税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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国税の強制・滞納処分にあなたは、どう対処すべきか その6 ~国税犯則法事件 その1~

国税犯則法事件
我が国において脱税事件につき最初の「実刑判決」を言い渡したのは、松沢裁判官(当時)である。
現在では、これが一般的になった事実はあまり知られていない。

東京地裁昭和55年(1980年)3月10日判決。
被告会社A観光株式会社を、罰金 6000万円
同    B有限会社を、 罰金 1500万円
(以下は省略)
被告人 Eを懲役1年6ヶ月に それぞれ処する。



1.国庫説と責任説
脱税は、いわば「社会公共の敵」というべきものであり、大口・悪質な脱税者の刑事責任を追及するなどを目的として、厳正な査察調査を実施しています。(東京国税局査察部)とある。
我が国の伝統的見解は、国庫の財政収入を阻害する詐欺的行為として、国家的法益を害する行政犯と解した。(国庫説)
戦後、賦課課税制度から申告納税制度に税制の根本的改革を生じたことにより、申告納税制度こそ、主権者である国民が、自ら創設した国家・社会を維持存続するための「共同費用」と考え、税は、「自己賦課」というべきであり、社会的法益に属する自然犯である。これを責任説という。この責任説は、現在の通説・判例も指示している。
国庫説は、もっぱら課税要件の視点から租税処罰法をとらえたために、納税要件と関係のない「同族会社の行為計算や推計課税でも捕脱取得を算定していたのは、明らかに誤りである。

2.租税法律主義は、(憲法第30条)「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う」と規定した、同84条は、「あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。」との憲法上の規定を根拠にした租税法の基本原則である。これは法的基準説の根拠である。行政権の恣意の排除が目的となる。しかし極端な法的基準説は、反体制の学者の理論であり認容できない。
1963年11月の飯塚事件の本質は、国税当局の経済基準説の立場でのおごりであり、これに断固戦った飯塚先生の態度は、法的基準説の立場で実践し裁判に於いて勝訴した。租税法律主義の実践の最大の証である。

3.租税公平の原則は、課税庁の国庫収入確保の主張であり経済的基準説と言われる。
市中における租税法、特に租税行政の著書がこの経済的基準説である。納税者の本質は、タックス・ペイヤ-(支払者)であり、国家の構成員としての主権者である。国家と国民とは、対立でなく国家の権力は、国民により信託された。自己賦課(自分自身が負担している)で維持活動する費用の支弁なのだ。国民が、税務行政庁に質問検査権を与えたのは、正しい租税負担、共同分担及び租税実体法が運用されているかの検査機能なのだ。

4.松沢基準説は、租税法律主義も租税公平の原則もともに大事な理論なので調整を図ることで裁判法規も実行されてきつつある。
 租税処罰法では、経済的基準説を国庫説と呼び財産犯として考察されている。極端な法的基準説を言う反体制派の学者は、この処罰法についての論評は、していない。
「責任説」と言う自然犯に根拠をおく理論を用いることにより理論的に解決が可能と松沢先生は、主張される。「脱税は、民主主義に対する最悪の犯罪である。」「脱税の被害者は、国民すべての人たちである。」

5.「租税正義の実現を担保するのは、最終的には、租税処罰法である。」 (租税処罰法あとがきより引用。松沢智著)と強力なメッセイジが天国より届く。







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