税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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2012年7月9日施行 改正法対応 在留管理制度入門1

~外国人の人材を有効活用するために~

新制度の概要と、施行日前後の注意点

 日本に在留する外国人について規定する「在留管理制度」ですが、いよいよ今年7月9日に改正法が施行されることとなります。
 この新しい在留管理制度は、日本に在留している外国人自身はもちろん、外国人人材を活用している、また、今度の活用を検討している経営者の皆さまにとっても把握しておくべき重要な知識です。
 ここでは平成24年7月9日以降「何が」「どのように」変わるのかという点を踏まえ、今後の外国人人材の活用の際に役立つように事例に基づいた具体的な解説を行います。

新制度の対象となる「中長期在留者」とは?
 新しい在留管理制度の対象となるのは、中長期在留者に限られます。具体的事例は下記の通りです。(一般的なもののみ抜粋)

①「人文知識・国際業務」や「技術」「技能」「投資・経営」などの就労資格(※1)を持って、企業等に勤務している、事業を行っている人など
②前記①の人の扶養を受ける配偶者や子(在留資格「家族滞在」)
③技能実習生
④日本人と結婚している人(在留資格「日本人の配偶者等(※2)」)、日系人(在留資格「定住者(※3)」「日本人の配偶者等」)
⑤永住者
⑥日本語学校、専門学校、大学等の留学生(在留資格「留学」)や日本で技芸を学ぶ人(在留資格「文化活動」)で、3ヶ月以上の在留期間が決定された人

以上のように、日本で働いている人や、日本人の家族として日本で生活をしているなど長期間日本に在留している人が対象となります。
 日本で就労するために在留していても3ヶ月以下の在留期間が決定された人や、観光目的や出張などで入国した人(在留資格「短期滞在」)などは対象となりません。

新制度 4つのポイント
 新しい在留管理制度の注意すべきポイントは4つです。ここでは大枠を取り上げ、詳細については次回以降で解説します。

①在留カードの交付
現行の「外国人登録証明書」(外国人登録カード)は廃止され、「在留カード」が交付されます。
永住者(16歳以上の人について)は平成27年7月8日まで、その他の在留資格の人は在留期限の満了日までは外国人登録証明書が在留カード同様に取り扱われます。

②在留期間が最長「3年」から「5年」に
主な就労資格や日本人の配偶者等としての資格の在留期間の上限が、最長5年となります。(「興行」「技能実習」は除く)。
また、当初から3ヶ月以内の在留が予定されている就労資格の人の事務手続きを軽減するため、新たに3ヶ月の在留期間が設けられています。この場合は在留カードが交付されず住民登録も不要です。

③1年以内の出国であれば、再入国許可の取得が原則不要に
出国の際に必ず取得しなければならなかった再入国許可が、1年以内の出国であれば原則不用(※4)となります(みなし再入国許可制度)。

④外国人登録制度が廃止され、日本人同様に「住民票」発行
現行の市区町村役場での外国人登録制度は廃止され、情報管理が法務省入国管理局に一元化されます。それに伴い「外国人登録原票記載事項証明書」の発行は廃止となり、日本人同様に住民基本台帳制度に基づいて住民票が発行されます。

 以上の4つのポイントの特徴として、「在留期間が最長5年に「みなし再入国制度の導入」などに代表されるように、日本に適法に中長期間在留される人にとっては、手続に関する負担が緩和される改正がほとんどです。
 しかし、現在市区町村役場などで外国人向けに配布されている新たな在留管理制度についてのチラシの内容では情報が不足しており、外国人同士のコミュニティ内で、「永住者の制度が廃止される」などのネガティブな根拠のないうわさが飛び交っていたり、外国人登録証明書の確認(切替)期限が経過しているのに「どうせ新しいカードが発酵されたら使えなくなるし、7月9日までは切り替える必要はないだろう」などの制度の互角があったりなど、当事者である外国人への周知が不十分で、混乱が見られるというのが現場の実感です。
 
わたしの事務所では、少しでも関係者の理解が深まるように、更新の手続きに来た外国人や、新たに外国人人材を招聘される雇用主などに対し、法務省入国管理局がインターネット上で配布しているPDFファイルのパンフレットをプリントし、解説を加えながらお渡しするといった対応をしています。このサイトでは、日本語、英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語の6ヶ国語版がそれぞれ無料でダウンロードできます。
 「外国人人材を雇用している」「技能実習生を受け入れている」といった企業では、前記の法務省入国管理局配布のパンフレットなどを活用し、社内で研修を行うことで無用な混乱は回避できるでしょう。雇用する側もされる側もストレスが少ない、新制度へのスムーズな移行につながります。
 
そして、新しい制度導入にあたり、7月9日以前でも手続きが発生する場合があります。
 前記新制度4つのポイント中の④の外国人登録制度の廃止に伴う住民基本台帳への移行のため、5月上旬に外国人住民向けに、外国人登録の住所地宛てに「仮住民票がそうふされます(市区町村ごとに時期は前後します)。
 市区町村によっては、仮住民票作成のための事前調査の用紙が送付されている場合もあります。仮に、送付に気付かず指定期限までに返信しなかったことで、住民基本台帳への登録が抹消されてしまってもただちに在留資格が取り消されるなどの影響は及びませんが、できるだけ速やかに届出を行う必要があります。このような二度手間が起こらないように、雇用主側からも注意を促すと安心でしょう。
 現行の外国人登録証明書が完全に廃止される平成27年7月8日までは、2種類のカードが流用することとなり、外国人人材の採用の現場での混乱も予想されます。「雇用しても問題がない在留資格か」など、採用の現場でのカードのチェックポイントについては、次回以降詳細に解説します。

※1 就労資格
一般に「就労ビザ」と呼ばれているもの。就労に制限あり。その資格に応じた業務に限定される。

※2 日本人の配偶者等
一般に「結婚ビザ」と呼ばれているもの、配偶者だけではなく外国人配偶者の連れ子なども含まれる。就労に制限がない。

※3 定住者
日系3世や日本人の子を扶養する外国人親、元日本人の配偶者などが含まれる。就労に制限がない。

※4 1年以内の出国であれば原則不要
特別永住者は2年以内の出国は再入国許可が原則不要。

(納税通信3219号 著者:行政書士椋木法務事務所 椋木マキ)



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