税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

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迫る大増税時代に知っておきたい消費税対策 その6

消費税率アップに伴う経過措置を知って今から対策を考えましょう

2014年(平成26年)4月1日(施工日)を堺に消費税は上げる
 消費税法の規定により、原則として施工日である2014年(平成26年)4月1日以後における国内での課税資産の譲渡等及び課税仕入について消費税率が8%となります。従って、節税の基本は施工日前日までに旧税率の5%を活用することですが、たとえ施工日前の契約であっても譲渡等が施工日以後であれば原則8%の新税率が適用されてしまいます。そこで、節税に役立つ経過措置を知って今から対策を考えましょう。

改正に伴う経過措置
増税に関する経過措置については、平成9年4月1日より消費税率3%から5%への改正時と同様の経過措置が講じられることになり、改正消費税法附則において設けられました。今回は改正消費税法附則5条を中心にその内容を確認していきましょう。

(1)旅客運賃等に対する経過措置(改正消費税法 附則5①)
①概要
 2016年(平成26年)4月1日(以下「施工日」という。)以後に行う旅客運送・観劇等のサービスの提供等で、施工日前に対価を受領している場合には、旧税率の5%が適用されます。
②対象となるもの(改正消費税法政令 附則4①)
 イ)汽車、電車、乗合自動車、船舶、飛行機の運賃及び料金
 ロ)映画、演劇、演芸、音楽、スポーツまたは見せ物を不特定かつ多数の者にみせまたは聴かせる場所への入場料金
 ハ)競馬場、競輪場、小形自動車競走場またはモーターボート競争場への入場料金
 ニ)美術館、遊園地、動物園、博覧会の会場その他不特定かつ多数の者が入場する施設または場所及びこれらに類するものへの入場料金
 
(2)電気料金等にかかる経過措置(改正消費税法 附則5②)
①概要

 イ)月ごとに検針等が行われる場合
 施工日前から継続的に供給しまたは提供される契約に基づく電気料金等については、施工から1カ月以内に行われる検針等により料金が確定するものについては、旧税率の5%が適用されます。
ロ)月ごとに検針等が行われない場合(改正消費税法政令 附則4③)
施工日前から継続的に供給しまたは提供される契約に基づく電気料金等のうち、月ごとに検針等が行われないため、施工から1カ月以内(4月30日)に検針等が行われない場合には施工日前最後の検針等の日から4月30日までの期間に対応する料金については、旧税率の5%が適用されます。
②対象となるもの(改正消費税法政令 附則4②)
イ)電気、ガス、水道水、工業用水の供給又は下水道を使用させる行為
ロ)電気通信役務の提供、ただし、提供にかかる料金が月ごとに定額で定められているものは経過措置の適用はありません。
ハ)熱供給、温泉の供給

(3)請負工事等にかかる経過措置(改正消費税法 附則5③)
①概要

 平成8年10月1日から施工日の6ヵ月前に当たる平成25年10月1日(以下「指定日」という。)の前日(平成25年9月30日)までの間に締結した工事(製造を含む)の請負に係る契約に基づき、施工日以後にその契約課税資産の譲渡等を行う場合には、その資産の譲渡等については、旧税率の5%が適用されます。
②対象となるもの(改正消費税法政令 附則4⑤)
仕事の完成に長期間を要し、その仕事の目的物の引渡しが一括して行われるとされているもののうちその契約に係る仕事の内容について相手方の注文が付されている次のものとします
イ)測量、地質調査、工事の施工に関する調査、企画、映画そ制作、ソフトウエアの開発。
ロ)建物の譲渡に係る契約で内外装、設備の設置、構造について注文に応じて建設されるもの
③書面による通知
 経過措置の適用を受けて資産の譲渡等を行った場合には、その相手方に対し、経過措置の適用を受けたものであることについて書面により通知しなけらばなりません。
④指定日以後に対価の額が増加した場合
 指定日以後にその契約に係る対価の額が増加した場合には、増額する前の対価の額に相当する部分に限り旧税率の5%が適用され、増加部分については原則通り8%の税率が適用されます。

(4)資産の貸付にかかる経過措置(改正消費税法 附則5④)
①概要

 平成8年10月1日から指定日の前日(平成25年9月30日)までの間に締結した資産の貸付に係る契約に基づき施工日前から施工日以後引き続きその契約に係る資産の貸付を行っている場合において、②の要件に該当するときは、施工日以後のその資産の貸付に係る対価については、旧税率の5%が適用されます。
②要件
 イ)その契約に係る資産の貸付けの期間及びその期間中の対価の額が定められていること
 ロ)事業者が事情の変更その他の理由によりその対価の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと
 ハ)契約期間中に当事者の一方又は双方がいつでも解約の申入れをすることができる旨の定めがないこと
 ニ)その貸付けに係る資産の取得に要した費用の金額及び付随費用の額(利子又は保険料の額を含む。)の合計額のうちにその契約期間中に支払われるその資産の貸付けの対価の額に占める割合が100分の90以上であるようにその契約で定められていること
 ホ)その相手方に対し、経過措置の適用を受けたものであることについて書面により通知すること
③適用除外
 指定日以後にその資産の貸付けの対価の額の変更が行われた場合には、その変更後には経過措置の適用はありません。

(5)冠婚葬祭の互助会等の特定の役務提供にかかる経過措置(改正消費税法 附則5⑤)
①概要

 平成8年10月1日から指定日の前日(平成25年9月30日)までの間に締結した役務の提供係る契約で②の要件に該当するときは、その役務の提供に係る消費税については、旧税率の5%が適用されます。
②要件
 イ)その契約の性質上その役務の提供の時期をあらかじめさ定めることができない
ものである
 ロ)その役務の提供に先立って対価の全部又は一部が分割して支払われる契約であること
 ハ)その契約に係る役務の提供の対価の額が定められていること
 ニ)事業者が事情の変更その他の理由によりその対価の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと
③適用除外
 指定日以後にその役務の提供の対価の額の変更が行われた場合には、その変更後には経過措置の適用はありません。

 以上のように改正消費税法附則5条だけでも節税に役立ちそうな経過措置が設けられたことがおわかりでしょう。次回は、指定日が関係する経過措置をさらにいくつか紹介しますので、出来ること、注意点について確認してみましょう。



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