税理士 向山裕純の税のなんだパンダ

創業44年を迎えました。難しいと思われがちな税金についてわかりやすい解説をしていきます。税金以外にも時事問題など取り上げていきます。

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平成27年分の相続税の課税割合大幅アップ

    税制改正の影響により過去最高の8.0%に!

 2016(平成28)年12月15日に国税庁は「平成27年分の相続税も申告状況について」を公表しました。平成25年度税制改正により相続税の基礎控除額の引き下げ等が行われましたが、その影響が大きく表れる形となりました。

1.相続人数及び課税割合
 平成27年中に亡くなられた方(被相続人)は1,290,444人(平成26年は約127万人)であり、このうち相続税の課税対象者となった被相続人数は103,043人(平成26年は約5万6千人)で課税割合は8.0%(平成26年は4.4%)となっており、平成26年より3.6ポイント増加しました。
 また、相続税の申告書の提出があったものの、相続税の税額の発生しなかった人数についても30,027人(平成26年16,895人)と前年に比べ77.7%増加しました。

2.課税価格
 課税価格の合計は14兆5,554億円(平成26年11兆4,766億円)で、前年に比べ26.8%増加したのに対し、被相続人1人当たりでは1億4,126万円(平成26年2億407万円)と、前年に比べ30.8%減少しました。

3.税額
 税額の合計額は1兆8,116億円(平成26年1兆3,908億円)で、前年に比べ30.3%増加したのに対し、被相続人1人あたりでは1,758万円(平成26年2,473万円)と、前年に比べ28.9%減少しました。

4.相続財産の金額の構成比
 相続財産の金額の内訳は、土地が5兆9,400億円(平成26年5兆1,469億円)、現金・預貯金等の4兆7,996億円(平成26年3兆3,054億円)、有価証券2兆3,368億円(平成26年1兆8,966億円)の順となっており、前年よりも増加しています。
 相続財産の金額を構成比で比較した場合には、土地は38.0%(平成26年41.5%、平成25年41.5%)、現金・預貯金等は30.7%(平成26年26.6%、平成25年26.0%)、有価証券14.9%(平成26年15.3%、平成25年16.5%)となっており、現金・預貯金等の割合が増加しているのに対し、土地と有価証券は減少していることがわかります。

 相続税の基礎控除額の引き下げ等により課税ベースが拡大された影響については、相続税の課税対象となった被相続人及び課税価格が増加したのに、一人当たりの課税価格は逆に減少するという、低い課税価格の被相続人や相続税の発生しない被相続人が増加するという形に表れています。
 また、相続財産の構成についても、土地の金額は増加しているのに割合は減少傾向にあるのに、現金・預貯金等が金額も割合も増加していることから課税ベースの拡大により不動産よりも広がった層には現金・預貯金等の所有者が多く含まれることが見て取れます。有価証券の割合も2014(平成26)年からNISAがスタートしており今後増加することが考えられます。

《参考》相続税法改正
 1.相続税の基礎控除額が引き下げられました
    改正前:5,000万円+(法定相続人の数)×1,000万円
    改正後:3,000万円+(法定相続人の数)×600万円
 2.相続税の税率がアップしました
   法定相続人の取得金額2億円超3億円以下 
     改正前:税率40% 控除額1,700万円
     改正後:税率45% 控除額2,700万円
   法定相続人の取得金額6億円超 
     改正前:税率50% 控除額4,700万円
     改正後:税率55% 控除額7,200万円


        参考資料  国税庁 「平成27年分の相続税も申告状況について」
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