税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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会社分割の乱用認めず!最高裁が初判断

 企業の再生を進めるに当たり、再生スキームとして第二会社方式が多く使われている。
第二会社方式とは、財務状況が悪化している中小企業の収益性のある事業を会社分割や事業譲渡により切り離し第二会社に承継させ、不採算部門や過剰債務は旧会社に残し、特別清算することにより事業の再生を図る方式である。
今回この方式に関して、最高裁判所が初判断を示した。
今後は再生スキームとしての会社分割制度の乱用に歯止めがかかりそうだ。
 
 日本経済新聞10月12日夕刊の記事によると、

 会社分割制度を利用し、分割した新会社に優良資産を移して債務返済を免れる手法の是非が争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は10月12日、「会社分割に伴う資産移転が債権者に損害を与える場合、もとの会社の債権者は資産移転を取り消す権利がある」との初判断を示した。
 訴訟は、債権回収会社が、大阪市の不動産会社が会社分割で新設した会社に土地・建物の所有権を移転した行為の取り消しを求めた。同小法廷は新設会社側の上告を棄却し、資産移転の取り消しを認めた第一、二審判決が確定した。4裁判官全員一致の判断であった。

 会社分割制度は2000年の商法改正で導入され、現在は会社法で規定されている。企業の事業再編を促すのが本来の目的だが、倒産寸前の企業が制度を悪用して債務返済を免れようとする「抜け殻分割」と呼ばれるケースが相次いでいた。

 民法424条は、債務者が意図的に債権者の利益を害した行為(詐害行為)は取り消しを求められると規定。訴訟では、会社の新設分割が詐害行為取り消し権の対象に含まれるかが争点となり、一審・大阪地裁、二審・大阪高裁とも「含まれる」と判断していたが、他の訴訟の下級審の判断や学説は割れていた。
 
 これに対し、同小法廷は判決理由

(1)会社法に、会社分割が詐害行為取り消し権の対象外との規定はない
(2)債権が新設会社に移った債権者は会社分割に異議を述べられるが、もとの会社に残された債権者は保護されない。と指摘。「こうした債権者は、詐害行為の取消権を認めることで保護を図る必要がある」と結論づけた。
 
 判決によると、不動産会社は2007年に会社分割を実施。新設会社に不動産など収益性のある資産の大半を引き継ぎ、対価として新設会社の全株式を取得した。債権回収会社は、強制執行を逃れるための移転で無効だと主張していた。
 抜け殻分割を巡っては、法制審議会(法相の諮問機関)で法改正の検討が進んでおり、今年8月にまとめた会社法改正の要綱案では、債権逃れと認められる場合は、分割による新設会社に、もとの会社が抱える債務の返済を求めることができるとの規定を盛り込むことが示された。法務省は答申を得た上で、早ければ今秋の臨時国会にも改正法案を提出する方針で検討しているとのことである。
事業再生に携わっている者は、今回の最高裁の判断をよく検証し、リーガルマインド(法的思考)を持った行動を取ってもらいたい。

                                

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