税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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消費税複数税率導入と問題点

 前回、消費税引き上げに伴う低所得者対策と問題点について考えてみましたが、今回は特に複数税率導入に伴う問題点について3項目に的を絞って考えてみたいと思います。

(1)軽減税率の対象品目
①食料品の範囲

 低所得者対策を考慮した場合に軽減税率の対象とする食料品については、日常的な食料品に限定されることが予想されます。では、日常的な食品といっても人それぞれ思い浮かべるものは異なるでしょうに、何をもって限定することができるのでしょうか。
②生活必需品
 低所得者対策というのであれば、食料品以外の生活必需品についても考慮されるべきではないでしょうか。現在、居住用家屋や医療のように非課税となっているものもありますが、医薬品や光熱費等のように配慮が必要なものが他にも考えられますが。ただし、範囲の限定は難しいと思われます。
③諸外国の実情
ア)贅沢品と一般的な食品による区分
 フランスを例に挙げると、贅沢品には19.5%、一般的な食品は5.5%となっていますが、次のようなちょっと笑える区分があります。
表

イ)外食とテイクアウトによる区分
 カナダでは、お菓子についてその場で食べるか持帰るかで税率を変えています。よく聞く話ですがドーナツを5個買えばその場で食べるとみなして6%の税率が適用され、6個買えば持帰るとみなして税率が0%となります。
 また、ドイツでは例えばハンバーガーを店内で食べれば外食となり19%の課税となりますがテイクアウトにすると食料品の7%の税率が適用されます。
ウ)同じ食品でも異なる税率適用
 イギリスでも贅沢品には17.5%で食料品については0%の税率が適用されていますので、ハンバーガーについては店内で飲食してもテイクアウトをしても17.5%ですが、冷凍食品であれば食品ですので0%の税率が適用されることになるのです。
 以上のように複数税率の適用についてはどの国でもその適用範囲と区分に頭を痛めていることがうかがえます。

(2)仕入税額控除の問題点 
 現行での請求書等保存方式では、前段階での消費税額の把握が難しいためインボイス方式への移行が望ましいと言われています。インボイス方式では、課税事業者に対して次の事を義務づけています。
①インボイスという適用税率や税額等の法定記載事項が記載された書類の作成と福本の保存
②インボイスに適用税率と税額の記載

仕入税額控除はこのインボイスに記載されている税額のみ控除できるのですが、免税事業者はインボイスが発行できないため、免税事業者からの仕入については仕入税額控除ができなという問題があります。

(3)事務の複雑化
 ①事務手続きの複雑化

 複数の税率の伴う商品を取り扱う場合には仕入や販売の都度、適正に区分を行わなければなりません。そのため、複数税率に対応できるシステムの導入の検討も必要となり企業にとっては事務の複雑化に加えコスト面での負担も大きくなることが予想されます。
 ②簡易課税制度の複雑化
簡易課税制度についても、課税売上と課税仕入の税率が異なる場合が想定されますが、その場合には適正なみなし仕入れ率のどのように適用していくかという問題が考えられます。
以上のように、3項目に限定しただけでも消費税率アップまでの間に解決すべき問題点があります。また、軽減税率の恩恵を受けるのは低所得者層ではなく高額所得者ではないのかという声も聞かれます。再来年までの間に適正な問題解決をしていただけることを期待したいものです。



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