税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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サラリーマン必見!「特定支出控除の活用」

 現在各税務署は確定申告で賑わっています。例年確定申告者のうち約55%が還付申告者で占められています。特に医療費控除の還付が多いようです。
サラリーマン(給与所得者)の方は、年末調整で所得税の納税が完結しているので余り興味が無いかもしれません。
しかし今回は、サラリーマンの方も必見です。
平成25年度より一部改正になった給与所得者の「特定支出控除」について説明して行きます。
なぜ必見かと言うと、この特定支出とは給与所得者が1年間に使った「特定の支出」の金額が「給与所得控除額の2分の1(最高125万円)」を超えて支出した場合、その金額を特定支出控除として認めて所得税を安くする制度である。
 それではまず、「給与所得控除」とは何か。一言で言えば、自営業者の方の必要経費のようなものである。
平成25年度の給与所得控除表は以下の通りである。

特定支出控除

1.特定支出の内容
平成24年度までの特定支出控除の内容は、次に掲げる支出のうち一定のものであった。
(1) 一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出
(2) 転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出
(3) 職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出
(4) 職務に直接必要な資格(一定の資格を除きます。)を取得するための支出
(5) 単身赴任などの場合で、その者の勤務地又は居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出
なお、これらの5つの特定支出は、いずれも給与の支払者が証明したものに限られる。

 また、給与の支払者から補填される部分があり、かつ、その補填される部分に所得税が課税されていないときは、その補填される部分は特定支出から除かれる。
 この特定支出控除を受けるためには、確定申告を行う必要がある。
 その際、特定支出に関する明細書及び、給与の支払者の証明書を申告書に添付するとともに、搭乗・乗車・乗船に関する証明書や支出した金額を証する書類を申告書に添付又は申告書を提出する際に提示する。
 なお、以上の書類のほかに給与所得の源泉徴収票も申告書に添付する。

2. そして、平成25年度分より、特定支出の範囲に次に掲げる支出が追加されている。
(1) 職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者により証明がされた、弁護士、公認会計士、税理士などの資格取得費
(2) 次に掲げる支出(その支出の額の合計額が65万円を超える場合には、65万円までの支出に限ります)で、その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者より証明がされたもの
イ 書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するもの及び制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための費用。
ロ 交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出
参考条文:(所法57の2、所令167の3~167の5、平24改正法附則52)

3.具体的事例
・給与所得者 400万円のケース
・給与所得控除額=400万×20%+540,000=1,340,000
この1,340,000の1/2である670,000円を超えれば特定支出控除が使える!
例えば、税理士の資格取得費に年間1,000,000円使ったとすれば、
1,000,000-670,000円=330,000円
この330,000円が特定支出控除として給与所得控除後の金額から差引くことが出来る。従って所得税が安くなることになる。

 特定支出控除制度の導入は、同志社大学の大島教授が1964年(昭和39年)の所得について受けた、賦課決定処分に対して訴訟を起こし、1974年(昭和49年)京都地裁、1979年(昭和54年)大阪高裁、1985年(昭和60年)最高裁判所と争い、裁判は負けたが、この時の判決が元となって、サラリーマン(給与所得者)の特定支出の規定が創設されたのである。
 そして、1987年(昭和62年)大島訴訟の最高裁判決がでた2年後の所得税法の改正によって特定支出の実額控除選択制度が導入されたのである。
あれかれ26年経ち、少しづつではあるが給与所得者にとっても使い勝手の良い制度になりつつあると思われる。
給与所得者の皆さん、来年度の確定申告ではこの「特定支出控除」制度を利用してみてはどうだろうか。


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