税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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消費税引き上げに伴う低所得者対策と問題点

 2013年(平成25年)1月24日の新年度税制改正大綱の正式決定に伴い、盛り込まれる内容が公表され、最大の焦点となっていた複数税率の導入について自民・公明両党の合意に至りました。今回は消費税増税に対する低所得者対策とその問題点について考えてみたいと思います。

(1)消費税引き上げに伴う低所得者対策 
①現金支給
 2012(平成25)年1月17日、自民党は2014年の消費税率8%導入の際に低所得者対策として年収が一定額以下の人に対して現金支給の検討に入りました。支給対象者及び金額については、住民税非課税世帯を対象に1人当たり1万円超の支給で検討しています。

複数税率導入
 2013(平成25)年1月23日、自民・公明両党は、消費税率の引き上げに伴い低所得者対策として、複数税率の導入について合意しました。
 複数税率の導入については、過去にも税制大綱に盛り込むことが検討されましたが、実現には至りませんでした。今回は、「再来年(2015年)10月に消費税率を10%に引き上げるときに導入することを目指す」とすることで、自民・公明両党が合意しました。

③自動車取得税廃止と重量税減税
 2014(平成24)年の消費税率8%導入の際に取得税(現在5%)の引下げのほかに、取得税と従量税の減免をするエコカー減税の拡充を図ることとし、2015年の10%導入までに取得税を廃止するここで、自民・公明両党が合意しました。

(2)消費税引き上げに伴う低所得者対策の問題点 
①現金支給

 一番の問題点は対象となる低所得の範囲をどうするかとその所得の把握です。
現金支給については消費税導入時1989(平成元)年及び5%への引き上げ時1997(平成9)年に臨時給付金として住民税非課税世帯の高齢者等を対象に1万円の支給が実施されています。
今回も住民税非課税者から絞り込みを行う予定ということですが、その所得の把握をどうするかということで、一部に納税者番号制度の導入もという声も聞こえてきています。
また、今回の1万円超というのも臨時給付金より多くすべきというのが根拠だそうですが、1万円÷増税率3%=333,333円分の消費税額の支給ということで、低所得者対策としての効果は十分なのでしょうか。さらに1兆円超の対策費も必要といわれておりさらに動向を注目すべきでしょう。

②複数税率導入
 以下の点については、自民・公明両党で専門の委員会を設置して引き続き協議するということになりました。
 ア)低く抑える税率を何%とするのか
 イ)対象となる品目
 ハ)不足する財源の確保
 また、現行では請求書等保存方式を採用してますが、複数税率ではインボイス方式への変更という消費税制度そのものを見直す必要が生じてしまうという問題があります。

③自動車取得税廃止と重量税減税
自動車取得税は地方の税収が2,000億円の減収となるがその代替財源をどうするかは「迷惑をかけない対応を別途検討する」として実質的な先送りとなってしったことです。
また、重量税を廃止しないかわりに道路整備の財源に位置付ける方針しました。すなわち一般財源から道路特定財源化することです。重量税については、2019年に使途に問題があることと無駄な公共事業を拡大すべきでないという理由から一般財源化されたのですが、実質的な特定財源化の復活に疑問を感じる方も多いことでしょう。 

 以上のように、消費税率アップまでの間に解決すべき問題点があるようです。特に複数税率の導入については、請求書等保存方式の見直しという大きな問題があるのです。次回は、複数税率導入の問題点について考えてみたいと思います。



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