税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業45年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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養老保険裁判で国税側の大逆転激!!

法律〖趣旨〗が〖文言〗を制圧

 争われていたのは、養老保険の「全額損金プラン」に基づいて支払われた保険金の税務である!
全額損金プランとは、会社を契約者および死亡保険金受取金、役員や従業員を被保険者および満期保険金受取人とする養老保険契約のことである。
 養老保険2分の1損金制度(ハーフタックスプラン:Harf Tax Plan)の根拠である法人税法基本通達9-3-4(3)の逆パターンで、死亡保険金に対応する保険料は定期保険と同様に支払保険料として損金扱い、満期保険金に対応する保険料は被保険者への「給与」等として損金扱いとなる。

「通達の裏読み」という足場の弱さからとかく会社側の損金処理が問題視されがちですが、裁判で問題となっていたのは、被保険者である役員が受け取った満期保険金の税務処理である。同様の事件が2件争われている。一時所得の計算上控除できる必要経費に、給与課税されていない会社負担の保険料も含まれるか、というのが争点だった。

 会社役員自らが経営する会社を契約者として養老保険の全額損金プランに加入した。会社が支払った保険料はその2分の1を「保険料」として損金処理、残りの2分の1は「役員給与」として処理していた。いずれの事件も支払保険料は全額会社が負担していたが、満期保険金に対応する保険料は「貸付金」「給与」扱いとされ、実質的に満期保険金受取人が自ら負担していたことになる。
関連条文は3つ。所得税法34条2項は一時所得の計算に際して「その収入を得るために支出した金額」を経費として引くことができる旨を定めている。
そして所得税法施行令183条2項2号では、生命保険契約に基づく一時金の一時所得の計算上、保険料の総額を控除できる旨を規定している。そして、ここでいう「保険料の総額」について所得税法基本通達34-4では、「その一時金または満期返戻金等の支払を受ける者以外の者が負担した保険料も含まれる」としている。

 裁判はこれらの関連条文の解釈の戦いとなったが、一審(平成18年(行ウ)第65~68号、平成20年(行ウ)第58号)では、いずれも納税者が勝訴している。奇しくも事件の舞台となった福岡地裁は、法34条および令183条の文言からは、一時所得の計算における控除の対象が「所得者本人が負担した部分に限られるのか否かあきらかでない」と判断した。通達34-4についても、「所得者以外の者が負担した保険料も明確に控除できると規定している」などとし、このような中で国側の主張するように関係法令を限定的に解釈することは法的安定性、予測可能性確保の観点からして相当性を欠くとして、会社負担分の保険料も必要経費に含まれるとする納税者の主張を全面的に認める判決を下している。

 しかし、二審に入って判断は大きく分かれた。一連の裁判では関連条文の「趣旨」「文言」のどちらを重視すべきかが注目されたが、二審で福岡高裁民事2部は「文言」を重視。「一時所得の計算上控除する保険料は、その一時金を取得した者自身が負担したものに限られるのか、それとも、受給者以外の者が負担していたものも含まれるかについては、法文上必ずしも明らかでない」として一審を支持している。(平成21年(行コ)第11号)。

 ところが事件2の二審では福岡高裁民事3部は、法34条「その収入を得るために支出した金額」について、「文理解釈としても、同項が『支出された』ではなく『支出した』と規定しているのは、『その収入を得た』者と『支出した』者とが同一人であることを前提としていると解するのが自然」とし、「これを修正する特段の理由がない限り、一時所得の所得者本人が負担した金額に限られ、それ以外の者が負担した金額は含まれないと解するのが相当」と判示(平成22年(行コ)第12号)。国側の逆転勝訴となった。
 最高裁は、法解釈の仕方について、「趣旨」が前提にあることを強調している。争点となった法34条2項「その収入を得るために支出した金額」の解釈については、「収入を得た個人の担税力に応じた課税を図る趣旨のもの」であるとした上で、同項の「支出した金額」とは「収入を得た個人が自ら負担して支出したものと言える場合でなければならない」と判示。令183条2項2号の、一時所得の計算上控除できる「保険料の総額」の解釈についても、法34条の解釈と整合性を持たせるべきとし、そうすると「保険金の支払いを受けたものが自ら負担して支出したものと言える金額をいうと理解すべき」と判断している。いずれにせよ今後の法解釈場面では立法趣旨を前提とした「適正な解釈」を求められることになる。  

(参考文献 納税通信 第3207号)



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