税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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交際費税務の見直しは、どう影響するのか!

税制改正や国土強靭化が後押しか?

 安倍政権が提唱する経済政策「アベノミクス」の柱の1つに‘国土強靭化計画’があります。公共事業に10年間で200兆円を投資することで、災害に強い国土づくりを目指すものですが、それとともに景気回復への足がかりにする狙いも込められています。仕事が増えることで建設業界が潤い、雇用促進が図られると同時に接待等で飲食店の利用が増えるなど消費活動が促進され、全ての業界に好影響を及ぼすーといったシナリオが各所で謳われています。果たしてそうでしょうか?モラトリアム法の終結で、中小企業の大量の倒産が懸念されている中、楽観的施策ではないだろうか。
さらに自民党は、税制改正大綱で交際費減税も俎上にのせたのである。交際費は損金不算入が原則だが、租税特別措置法で一定の例外が設けられている。資本金1億円以下の中小企業は年間600万円を限度として9割を損金に算入できるというもの。この‘600万円’という上限が‘800万円’にまで拡大されるとともに、その限度で全額の損金算入を認めることが予定されています。

 景気浮揚に向けて、中小企業の交際費の支出額拡大が重要な一策として捉えられているのは間違いないのである。そこで交際費を取り巻く現状を改めて見ていく。
交際費課税は会社の‘冗費濫用’を防ぐ意味合いなどから昭和29年にスタートしたものである。当時は課税対象を業種的に判定するケースがあるなど、現行制度とは複数の面で仕組みが異なっていた。その後、損金不算入割合や適用法人、抜本的な仕組みなどを数度にわたって変更してきた。基本的に課税強化の傾向が続くのである。しかし、景気悪化などを受け、ここ10年は中小企業の負担を減らす方向の見直しが相次いでいるのである。平成15年度は控除を認める法人の範囲を現行の基準に拡大し、損金不算入割合は引き下げられた。さらに18年度には飲食費に対する軽減策として、1人当たり5千円以下の飲食費を交際費の範囲から除外した。21年度には定額控除限度額が400万円から600万円に引き上げられたのである。来年度(2014年度)改正でさらなる定額控除限度額の引き上げが見込まれている。
この結果、資本金1億円以下の法人には600万円以下の部分の90%損金算入を認めたうえ、交際費の範囲から除くものとして①福利厚生費、②1人当たり5千円以下の飲食費(役職員の間の飲食費を除く)、③カレンダー、手帳等の贈答費用、④会議関連の茶菓子・弁当等費用、⑤出版物等の編集のための座談会等費用―が列挙される制度となったのである。

 交際費は減税の傾向がみられるとはいえ、さらに中小企業の負担を減らすべきという意見は多いのである。たとえば、日本税理士会連合会は、最新の税制改正建議書で、「交際費であっても事業活動に必要なものは金額の多寡にかかわらず損金算入されるべきであり、金額基準等により形式的に交際費かどうかを判断すべきではない」として、社会通念上必要とされる慶弔費等は交際費課税の対象外とすることを提案している。また、600万円(現行)以下の部分に1割課税とされていることに異を唱え、この部分は全て損金算入するべきとしている。全国法人会総連合も同様の提言をしている。慶弔費については常識上相当と認められる金額を具体的に「1件当たり1万円程度」として、その部分を交際費課税の対象外にすることを求めたのである。日税連と比べて一歩踏み込んだ提言としては、資本規模に関わらず一定の損金算入を認めるべきとした点が挙げられる。いずれも交際費の使い勝手を高める提案をしており、中小企業にとっての交際費の重要性を強調する形となっているのである。

 ここで、消費税増税論議などでも引き合いに出されることが多い諸外国の税制もみてみる。諸外国の交際費課税の現状は、財務省が「主要国における交際費の税務上の取り扱い」としてまとめています。これによると、イギリス以外では何らかの形で損金算入できる旨の規定が設けられていることがわかります。アメリカとドイツは、20数年前はともに100%損金だったが、それぞれ2度の税制改正を経て現行の損金不算入率になったのである。アメリカは原則、交際費の40%を損金算入とし、ドイツは交際費の30%を損金不算入としている。特に、注目したいのは、フランスでは原則的に全額の損金算入が認められていることである。また、全額または一定の損金算入が認められている3国とも資本規模で取扱が変わらない設定で、国際的には日本の仕組みが特殊であることもわかります。
平成22事業年度に交際費等を支出した企業数は230万社で、支出総額は2兆9360億円であった。これは前事業年度比でマイナス2%でした。企業が交際費を切り詰める傾向は長年続いていて、5年前と比べると17%、10年前から33%、15年前から45%も減少していることになる。これは景気の減退が大きく影響した結果である。
 
経営者としては無駄な支出を減らしたいものですが、交際費は中小企業から切っても切れない関係にあります。交際費をたくさん使えるような経済状況に復活することを期待する気持ちは誰しもが持っています。経済活性化を税制がどこまで後押しできるのかといった点に注視し続けなければならないと思う。

(月刊 社長のミカタ 2013年3月号より抜粋)




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