税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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提出し忘れにご注意! 消費税選択届出書 その2

 前回は消費税課税事業者選択届出書についてご説明をしました。消費税の還付を受けるために免税事業者から課税事業者への選択をしました。消費税の還付を受けた後に再び免税事業者に戻るためには、消費税課税事業者選択不適用届出書を提出する必要があります。今回はこの届出書についてご説明いたします。

1.『消費税課税事業者選択不適用届出書』(第2号様式)

(1)概要
 課税事業者を2年間継続した後に、課税事業者の選択を取り止めて免税事業者に戻ろうとする場合に提出する届出書です。

(2)提出の効力開始日
 この届出書の提出により免税事業者となることができるのは、その提出した日の属する事業年度の翌事業年度からです。従って免税事業者に戻る事業年度開始日の前日までに提出する必要がありますが、提出できる日が定められておりその日までは提出できません。

(3)提出できる日
 通常は、課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後から提出が可能となります。従って、個人事業者と事業年度が1年の法人については課税事業者となった年度の翌事業年度の初日から提出が可能となります。
消費税2-1

 課税事業者選択後の2年を経過する日までの間に調整対象固定資産を取得した場合には、調整対象固定資産を取得した課税期間の初日から3年を経過する日の課税期間の初日以後からでないと提出できません。
消費税2-2

(4)届出書の提出がなかったものとみなされるケース
 この届出書は2年を経過する日の属する課税期間の初日以後提出が可能となりますが、提出後に調整対象固定資産を取得した場合にはどうなるのでしょうか。
 この場合には、調整対象固定資産を取得した課税期間の初日から3年間は強制的に課税事業者となるため、取得した課税期間の初日から3年を経過する日の課税期間の初日以後から提出が可能となるため、すでに提出された選択不適用届出書の提出はなかったものとみなされることになります。、
消費税2-3

(5)1年未満の事業開始年度から選択した場合 (法人と個人事業者の違い)
 事業を開始した事業年度から課税事業者の選択をした場合には、その事業年度が1年未満である場合には、法人と個人ではこの届出書の提出できる日に違いがあることにご注意下さい。
 課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日が1年未満の事業年度の場合には法人と個人では異なるからです。12月決算の法人と個人事業者がともに2012年4月1日に開業した場合を考えてみましょう。法人の場合には、2012年4月1日から起算するため、2年を経過する日の属する課税期間の初日は2014年1月1日となります。
消費税2-4

 しかし、個人の場合には、年の中途で事業を開始した場合でも課税期間の初日は1月1日となるため、2年を経過する日の属する課税期間の初日は2013年1月1日となります。
消費税2-5

(6)最後に
 消費税の課税事業者選択届出書については、本来ならば消費税を支払う必要がないものを還付を受けるためにあえて提出するものです。還付を受ける事業年度のみでなく最低
2年間は課税事業者となることから、選択届出書の提出については還付が受けられる税額とその後に支払う税額とを考慮して判断することをお勧めします。




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| 消費税法 | 10:26 | comments:7 | trackbacks:1 | TOP↑

COMMENT

わかりやすいですね♪

| ハーバードナンパスクール佐藤エイチ | 2012/07/13 16:25 | URL |

調整対象固定資産を取得について

分かりやすい説明をありがとうございます。

調整対象固定資産を取得後は、課税期間の頭から3年間は、選択不適用の届出が出来ないとのことですが、例えば、
「2年毎に調整対象固定資産を取得」
した場合は、永遠に選択不適用の届出は出来ないことになるのでしょうか。

言い方を変えると、選択不適用の届出をするためには、調整対象固定資産を、課税期間の頭から3年間は、取得してはダメということになるのでしょうか?

| 桔梗屋 | 2012/10/22 22:53 | URL |

コメントありがとうございます

 固定資産に対する仕入税額控除については、長期に使用するものなのに取得した事業年度のみで課税関係を終了するのは不適切ではないかという考え方があります。そこで、おおむね3年間は固定資産の用途を変更した場合や、著しく課税売上割合が変動した場合には控除対象仕入税額の調整計算を行うことになっています。
 課税事業者を選択した場合には、この3年目の調整を強制的に行わせることが目的ですから、調整対象固定資産の3年目の調整が終了しない限りは免税事業者に戻ることはできないようになっています。従って、ご質問のように2年ごとに取得し続けた場合には理論上は永遠に戻れないことになると思われます。
 この改正は平成22年4月1日以後に開始する法人及び個人は平成23年から適用され始めましたので、まだ最初の3年は終了していないのが現状です。今後の法律改正にも注目していく必要はあるでしょう。

| 向山裕純 | 2012/10/23 11:42 | URL |

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| | 2013/03/27 17:06 | |

太陽光発電設備と増設設備資産

太陽光発電設備について、ご質問です。
今年26年度、4月から事業開始で、売電収入を得ています。
同年26年12月迄に、既存設備を増設し、売電事業を開始した場合
は、図5(1年未満の事業開始年度から選択した場合)に該当すると考えますが、もし増設工事が遅れてしまい来年度27年1月以降の事業開始となる場合は、図2に該当してしまい、まるまる3年課税対象事業者になりますか?

| kobayashi.t | 2014/09/18 22:25 | URL | >> EDIT

ご質問に対す回答です。

 この文章は、基準期間の課税売上1,000万円以下及び特定期間の課税売上高1,000万円以下である免税事業者が、自主的に課税事業者となった場合にいつ課税事業者をやめるための書類を提出できるかについて説明したものです。従って、『課税事業者選択届出書』を提出していることが前提なのです。
 まず、平成26年4月に事業を開始したそうですが、『課税事業者選択届出書』を提出したのでしょうか。『課税事業者選択届出書』を提出すれば、免税事業者の方でも設備投資に掛かった消費税の還付がうけられますが、2年間は強制的に課税事業者となります。
 なお、固定資産については、長期に渡り使用するもので、取得後に用途の変更や、課税売上割合の著しい変動が考えられるため、取得時のみの状況で計算を完了させることは実情に合わないとの考え方からおおむね3年間は控除対象仕入税額の調整計算を行うこととされています。その考え方から平成22年の改正で、『課税事業者選択届出書』を提出した等の場合については、100万円以上の固定資産を取得したときは取得した年度から3年間は免税事業者となることができなくなりました。
 従って、平成26年4月に事業を開始したとのことですので、平成26年4月の事業開始時の設備の取得価額に含まれる消費税の還付を受けようとするならば、平成26年4月から課税事業者になるための『課税事業者選択届出書』を提出する必要がありますが、その場合には設備費用が100万円以上であれば3年間は免税事業者となることはできませんし、追加で取得が平成27年以降であれば、やはり追加資産を取得した年の初日からスタートして3年間は免税事業者になることはできません。

| 向山裕純 | 2014/09/19 16:42 | URL |

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| | 2016/06/02 12:41 | |















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| まとめwoネタ速neo | 2012/07/12 14:42 |

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