税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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金融円滑化法の終了が与える再生実務への影響と手法!

 金融円滑化法(以下、「円滑化法」という。)が平成25年3月31日をもって終了することは、すでに周知のことである。さて円滑化法4条は、債務の弁済に支障がある、またそのおそれのある中小企業から当該債務の弁済にかかる負担の軽減の申込みがあった場合、金融機関はできる限り負担の軽減に資する措置を取るよう‘努める’ことを規定している。この規定は訓示的な努力義務を課すものにすぎず、違反した場合に不利益な処分等がなされることはないのである。
 しかし、同条の周辺事項が義務化されたことにより、金融機関は、中小企業からの支払猶予の申込みに事実上応じざるを得ない状況となっていたものと思われます。現に、円滑化法施行日から平成24年3月までの貸出条件変更の実行率は90%以上である。

 他方で、返済の目途が立ったことによる貸出条件変更の申込の取下げは推定1%程度という数字が示しているとおり、円滑化法を利用した多くの中小企業において収益性の改善が進んではいないものと推測されるのである。それにもかかわらず、平成24年9月時点での倒産件数は、‘過去20年で最少’の状況なのである。
円滑化法は、金融機関に対して、中小企業の抱える債務の負担を一時的に軽減させることを事実上義務化し、これにより当該中小企業に経営改善の機会を提供した点で評価できるものの、経営改善が進まない、または経営改善を進めない中小企業をいたずらに延命させる事態を引き起こしてしまった側面も否定できないのである。
このような状況化で円滑化法が終了することになるが、これにより中小企業の再生または破産が本格化していくと思われます。
そして、円滑化法の終了による中小企業の再生の活発化を見据えて、関係機関に次のような影響が生じているのである。
 
 金融機関の機能への影響は、金融円滑化法の終了後も経営状態が悪化している中小企業の再生または破産に対応するため、金融庁は平成23年4月4日に「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律に基づく金融監督に関する指針」を公表し、金融機関に対するコンサルティング機能の一層の発揮を行うことを求めたことである。
 すでに金融機関からソリューションの提示を受けている中小企業もあると思いますが、金融円滑化法の終了後にはこれが本格化していくことが予想される。ただし、地方の金融機関の中には再生支援に特化した外部機関(再生ファンド)に対して貸出債権を譲渡し、中小企業のコンサルティングを行わせているところも見受けられるのである。

 これまでの再生手法には、(1)第2会社方式、(2)DES(デット・エクイティ・スワップ)があるが、これから注目される再生手法は、DDS(デット・デット・スワップ)である。
既存の借入金(貸付債権)を株式にではなく、劣後ローンに変更することで、債務者の有利子負債の負担を軽減させるものである。
いわゆる「資本性借入金」というものである。
既存の借入金を資本性借入金に変更することにより、負債として認識されていた借入金が資本に準じた取扱いを受けることで当該中小企業のバランスシートが改善し、結果として、金融機関から新規融資を受けやすくなる。また、資本性借入金に変更された債務について当面の間、元本返済をする必要がなくなるため、当該中小企業の資金繰りが改善される。

  この資本性借入金の利用促進に向けて、金融庁は、この手法を認めるための要件を2011年11月22日に次のように緩和した
資本性借入金は、①償還条件、②金利設定、③劣後性3点から資本類似性が判断される。
①については、資本性借入金の償還条件として「長期間償還不要な状態」であることが必要とされていたが、具体的な償還期間を15年から5年超とした。
②については、業績悪化時に限って0.4%までの金利設定が可能とされていたところ、株主管理コストに準じた事務コスト相当の金利も許容されるようになった。
③については、無担保かつ法的破綻時に劣後性が確保されていることが必要であったところ、担保権を解除することが困難な場合には、法的破綻に至るまでの間において、他の債権に先んじて回収しない仕組みが備わっていれば担保権の解除は不要された。
以上の手法を利用することで、中小企業の再生を行うべく一刻も早く金融機関に交渉し、行動に移すことが大事だと考えます。

(会社法務A2Z 2013.1 参考)



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