税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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インバウンド旅行契約の法的性格とは何か! その2

 前回に引き続いて和歌山大学観光学科の廣岡裕一教授の論文「旅行契約の考え方と認識」より「旅行契約の認識」について記述します。
 旅行者は、現在の旅行契約の枠組みをどの程度認識しているのか、旅行契約に対してどのように対応しているのか、何を求めているのだろうか。
 廣岡教授の行ったアンケート調査によると、旅行者は、旅行条件書を読んでいない人が多く、また詳細な旅行条件の説明を求める旅行者も多くないそうである。旅行者が正確に旅行条件を認識しているとはいえないこともわかったそうである。
 旅行業約款における契約条件と旅行者の認識に差があることが推定できるが、聞き取りにより旅行業者の従業員も認識に差があることを自覚しているものといえる。

 旅行契約について、変更・取り消しについては、旅行者の認識の誤りが多いゆえ強調されているようであるが、この問題が生じる場合は、旅行者に原因がある場合ゆえに問題としやすいと言える。一方、旅行業者の責任については、旅行者に原因がないことも多く、旅行者が期待している旅行業者への信頼を破壊するおそれもあるため、旅行業者にとっては、この問題をあえて積極的に持ち出すことに躊躇があることは理解できるとしている。
 旅行契約における認識の差を縮めるためには、旅行業約款における契約条件が旅行契約についての標準である認識を一般的に啓蒙するか、旅行条件についての説明責任を強化するかが、考えうる方法であるが、現状においては、条件書に遺漏なく記載することや、条件書に確認を求めることで擬制することが限度であると思われているように考えられる、という。

 旅行業者の責任については、主催旅行契約において問題とされることが多い。運送機関の事故については、旅行業者の責任と認識している旅行者が多い。また、宿泊施設の問題については、旅行業者に責任があると認識している割合が高い傾向にあるように思われるそうである。しかし、旅行業者へのクレームは、「宿泊施設について」が比較的多いことから、運送機関に比較して、宿泊機関を旅行業者の履行補助者的に考えている旅行者が多いようである。
 
 従来、主催旅行契約においては、旅行サービス提供機関の与えた損害も、旅行業者が旅行者に損害を賠償する構成をとるべきであるとの主張がなされてきている。これは、旅行業者が旅行についての企画・手配・実施といった一連のサービスを自己の責任の下でないし各旅行サービス提供機関と共同して提供するような外観を作出しており、旅行者も旅行業者が各種サービスの最終責任を負ってくれるとの意識をもっていると考えられていることが理由と思えますが、このような意識は、宿泊機関に対してより強いものであるといえる。
 ここで、旅行業者が第一次責任を負う事については、過去の旅行業法、旅行業約款の改正においても議論となっていたそうですが、現行の標準旅行業約款では旅行業者は第一次責任を負うに至っていない。ただ、個々の旅行業者が、独自の約款を定めたり、いくつかの「旅行商品」については特約を結んだりすることにより第一次責任を負う形態に近付けることで当該「旅行商品」の優位性を示す際は、まず宿泊機関のサービスに対して第一次責任を負う形態をとることを優先させることが相当であると思う。
 
 従来、旅行契約についての問題は、いかに約款を改正していくべきかという視点で論じられたものが多く、旅行者が旅行約款をどのように捉えているかという視点で論じたものは少ないそうである。旅行者が提供を受ける旅行サービスは、実際上旅行業者が直接提供するものではないため、旅行業者が「販売」する「旅行商品」は、ある意味で契約がすべてであるといってもよい。しからば、旅行者が旅行業者に求める「旅行商品」の「機能」は契約にどう書かれているかによるのである。つまり、旅行業者が「販売」している「旅行商品」の「機能」を旅行者に理解してもらうことにほかならないのである。旅行業者が優れた「機能」をもつ「旅行商品」を開発したとしても、旅行契約が理解されないことには、その「機能」は理解されないことになるのである。
 (和歌山大学 廣岡裕一 論文「旅行契約の考え方と認識」より引用)

 以上、旅行者の契約に対する認識について述べられているが、ここではアウトバウンド旅行者についての理解は認識にあった商品を求めているのであり、インバウンド旅行業者は、あくまで外国の主催旅行業者の依頼に対し契約実行する旅行プランを企画・手配し、1つの「包括的旅行商品」として販売する形態は、まさしく輸出売上なのであるから、旅行原価を構成するものは、消費税還付の対象となり、売買契約という形態とみなすべきであるという認識に到達するのである。



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