税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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保証債務の履行の特例適用について その2

 前回の続きとして今回は実際の事例を紹介したいと思います。
以下、その際提出した申し述べ書です。                   



                申し述べ書   
            
○○税務署長 殿                                                                              
 冠省、本職は、(住所)豊島区○○○○(氏名)○○○○(以下「本件申立人」という)の平成23年度確定申告書(以下「本件申告」という。)を2012年3月14日に提出した。
今回平成23年度確定申告の一部、保証債務履行の適用金額に誤りがあったのでその経過説明を述べ本件申告の修正申告をする。
申告記載金額 113,179,540円、この中に手形割引金額 18,786,900円含まれている。
正しくは 94,392,640円となる。
 ここに本件申立人が保証債務履行を行った経緯を述べたい。

1.2011年10月1日まで、本件申立人が代表を務めためていた○○株式会社(以下「K社」という。)は建築資材を仕入、これを加工し建築現場にて組立をする大工工事業者であった。 (証第 1号)
K社の財務内容を見ると、公共工事の減少とともに、ここ数年赤字が続き債務超過の状態が続き経営は良好とは言い難く、破産の危機を含んでいた。

 K社の最近5ヶ年の推移
                売上高(千円)       当期利益(千円)
第58期  平成18年12月期  472,033        4,182
第59期  平成19年12月期  446,030       24,449
第60期  平成20年12月期  348,755      -36,073 
第61期  平成21年12月期  285,951      -32,917
第62期  平成22年12月期  161,306      -40,984

 K社は平成23年1月に入り金融機関への返済が出来なくなり、返済不能の状態に陥ってしまった。そこで、各金融機関は期限利益喪失通知書を送り、K社の連帯保証人であった、本件申立人に対し、保証債務履行をするよう求めて来た。 (証第 2号)
本件申立人は保証債務履行をするため個人所有名義の不動産を処分し、その資金で各金融機関の債務をK社に代わり返済をした。
 しかしK社は、その後も業績の回復見込みもないため、事務員を残し全社員を解雇し、本件申立人、自らも業績悪化の責任を取り平成23年10月1日に代表取締役を辞任し本件申立人の次男である○○○氏に代表権を譲り、事業再建を図ってきているが、2012年3月時点の業績も改善のきざしが無い状態が続いている。
このような状況下のなか、本件申立人は2011年12月末付けでK社に対し求償債権を放棄する事を決定した。 (証第 3号)

2.求償権行使不能の判定基準

 求償権は、「通常無担保債権」である。主債務者が物的担保を提供していれば、銀行等は、その担保権を実行したうえで、回収不足額を保証人に対して、請求するであろうから、保証人が、弁済者代位により担保権を取得する可能性は、少ない。だから、確定申告時あるいは、更正の請求時にそれまでの主債務者の資産・負債の状況その後一定の期間の経営予測がつかず法人を解散しないかぎり適用できないかという認識が、実務界にあり、当該規定を見送る例が多くあった。

 しかし、主たる債務者である法人が解散しない場合の保証債務の特例における求償債権の行使不能の判断に関しては、平成14年12月19日付け中小企業庁事業環境部長 齋藤浩氏が国税庁課税部長村上喜堂氏に対して文書照会している。 (証第 4号)
その内容は、

(1)所基本通達64-1他のケ-スと同様に、同通達51-11(貸金等の全部又は一部の切り捨てをした場合の貸し倒れ)に準じて判定する。
51-11(4)
債務者の債務超過の状態が、相当期間継続し、その貸金等の弁済を受けることが出来ないと認められる場合において、その債務者に対して「債務免除額を書面にて通知」したこと。その通知した債務免除額。・・・・・□
その法人が求償権の放棄後も存続している場合でも次のすべての状況に該当すると認められる時は、その求償権は、行使不能と判定する。

① その代表者等の求償権は、代表者等と金融機関等他の債権者との関係からみて、他の債権者と同列に扱うことが、困難である等の事情により、放棄せざるを得ない状況に合ったと認められること。・・・・・□
 これは、法人の代表者等としての立場に鑑みれば、代表者等は、他の債権者との関係で求償権の放棄を求められることとなるが、法人を存続させるためにこれに
応じるのは、経済的合理性を有すると考え方に基づくもの。

② その法人は、求償権を放棄(債務免除)することによっても、なお債務超過の状況にあること・・・・・□
これは、求償権行使が、出来ないと認められる場合の判定についての考え方である。
 なお、その求償権放棄後において、売上高の増加、債務額の減少等があった場合でもこの判定には、影響しないことになる。

(2)その法人が、債務超過かどうかの判定は、土地等及上場株式等の評価は、時価ベ-スにより行う。・・・・・□
(3)なお、この債務超過には、短期間で相当の債務を負った場合も含まれる・・・・・□
(4)確定申告を行うこと・・・・・□ (証第5号)

 以上の理由により本件申立人の事案では所得税法64条2項所定の特例があるものと解釈される。
なお、平成19年4月20日東京地方裁判所(事件番号平成17年(行ウ)第448号)にも同様の判決があることも添えたい。 (証第6号)



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| まとめwoネタ速neo | 2012/05/21 15:33 |

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