税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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新設された税務調査手続 その3

少し間が空いてしまいましたが、前回(2012.6.7)の記事の続きになります。

税務調査における事前通知
 
 国税通則法に新設された税務調査における事前通知の前文を示せば次のとおりです。
「(納税義務者等に対する調査の事前通知等)
第七十四条の九 税務署長等(国税庁朝刊、国税局若しくは税務署長又は税関長をいう。以下第七十四条の十一(調査の終了の際の手続)までにおいて同じ。)は、国税庁等又は税関の当該職員(以下同条までにおいて「当該職員」という。)に納税義務者に対し実地の調査(税関の当該職員が行う調査にあっては、消費税等の課税物件の保税地域からの取引き後に行うものに限る。以下同条までにおいて同じ。)において第74条の2から第74条の6まで(当該職員の質問検査権)の規定による質問、検査又は提示若しくは提出の要求(以下「質問検査権」という。)を行わせる場合には、あらかじめ、当該納税義務者(当該納税義務者について納税代理人がある場合には、当該税務代理人を含む。)に対し、その旨及び次に掲げる事項を通知するものとする。

一 質問検査等を行う実地の調査(以下この条において単に「調査」という。)を開始する日時
二 調査を行う場所
三 調査の目的
四 調査の対象となる税目
五 調査の対象となる期間
六 調査の対象となる帳簿書類その他の物件
七 その他の調査の適正かつ円滑な実施に必要なものとして政令で定める事項

2 税務署長等は、前項の規定による通知を受けた納税義務者から合理的な理由を付して同項第一号又は第二号に掲げる事項について変更するよう求めがあった場合には、当該事項について協議するよう努めるものとする。
3 前二項において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 一 納税義務者 第七十四条の二第一項第一号イ、同項第二号イ、同項第三号イ及び第四号イ並びに第七十四条の三第一項第一号イ及び第二号イに掲げる者、第七十四条の四第一項並びに第七十四条の五第一号イ及びロ、第二号イ及びロ、第三号イ及びロ、第4号イ及びロ並びに第五号イの規定により当該職員による質問検査権の対象となることとなる者並びに第七十四条の六第一項第一号イ及び第二号イに掲げる者
 ニ 税務代理人 税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第三十条(税務代理の権限の明示)(同法第四十八条の十六(税理士の権利及び義務等に関する規定の準用)の規定により準用する場合も含む。)の書面を提出している税理士若しくは同法第四十八条の二(設立)に規定する税理士法人又は同法第五十一条第一項(税理士業務を行う弁護士等)の規定による通知をした弁護士若しくは同条第三項の規定による通知をした弁護士法人
 四 第一項の規定は、当該職員が、当該調査により当該調査に係る同項第三号から第六号までに掲げる事項以外の事項について非違が疑われることとなった場合において、当該事項に関し質問調査等を行うことを妨げるものではない。この場合において、同項の規定は、当該事項に関する質問調査等については、適用しない。

(説明)
 税務調査において最も重要なことは、納税義務者等に対して当該調査が実地調査として行われる関係から、当該行為に法的安定性と予測可能性を付与されているか否かの点にあると考えられます。
 すなわち、この両者の付与がなければ個人としての尊重(憲法13)に抵触するのみではなく法の下の平等(憲法14)にも反することになります。
こうした意味合いからも、税務調査に係る実地調査について、法律として調査前に事前通知(実地調査前に法律に基づく調査に係る事項を調査対象者に知らせることで、書面通知を条件としていません)を原則として行うこととしたことは、形式的には法的安定性と予測可能性の付与に役立ち「官民平等」に近付いたものといえると思います。さらに当該事前通知は、実地調査日時及び場所について納税義務者から合理的な理由に基づく変更要望があった場合に、税務署長等は競技するという努力義務を課しています。
こうした実質的な運用が、適正に行われるか否かが今後の事前通知制度の鍵になると考えられます。
したがって、納税義務者等もこの一歩を受け止めて租税は「税務調査により取られるもの」の観念から脱し、「誠実な納税義務者等は税務調査によって確認・保護される」という考えに置き換える必要があります。
そうした両者の協調により、真の意味の「官民平等」の社会が実現するものと思われます。
この事前通知については、系統的に、かつ、〔図1 税務調査における事前通知〕として図示しておきましたので、実務の参考としてください。

事前通知図1
【クリックして拡大表示】

(1)国税庁等又は税関の当該職員
(2)税関の当該職員が行う調査にあっては、消費税等の課税物件の保税地域からの引取り後に行うものに限ります。
(3)当該職員の質問検査権の規定による質問、検査又は提示もしくは提出の要求をいいます。
(4)税務代理人がある場合には、当該税務代理人が含まれます。なお、税務代理人とは代理権限証書を提出している税理士・税理士法人又は通知弁護士・弁護士法人をいいます。
(5)税務署長等は、事前通知を受けた納税義務者から合理的な理由を付して、①調査を開始する日時、②調査を行う場所、についての変更要望があった場合は協議を努めるものとします。




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