部の店舗では、100円で貸し出す玉の個数を減らす可能性を検討しているという。平成9年に消費税率が3%から5%へ引き上げられた際には、貸し玉料金に消費税を上乗せできなかった店舗では内税処理で対応した。‘貸し玉’の本体価格を3.81円に下げざるを得なかったという。

 ‘パチンコ人口’の減少による市場規模の縮小で、厳しい経営環境にあるパチンコ業界だが、毎年恒例のように‘脱税業種’の常連として名を連ね、不正金額も他の業種に比べて突出している状況では、大多数の納税者の心理として‘パチンコ業界は苦境に立たされている’などとは思わない。射幸心を抑制するという観点から、‘パチンコ機’の入れ替えを余儀なくされるなど、業界はこれまで度重なる規制を受けてきた。その影響で大幅な客離れが予測されると、金融機関も融資に慎重な姿勢をみせはじめ、パチンコ店の倒産件数は平成19、20年をピークに激増した。しかし、そうした‘苦境にたたされる業界’の実情とは無関係に、‘パチンコはギャンブルだから、賭博税を課税しろ’‘パチンコ税を導入して震災復興に充てろ’という声はたびたび聞かれる。消費増税に加えて‘パチンコ税’などが新設されてしまえば、業界にとって死活
題になるのである。

 店舗が縮小する一方で、パチンコ機減少、パチスロ機増加というトレンドが明確な以上、‘次’に重点的な税務調査が実施されるのは遊技機器販売事業者などの関連業種だと予想できるのである。新台への入れ替えを促進するための販売報奨金や新機種導入奨励金などが、代金の割引・値引き販売に当たるのか、それとも販売促進経費として損金扱いにできるのかといった、税務・会計処理的な線引きが難しいケースもあるようだ。税務調査の際に、明確に説明できるだけの税務的な根拠を身につけておかなければ、意識していなくても、それが申告漏れや所得隠しに該当するなどと指摘されてしまうかもしれない。 震災被災地では、パチンコ産業は大きな産業のひとつであり、雇用の面でも重要な役割を果たしている。帝国データバンクの調べによると岩手、宮城、福島の3県を中心に600店ほどのホールが被災、200店あまりは店舗全壊や、店舗が津波でながされたという。
 
 パチンコのギャンブル性は否定できないが、復興には娯楽が不可欠であることも間違いないのである。業界は今後、消費税をどのようなかたちで料金に転嫁していくかが重要な問題となる。
 今後、消費増税による負担増に加えて、‘パチンコ税’の新設などが取りざたされないためにも、「不正」が指摘されないですむように、業界をあげて適正な税務処理と申告納税に取り組んでいかなければならないと考える。

(月刊 社長のミカタ 4月号のクローズアップより引用)



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