税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業44年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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2012年7月9日施行 改正法対応 在留管理制度入門3

~外国人を適正に雇い、安心して働いてもらうために~

 在留期間の改正、みなし再入国許可について

 外国人自身の負担が軽減されるであろう改正点として、在留期間が最長5年とされること、「みなし再入国許可」の導入が挙げられます。
以下、順番に解説します。

在留期間が最長5年に
 これまで、「主な就労資格を持つ者」や「永住者」以外の居住資格者の在留期間は、最長で3年されていました。新しい在留管理制度ではこの最長の在留期間が5年に延長されます。
 在留期間が近づくと「在留期間更新許可」の手続きを行う必要があり、これまでは1年または3年ごとに書類をそろえて入管に出頭していましたので、負担は大きく軽減します。
また、今までは最短の在留期間が1年(興行・技能実習などは除く)とされていましたが、在留資格によっては新たに3ヶ月と6ヶ月が追加されました。
 就労資格における3ヶ月の在留期間は、例えば外国企業からの短期間の出向などで当初から3ヶ月以内の在留が予定されている場合、その外国人の住民登録などの事務負担を軽減するために設けられています(3ヶ月以内の在留では在留カードは交付されず、住民登録も免除)。
主な在留資格ごとの在留期間の種類は表のとおりです。

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雇用主が注意すべき点

①期間が長くなることで「更新期限忘れ」が発生しやすくなる

本人が管理することはもちろんですが、雇用主側も在留期間を把握しておきましょう。更新手続きは原則として本人出願が必要ですので、手続きの際には半休を与えたり、会社を通して申請取次行政書士などに取次を依頼したりなどのバックアップが望ましいでしょう。

②改正法施行をもって、在留期限が自動的には延長されない。

現在最長の期間である3年を付与されている場合、改正法施工後、期間の満了に伴う更新手続を行えば、審査の結果5年が付与される可能性はありますが、現状の在留期限が自動的に延長されるわけではありません。


みなし再入国許可とは

 中長期在留者の方が帰省や出張などで出国する際、現行制度では期間にかかわらず「再入国許可」を取得する必要がありますが、新制度では1年以内の出国であれば原則として再入国許可を新たに取得する必要がなくなりました(特別永住者の場合は2年)。これを「みなし再入国許可」といいます。
今まで再入国許可を得るためには1回限りで3千円、数次有効で6千円の手数料が必要でしたが、みなし再入国許可を利用すれば、この手数料は納める必要がなくなります。また、出国前に入国管理局へ出頭する手間もなくなり、外国人にとっての利便性が向上します。

 具体的な手続きとしては、今まではパスポートに再入国許可の証印が貼り付けられていましたが、これは廃止となり、再入国用IDカードにみなし再入国許可の意思表示欄が設けられます。この欄にチェックをすることで、これまでの出入国手続きと同様に再入国することが可能となります。
また、これまでの再入国許可の有効期限は、永住者以外の在留資格を持つ人の場合はその在留資格の在留期限と同様で3年とされていましたが、新制度では最長の在留資格が5年になるのに伴い、最長5年となります。在留期間が1年の人は再入国許可の期限も1年、3年の人は同様に3年と、与えられている在留期間と同様の期限であるという点に変更はありません。永住者や特別永住者の再入国許可の有効期限は、これまでの最長3年から最長5年へと変更されます。ただし、現時点で保有している再入国許可の期限が新制度の施工後に自動的に延長される訳ではありません。現時点で保有している再入国許可の有効期限が失効した後、新制度の施工後新たに申請した場合に、5年の有効期間が付与されます。


雇用主が注意すべき点

①みなし再入国許可は海外で延長ができない

 通常の再入国許可は、所定の手数料を支払うことで在外公館での期間延長が可能でしたが、みなし再入国許可は理由のいかんを問わず在外公館で延長の手続きを行うことができません。海外への長期出張の際、ケガや病気などで長期の治療が必要となったり、出張先国の政情の影響で出国ができなくなったりするなど、予期せぬトラブルのために出国期間が1年を超えてしまうという事態が起きないとも限りません
みなし再入国許可が失効すると、本人が得ている在留資格そのものが在留期間にかかわらず失効してしまうこととなります。その場合、新たに在留許可を取得しなければ日本へ戻ることができなくなります。会社の業務遂行に支障が出ることはもちろん、外国人本人にとっても精神的、手続き的負担は大きいものです。
新制度によって再入国許可が廃止される訳ではなく、希望すれば再入国許可を取得することも可能ですので、長期間の海外出張が予定される場合には、念のため1回限り有効の再入国許可を取得してから日本を出国することがベターでしょう。

②出国から1年以内に在留期間が満了となる場合は、在留期間の満了日までがみなし再入国許可の有効期限となる。

 再入国許可は、あくまでも本体の在留資格に付随するもので、出国から1年以内に再入国する場合でも、それまでに在留期間の満了日が到来する場合は、当然、みなし再入国許可も失効します。
外国人従業員に海外出張を命ずる時には、出張中に在留期間の満了日を迎えることがないかどうか、雇用主側からも確認が必要でしょう。

③みなし再入国許可の有効期限はパスポートに特に記載されない

 今までの再入国許可の有効期限は、パスポート上の証印で確認することができましたが、みなし再入国許可の場合、特にパスポートへの証印等もありませんので、外国人本人が管理する必要があります。
1年の起算日は、出国した翌日になります。
例えば、ある年の4月1日に出国した場合のみなし再入国許可の有効期限は翌年の4月1日までとなります。

次回は、外国人登録制度の廃止に伴う、証明書や届出の変更点について解説します。


(納税通信3221号 著者:行政書士椋木法務事務所 椋木マキ)



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