税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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法人税欠損金の繰越控除制度の改正について

 平成23年度税制改正のうち法人税関係の改正に関して、6月11日のブログでは貸倒引当金について説明してきたが、もう一つ大きな見直しが行われているのが法人税繰越欠損金制度の改正である。
欠損金の繰越控除制度とは、例えば当期に発生した欠損金(赤字)を翌期以降の黒字の所得と相殺することにより、過年度の欠損金に対応する法人税・法人住民税・法人事業税を少なくさせることが出来る制度である。

 国税庁の統計によると資本金1億円以下の普通法人は256万社あり、そのうち欠損計上法人数は184万社、全体の72%を占めているという。今回この中小法人等については、現行の控除限度額の取扱は存続させている。ただし、資本金1億円以上の普通法人等にはこの控除限度額が80%までに制限されることになったので注意を要する。
それではなぜ、このような限度額控除制限制度が出来たのであろうか。その背景も理解しておく必要もあろう。

 平成23年度法人税収入は 約8兆円と言われている。
今年も景気の停滞の影響で税収の伸び悩みが大きい。なかでも、不良債権処理に追われて法人税を納めていなかった大手金融機関等が目立った。ここ10年近く大手金融機関を中心に、貸倒損失に伴う繰越欠損金の繰越控除によりほとんど法人税を納付していない。
ただしやっと、今年から一部メガバンクでも納税をし始めてはいるが。
今回の改正では、この大企業を中心とした法人税繰越欠損金控除額に限度額を設け法人税収入を上げようと着目したわけである。

それでは、改正内容を見ておこう。
1 法人欠損金の繰越控除限度額は繰越控除前所得金額の80% 
(ただし中小法人等以外)  法人税法57条
青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越制度及び青色申告書を提出しなかった事業年度の災害損失金の繰越控除制度における控除限度額について、その繰越控除をする事業年度のその控除前所得の金額の80%相当とすること。また、連結欠損金の繰越控除制度における控除限度額について、その繰越控除をする連結事業年度のその控除前の連結所得の金額の80%相当とするとしている。

2 中小法人等の範囲
  ここで言う中小法人等とは次の法人を言っている。
(1)普通法人の内、各事業年度終了のときにおいて資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下であるもの又は資本若しくは出資を有しないもの。
ただし、相互会社等の100%子法人及び資本金の額又は出資金の額が5億円以上の法人の100%子法人は除かれる。
(2)公益法人等
(3)協同組合等
(4)人格のない社団等

3 繰越欠損金の2年延長   法人税法57-10
青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越期間および損失欠損金の繰越期間並びに連結欠損金の繰越期間を現行7年から9年に2年延長する。
この欠損金の繰越期間の延長は資本金1億円以下の中小法人等につても適用される。
ちなみに9年に延長されたのは、控除限度額が80%に制限されたことを考慮してのことで、7年÷0.8=8.75年から9年になったとのことである。

なお、繰越期間延長の対象となる欠損金は、平成20年4月1日以後に終了した事業年度に生じた欠損金額から対象となる。

4 適用要件
法人税欠損金の繰越控除の適用を受ける場合は、欠損金が生じた事業年度の帳簿書類を保存することが要件となる。

5 適用開始時期
上記1~5まで全て、平成24年4月1日以後開始する事業年度から適用される。

諸外国では法人税繰越欠損金の繰越控除期間は、アメリカ20年、イギリス無期限、ドイツも無期限である。これら先進国と比較すると日本の9年は短かすぎるのではないだろうか。
いずれにせよ、国の財源不足の現状では、当面この期間が伸びるとは思えまい。

以上



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まとめtyaiました【法人税欠損金の繰越控除制度の改正について】

 平成23年度税制改正のうち法人税関係の改正に関して、6月11日のブログでは貸倒引当金について説明してきたが、もう一つ大きな見直しが行われているのが法人税繰越欠損金制度の改正

| まとめwoネタ速neo | 2012/06/20 07:55 |

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