税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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「相続と売買で取得し単独所有となった土地の譲渡所得の取得費」

 ご存じだろうか、文書回答制度というものを。
 全国の国税局では、納税者サービスの一環として、個別の取引等に係る税務上の取り扱いについての照会に対する回答を文書により行うとともに、同様の取引を行う他の納税者の予測可能性を高めるために、その照会及び回答の内容を国税庁のホームページで公表している。
名古屋国税局はこのほど一筆の土地の共有部分を「相続」及び「売買」により個別に取得し単独所有となった者が 同土地を譲渡した場合、譲渡所得の計算上、
1.相続により取得した共有部分に相当する部分に係る取得費を「概算」で計算するとともに
2.売買により取得した共有部分に相当する部分に係る取得費を「実額」とし、これらの合計額を土地全体の取得費とすることができる旨の回答文書を平成24年12月11日にしたことが国税局のホームページに掲載された。

(具体的内容)
 照会者である甲は、平成13年4月にA土地の共有部分3分の1を父から相続により取得した。この土地は父が昭和30年代に甲の父が売買により取得したものであるが取得時期が古いこともあり取得価格は明らかではない。
その後、甲は平成18年3月に、その土地の共有部分3分の2を甲の兄から適正な価格と認められる2500万円で売買により取得した。兄は、甲と同じく父からの相続により共有部分3分の2を取得したのであるが、遠方へ引っ越すことになりA土地の管理ができないこととなったため、甲に譲渡している。
相続及び売買によりA土地の単独所有者となった甲は、平成24年4月に不動産業者へ6000万で譲渡したが、同土地の譲渡所得の計算における取得費の考え方について以下の通りで良いか名古屋国税局へ照会を行った。

(回答内容)
 譲渡所得の課税の趣旨、資産の所有者の「その所有期間中におけるその資産の価値の増加益」を清算し課税することにある。この趣旨からすると、一筆の土地の共有部分を個別の時期に相続と売買により取得し単独所有者となった者がその土地を譲渡した場合における譲渡所得の金額は、それぞれの土地の共有持分に係る所有期間中の価値の増加益の合計額として把握されるべきである。
そのため、本件土地の譲渡所得の計算においては、
① 甲が父から相続を受けた共有持分3分の1に対応する部分は、実際の取得価格が明らかでないことから措置法31条の4( 長期譲渡所得の概算取得控除)及び措置法通達31条の4-1(昭和28年以後に取得した資産について適用)の定めに基づき「収入金額の100分の5に相当する金額」とし、
② 共有持分3分の2に相当する部分は、兄に取得費の対価として実際に支払った金額とすることが認められる。
との判断を文書にて回答した。
 以上の内容を図で説明すると以下のようになる。

譲渡所得の取得費 図

 今年の確定申告時期が迫っているなか、今回の事例が同様の譲渡所得案件の参考になれば幸いである。

(国税庁HP参照)




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