税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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最近の貸倒損失事例 (1)

最近国税庁のホームページが充実してきている。換言すれば、一般の納税者を意識した内容の分かりやすいものに変わって来ていると言うことだろう。
税の専門家でもある我々も不明点を調べる場合に参考としている。特に質疑応答事例集は根拠条文の掲載もありよく参考にさせてもらっている。
ここに掲載している質疑応答事例集は、過去に納税者から寄せられた照会等につき、その照会事項及び回答を、ポイントが分かりやすいよう要旨のみを掲載したものであり、大変分かりやすい。
今回は2012年11月2日に新しく追加された法人税事例集の中から「貸倒損失」に関して見ていきたい。

法人の貸倒損失については法令上の規定が無く、法人税基本通達9-6-1から9-6-3に示された取扱が実務上の拠り所になっている。
今回、11月2日に更新された質疑応答集では、いわゆる
<法律上の貸倒れ>
(1)第三者に債務免除を行った場合。
<事実上の貸倒れ>
(2)担保物がある場合。
(3)保証人がいる場合。
<形式上の貸倒れ>
(4)通信販売により生じた売掛債権の貸倒れ      
の4つの事例集が追加されている。

今回は、そのうち(1)の「第三者に債務免除を行った場合」(2)「担保物がある場合」について見ていきたい。

事例1 「第三者に対して債務免除を行った場合の貸倒れ」
 このケースは、得意先であるB社に対して5千万円の貸付金を有しており、B社は3年ほど前から債務超過の状態となり、その業績及び資産状況等からみても、今後その貸付金の回収が見込まれない状態である。
 そこで、B社に対して有する貸付金5千万円について書面により債務免除を行うことを予定しているが、これを行った場合、B社に対する貸付金5千万円を貸倒れとして損金算入することは認められるかどうか。なお、A社とB社との間には資本関係や同族関係などの特別な関係はなく、第三者間取引である事案である。

この事例は法人税基本通達9-6-1(4)を題材とした事例である。
まず、法人税基本通達をみておきたい。
法人税基本通達9-6-1・・・・・・ 法人の有する金銭債権について次に掲げる事実が発生した場合には、その金銭債権の額のうち次に掲げる金額は、その事実の発生した日の属する事業年度において貸倒れとして損金の額に算入する。

(4) 債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その金銭債権の弁済を受けることができないと認められる場合において、その債務者に対し書面により明らかにされた債務免除額。
と規定されている。                               ここで言う債務者の債務超過の状態だが、「相当期間継続」とは、債権者が債務者の経営状態をみて回収不能かどうかを判断するために必要な合理的期間を言うのであって、形式的に何年ということではなく、個別の事情に応じその期間は異なることになる。と説明している。
また、債務者に対する債務免除の事実は書面により明らかにされれば足りるとしているが、当事務所では確定日付の入った内容証明書郵便の利用と、下記表1の「貸倒債権調査書」を法人税申告書に添付させることによって処理をしている。

【参考】
貸倒
【クリックで拡大表示】

事例2 「担保物があっても回収不能な場合の貸倒れ」
このケースは、B社に貸付金1000万円を有し、更にB社所有不動産に抵当権を設定していたが順位が5番目であった事。そして、B社が倒産し貸付金の回収を検討したが不動産以外資産が無く、この不動産を処分しても資産価値もなく配当の見込みも無い状態の場合に、不動産の処分を待たずに貸倒れとして損金処理が認められるかという事例である。
いわゆる「事実上の貸倒れ」の取扱について法人税基本通達では、以下のように規定している。
法人税基本通達9-6-2・・・・・・・法人の有する金銭債権につき、その債務者の資産状況、支払能力等からみてその全額が回収できないことが明らかになった場合には、その明らかになった事業年度において貸倒れとして損金経理をすることができる。この場合において、当該金銭債権について担保物があるときは、その担保物を処分した後でなければ貸倒れとして損金経理をすることはできないものとする。

つまり、回収不能の金銭債権について、担保物があるときは処分後でなければ貸倒損失が認められないとしている。そのため、この取扱を文字通りに解釈し、担保物を処分したとしても抵当権順位が低いため回収可能額がないことが明らかな場合でも貸倒損失を計上しないケースが多いようだ。

今回の事例では担保物に係る劣後抵当権が名目的なもので実質的に全く担保されていないことが明らかな場合、担保物がないものと取り扱って良い旨回答している。従って、担保物の処分前でも貸倒損失が計上出来ることになる。
次回では(3)保証人がいる場合の貸倒処理 と(4)通信販売により生じた売掛債権の貸倒 について検討していきたい。
                    



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